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学習塾にかかる費用はいくら?小・中・高、学年別の塾費用をチェック!

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小学校、中学校と進学するにつれ、教育費支出の中で比重が重くなるのが「塾」の費用です。学校教育費とは違い、塾費用は必須の教育費ではありませんが、どれくらい費用がかかるかは早めに把握しておきましょう。子どもの希望や進路に応じて塾に通うと決めたときに、お金の面で慌てることのないように準備しておきたいですね。

01学習塾にかかる費用の平均は?

文部科学省の「令和3年度 子供の学習費調査」によると、塾費用を支出している家庭は、公立中学校の場合には7割近く、私立中学校でも6割を超えています。また、塾費用を支払っている家庭の塾費用の平均は、中・高校生の場合、年額約32万~44万円。月額2万円以上は払っていることになります。

<表1:学習塾費を支出した人の割合と支出者の年間支出平均額>

区分 小学校 中学校 高等学校
(全日制)
公立 私立 公立 私立 公立 私立
学習塾費支出者の割合 38.9% 73.0% 69.3% 60.3% 33.2% 38.3%
学習塾費支出が0円の割合 61.1% 27.0% 9.6% 46.1% 66.8% 61.7%
支出者の年間支出平均額 20万8000円 37万5000円 35万6000円 32万6000円 36万3000円 44万7000円

※1「学習塾費支出者」は、「学習塾費の支出が0円」の割合を100%から差し引いたもの
※2「支出者平均額」とは,学習塾費を支出した者の平均額(年額)

文部科学省「令和3年度 子供の学習費調査」

参考URL:https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000032268987


塾の費用は、学校や学年によって異なります。同調査を元にもう少し細かく見てみましょう。

小学校の塾の費用

小学生の塾の費用は、学年による差が大きくなります。公立小学校の場合、塾の費用を支出している家庭は、1年生~6年生までの平均では約39%ですが、1年生、2年生は約30%、3年生、4年生は約40%、5年生で約47%、6年生になると50%超と幅があります。

<表2:塾費用を支出する家庭の割合と、支出者の年間支出平均額(小学校・学年別)>

公立 私立
塾費用の支出率 支出者の年間支出
平均額
塾費用の支出率 支出者の年間支出
平均額
平均 38.9% 20万8000円 73.0% 37万5000円
第1学年 26.9% 11万6000円 66.4% 25万9000円
第2学年 30.2% 11万1000円 61.4% 20万8000円
第3学年 36.5% 14万8000円 72.4% 28万8000円
第4学年 40.0% 20万4000円 78.2% 38万8000円
第5学年 47.5% 26万5000円 81.7% 53万円
第6学年 51.4% 30万2000円 78.3% 519万7000円

注:「支出率」は塾費用を支出した家庭の比率(%)、「支出者の年間支出平均額」は塾費用を支出した人の平均額。

文部科学省「令和3年度 子供の学習費調査」

参考URL:https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000032268977

小学校から私立に進学した場合は、高額な授業料等の学校教育費を支払い、さらに、高額な塾費用を支払うご家庭が多いといえます。もちろん、どんな進学先やどんな塾を選ぶかによってかかる費用は違ってきますが、私立進学を考える際は、学校教育費だけでなく、塾などの学校外教育費についても、継続して負担していけるのかを検討しておくことが必要でしょう。

中学校の塾費用

中学校の場合は、公立・私立とも、1年生のうちから塾費用を支払っている家庭が5割を超えています。小学校とは違い、中2・中3では公立中のほうが、私立中よりも塾費用の支払額の平均額は高くなっています。確実に高校受験に臨むことになる公立中の生徒のほうが、内部進学する場合もある私立中の生徒よりも、受験対策のために塾に通うケースが多くなるのでしょう。

<表3:塾費用を支出する家庭の割合と、支出者平均額(中学校・学年別)>

公立 私立
支出率 支出者の年間支出
平均額
支出率 支出者の年間
平均額
平均 69.3% 35万6000円 60.3% 32万6000円
第1学年 57.8% 27万円 51.6% 24万6000円
第2学年 69.2% 29万4000円 53.4% 34万円
第3学年 84.0% 46万4000円 56.7% 38万7000円

注:「支出率」は塾費用を支出した家庭の比率(%)、「支出者の年間支出平均額」は塾費用を支出した人の平均額

文部科学省「令和3年度 子供の学習費調査」

参考URL:https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000032268978

公立の場合、中3になると約8割が塾費用を支払い、その家庭の塾費用の平均は年額46.4万円(月額換算3.7万円)です。塾によって、どんなコースを選ぶかによって塾の費用は変わってきますが、受験前には塾費用の支出が必要になる可能性が高いことは、心に留めておいたほうがよいでしょう。

高校の塾費用

高校生になると、塾費用を支出している家庭の割合は、公立・私立で大きな差はなく、3~4割程度で、学年が上がるにつれて割合は高くなります。塾費用の平均額はどの学年も私立のほうが高め。高3の塾費用の平均は、公立が年額45万円(月額換算3万7500円)、私立が年額53万円(月額換算約4万4200円)です。

<表4:塾費用を支出する家庭の割合と、支出者平均額(高校・学年別)>

公立 私立
支出率 支出者平均額 支出率 支出者平均額
平均 33.2% 36万3000円 38.3% 44万7000円
第1学年 30.7%  26万3000円 35.3% 31万4000円
第2学年 30.7% 35万1000円 37.6% 47万8000円
第3学年 37.9% 45万円 42.1% 53万4000円

注:「支出率」は塾費用を支出した家庭の比率(%)、「支出者の年間支出平均額」は塾費用を支出した人の平均額

文部科学省「令和3年度 子供の学習費調査」

参考URL:https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000032268979

高校になると、学校・学科によってカリキュラムが異なり、学校で補習や受験対策講座などが行われる場合もあります。進学した高校・学科によって、子供の進路希望によって、塾通いやその費用が必要になるかどうかは違ってきそうです。

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02指導方式による費用の違い

ここまで見てきた学年別の塾費用は、「家庭の支出した塾費用の平均額」です。したがって、調査対象の家庭が、どんなタイプの塾に対して払った費用なのかはわかりません。そこで、次に、学習塾の指導形式(集団授業方式、個別指導方式)による費用の違いや、夏期講習等の季節ごとの特別講習の費用、またオンライン方式の塾の費用についても確認してみましょう。

なお、どのタイプの塾にも言えることですが、一般に、学年が上がるに連れて授業料は高くなります。また、価格設定の仕方が塾によって異なるため、単純な料金の比較はできません。「授業料は月額いくら」「週1回ならいくら、週2回ならいくら」「1コマ(45分・50分・1時間・90分等)いくら」等、授業そのものの価格設定が異なり、また別途必要な費用として「入塾料」、「教材費」、「システム利用料」、「模試費用」、「合宿費用」等が挙げられている場合もあります。利用する子供に合わせて各塾のコース・プログラムを選び、見積りを出してもらい、トータルの費用を比較検討するといいでしょう。

また、「良さそうだ」と思えた塾であっても、友達や兄弟には合っていても、本人には合わなくてやめるという場合も考えられます。中途退会は、いつまでに申し出ればよいのか、先払いした費用はどうなるのかなども、塾に入る前に確認しておきましょう。

集団授業方式の塾の費用

教室に集まった多数の塾生に対して講師が授業を行う集団授業方式の塾は、個別指導方式の塾や家庭教師等に比べると人件費(講師費用)が少なくて済むため、費用負担は低めです。集団授業形式の場合、授業内容や進度を個々の子どもに合わせてもらうことは難しいので、子どもに合う授業内容や進度の塾を選びたいところです。

個別指導方式の塾の費用

講師1人に対して生徒1人,あるいは生徒数人で指導が行われる個別指導方式の塾。集団授業方式の塾に比べると、一般的に費用は高めになります。少人数に対する指導のため、その子どもに合わせた授業内容・進度にしたり、質問・指導をしやすかったりと、きめ細かい対応が期待できます。

<表5:中学生向けの集団指導・個別指導の塾の授業料の例(週2日受講の場合)>

学年 集団指導塾 個別指導塾
中1・2 2万円前後~ 25,000円前後~
中3 25,000円前後~ 3万円前後~

(筆者調べ)

夏期講習・冬期講習・春期講習の費用

多くの塾では、学校の長期休暇(夏休み・冬休み・春休み)に合わせた休暇講習等が行われています。本格的に入塾する前のお試しとして、あるいは長期休み中だけ塾を利用して集中して勉強する場合に利用する子どももいます。
休暇講習等の費用は、塾によって、また、講習期間や科目数等によっても異なります。数万円以上かかる場合もありますが、キャンペーン料金的に数千円~1万円程度で受講できる場合もあります。

オンライン形式の塾の費用

コロナ禍をきっかけに、オンライン形式の塾も注目されています。通塾時間や費用がかからず、通える範囲に塾がなくても指導が受けられるのは、オンライン形式の大きなメリットです。ただし、インターネットに接続可能な環境だけでなく、通信費、パソコンやタブレット、スマホ等の機器が必要で、勉強に集中できるスペース(部屋)も必要になります。

オンライン形式の場合も、指導の形態はさまざま。講師の授業を受講するタイプ、講師の授業を受講しつつ、個別サポートがあるタイプ、個別指導タイプなどがあります。

オンラインの塾の授業料は、月額数千円というリーズナブルなコースもありますが、月額で数万円以上になる場合もあり、必ずしも「オンラインだから安い」とは限りません。コース選択や授業の組み合わせによって、料金は変わり、「1コマいくら」という料金体系の場合、授業・科目を選択するだけ、授業料は高くなっていきます。

<オンライン形式の塾の費用の例>

学年 A塾(講義形式) B塾(個別指導方式) C塾(個別指導方式)
小6 (週2回)5000円 (週2回 90分)2万4200円 3850円/時間
中3 (週3回)10000円 (週2回90分)2万8600円 4950円/時間
高3 (週2回90分)3万3000円 4950円/時間

参考とした塾:A塾/「家スタ!」(https://iestudy.jp/)B塾/明光義塾(https://www.meikogijuku.jp/
C塾/東大家庭教師友の会(https://online.tomonokai.net/

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03塾の費用を確保するために

このように、子どもの教育費としては、学校にかかるお金のほか、塾等にかかる費用も考慮しておく必要があります。大学進学費用のように、高額な費用をいっぺんに支払うわけではないので、基本的には、学校に払うお金と同様に、塾の費用も毎月の収入の範囲内でやりくりしていくべきだと思います。

しかし、塾に通う子の増える中3の時期の塾費用の平均が月額で3万円を超えることを考えると(表3参照)、収入の範囲内でのやりくりは難しいご家庭も多いかもしれません。教育資金の準備は、子どもが小さく教育費負担が少なく、収入に余裕があるうちから、少しずつでも始めておきたいものですが、進学資金と合わせて塾の費用も予算に入れて、積立貯蓄等を活用して貯めておくとよいでしょう。

月1万円ずつ貯蓄額を上載せして9年間貯める(1万円×12カ月×9年=108万円)ことができれば、月3万円の塾費用を3年間支払える資金(3万円×12カ月×3年=108万円)を準備できます(金利・税金は考慮せず)。家計に余裕があり運用期間を長くとることが可能なら、投資信託等での積立も行えば、より資金を増やすことも可能になります。例えば3万円を積立てる場合、1万円を少額投資非課税制度「NISA」で運用をして、残り2万円は自動積立定期や財形貯蓄、個人向け国債、学資保険などと組み合わせるといいでしょう。

NISAは月々1000円から積立が可能で、投資で発生した運用益等に税金がかかりません。元本割れなど投資リスクはありますが、投資の基本である「長期・分散・積立」に適した投資信託から選べるため、初心者の方でも安心して始められます。気になる方は「新NISAではじめる資産形成」の記事もチェックしてみましょう。制度について分かりやすく解説しています。

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大林香世

監修:大林香世

CFP®・1級FP技能士

プロフィール

教育系出版社、FP会社勤務を経て、2000年より独立系ファイナンシャル・プランナーとして活動中。マネー系ホームページ、新聞等へのコラム執筆、セミナー講師、個人相談などの活動を行っている。


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