1ボーナス併用払い利用時のメリット:月々の返済額を安く抑えられる

ボーナス併用払いとは、毎月払いに加えて、ボーナスが出た月にまとまった金額を支払うもの。つまり、住宅ローンとして借りたお金を毎月返済分とボーナス時増額返済分に分けて、それぞれのローンを並行して支払っていくわけです。

ボーナス併用払いのしくみ

ボーナス併用払いのしくみ

※出典:金融広報中央委員会「知るぽると」より

住宅ローンで毎月払いのみを利用した場合、5日・15日・25日など、金融機関と毎月の返済日について取り決めを行い、年12回返済していきます。これが住宅ローンの一般的な支払い方法です。

一方、ボーナス併用払いを利用すると、毎月払いに加えてボーナス時にまとまった額を支払います。年に12回の返済とは別に、ボーナス月に合わせて住宅ローンの返済額を他の月より増やして支払うのです。毎月払いに加えて、年2回のボーナス時に返済額を多くすることで、月々の返済額を安く抑えられるメリットがあります。毎月の出費を抑えたい方や、他のローンがあって毎月それなりの出費がある方にとっては、月々の返済額を軽減できる方法の一つだと言えるでしょう。

ボーナス払いで支払う金額は、一般的には借入金の40~50%で設定するケースが多いようです。住宅ローンの返済を月々の給料だけで支払っていくか、それとも夏と冬の年に2回のボーナスも含めて返済を考えるかについては、勤めている会社の状況や支出状況など、各家庭の事情によって異なるかもしれません。

2ボーナス併用払い利用時のデメリット(1):利子負担の増大

年に2回しか支払いをしないボーナス払いは、支払い月が少ない分、元金が減らないため利子が増えるという特徴があります。

ボーナス併用払いを利用すると、「返済期間が短くなる」と思うかもしれません。確かに住宅ローンの元金を早く返済することで返済期間は短くなりますが、ボーナス払いでは12ヶ月中、2ヶ月しか返済をしません。残り10ヶ月分の支払いをしない分、利子が大きくなり、毎月払いのみよりもボーナス併用払いの方が返済総額は大きくなるのです。

前述の通り、毎月の返済額を抑えられるという点で、メリットがあるのは間違いありません。しかし、金利負担を強いられることも同時に覚えておきましょう。

3ボーナス併用払い利用時のデメリット(2):ボーナス不支給時の障害

ボーナス併用払いを利用する場合、勤務先の就業規則や給与規定を確認する必要があります。もしも、会社の業績によってボーナスが支給されない可能性がある旨が記載されていたら、家計を圧迫する可能性があります。近年、ボーナス併用払いが利用されない傾向にあるのは、昨今の経済状況からして必ずしもボーナスが支給されるわけではないことが影響しているのでしょう。

公務員や大企業の正社員である場合、安定的にボーナスが支給されるため、ボーナス併用払いを視野に入れても良いでしょう。しかし、前述した通り、景気の変動や会社の業績悪化などにより、突然ボーナスが支給されなくなったり、支給額を減らされてしまったりする可能性は十分考えられます。

住宅ローンは家計の固定費の中でも高額なため、返済計画が変わってしまうと最悪の場合、マイホームを手放すことになりかねません。「ボーナスが支給されるから大丈夫」とは考えないほうが賢明です。また、ボーナスを全額住宅ローンに充ててしまうと、急な出費が出た場合に、貯蓄の資金計画に頭を悩ませてしまうことになりかねません。子持ち、あるいは、これから子育てを考えている場合は、将来の養育費も必要になるので、今後のことをよく考えた上で返済計画を決めましょう。

4毎月払いのみとボーナス併用払いとの返済額の違い

ボーナス併用払いを利用する場合、まず初めに住宅ローン借入額の何%をボーナス払いとして支払うのかを決めます。10%にするか、それとも50%にするかによって、利子を含めた総支払額が変わってくるため、あらかじめシミュレーションする必要があります。

例えば、3000万円の住宅ローンで、ボーナス払いの割合を20%とした場合、2400万円分を毎月返済していく住宅ローンと、20%分の600万円をボーナス返済していく住宅ローンを組むことになります。

年に2回の支払いしか発生しないボーナス払いは、毎月払いの住宅ローンよりも元金の減りが遅くなるため、利子が増える傾向にあります。ボーナス併用払いを利用することで、ボーナス月以外の毎月の返済額は少なくなりますが、総合的に考えると、返済総額はボーナス併用払いのほうが高くなるのです。どちらがより家計の負担とならないかを判断した上で利用するのが良いでしょう。

毎月の返済額シミュレーション

借入額が3000万円、金利は1.110%の固定金利で、返済期間35年の元利均等返済方式の住宅ローンを組むと仮定します。その場合、毎月払いとボーナス併用払いでは、支払総額にどれくらいの差が出るのか、比べてみましょう。

上記のケースでボーナス併用払いを利用しない場合は、月々の返済額は約9万円、返済総額は約3624万円となります。一方で、借入額の10%をボーナス払いにした場合は、毎月の返済額は約8万円、ボーナス時の返済額は約13万円、完済までの返済総額は約3625万円となります。同様に、20%の場合で試算すると、毎月の返済額が約7万円、ボーナス時の返済額は約17万円、返済総額は約3625万円となります。このように、毎月の返済額はボーナス払いの割合が高くなるほど約1万円ずつ減り、逆にボーナス時の返済額はそれぞれ約4-5万円ずつ増えていくことになります。

ここで注意したいのが返済総額です。借入額に占めるボーナス払いの割合が高くなるほど返済総額が少しずつ増えているのが分かるでしょう。ボーナス払いなしの返済総額が約3624万円に対し、借入額の50%をボーナス払いにした場合は、返済総額は約3626万円と、約2万円高くなります。

ボーナス
返済割合
毎月返済額 ボーナス時
返済額
(うちボーナス
返済分)
完済までの
総返済額
なし 8万6232円 8万6232円 0円 3624万4699円
10% 7万7609円 12万9398円 5万1789円 3624万8133円
20% 6万8985円 17万2563円 10万3578円 3625万1726円
30% 6万0362円 21万5730円 15万5368円 3625万5182円
40% 5万1739円 25万8896円 20万7157円 3625万8684円
50% 4万3116円 30万2063円 25万8947円 3626万2157円

※あくまでシミュレーションによる試算であり、実際の金額とは異なる場合があります。

住宅ローンシミュレーション

借入希望額とボーナス返済額などから、毎月の返済額を調べてみよう。

5支払いが難しくなってしまったら?

会社から突如、ボーナスが支払われなくなったにもかかわらず、ボーナス併用払いを続けてしまうと、大きな障害となってしまいます。万が一、ボーナス併用払いを続けていくことが難しくなった場合は、できるだけ早く住宅ローンを契約している金融機関に相談し、返済方法の変更を伝えましょう。金融機関に相談したからといって、必ずしも返済方法を変更できるわけではありません。変更できなければ、毎月の給与の中からボーナス払い分を貯蓄し、返済できるように対処する必要があります。

ボーナス併用払いを利用している途中で支払いができなくなった際に気をつけたいのが、「他に手持ちの資金がないから」という理由で、慌てて消費者金融やカードローンなどで借金をしてしまうことです。新たなローンを組む前に、まずは契約している金融機関に相談し、ボーナス併用払いをやめて、毎月払いのみに変更できるか確認しましょう。

ボーナス併用払いをやめて、住宅ローンの残額分を毎月払いに設定したい場合は、住宅ローンを契約している金融機関で所定の手続きを行います。多くの金融機関で返済方法の変更手続きを受け付けていますが、金融機関によっては所定の手数料が必要だったり、審査によっては要望が受けられなかったりするケースもあります。

一般的な流れとしてはまず、住宅ローンを契約している金融機関に連絡し、ボーナス併用払いから毎月払いのみへの変更を伝えます。次に、金融機関が指定する所定の書類に必要事項を記入し、申請書類を提出します。収入の変化で返済方法を変更するケースは珍しくないため、この時点で変更ができないと判断されることはないでしょう。

書類を提出した後は金融機関側が返済方法について審査を行い、認められれば毎月払いへの変更が完了します。利用している住宅ローンによっては変更ができないタイプもあるかもしれません。あらかじめ契約後に返済方法の変更が可能かどうか調べた上で、住宅ローンのボーナス併用払いに関する契約をすると良いでしょう。 ボーナスが出なくなるだけでなく、給与を減らされてしまうと、返済計画を大きく見直さなければなりません。返済を延滞すれば最悪の場合、住宅を差し押さえられ、競売にかけられてしまう可能性もあります。住宅ローンでボーナス併用払いを検討する場合は、リスクについても理解した上で判断するようにしましょう。