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投資信託の評価損益とは?投資信託を始めたら損益を確認しよう

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投資信託での運用を始めたら、保有している投資信託の損益が気になります。保有している投資信託の状況がチェックできる「評価損益」と「トータルリターン」について整理しておきましょう。

01投資信託の「評価損益」、「トータルリターン」とは

投資信託を始めると、自分の資産状況がどうなっているかをチェックする必要があります。その際に参考にするのが「評価損益」と「トータルリターン」です。

投資信託の損益は、売却益(基準価額)と分配金で決まる

投資信託を購入すると、購入したときよりも高く売ることばかりを気にしてしまいがちです。分配金を出さないタイプの投資信託であれば、損益は売却益(損)だけですが、分配金を出すタイプの投資信託の場合は、保有中に受け取った「分配金」の累計額も加えた上で、その投資信託への投資収益(あるいは損失)を考えなければなりません。

購入時よりも解約時の基準価額が値下がりしていて、損失が大きいように見えていても、それまでに受け取った分配金の合計額まで加味して計算すると、その投資信託の損益はプラスになっている場合もあるのです。

投資信託の損益は、「評価損益」「トータルリターン」で知ることができます。評価損益とトータルリターンは算出方法が異なるため、結果は一致しません。

評価損益 トータルリターン
用途 売却した場合の損失や利益を計算したもの
課税申告などを目的として評価するもの
投資収支を計算したもの
投資信託の購入時点から現在までの受取分配金を含む損益
算出式 現在の評価額 – 取得価格 現在の評価額 + 受け取り分配金額 – 買付金額
確定申告 利用できる 利用できない
分配金 受取分配金は算出に含まない 受取分配金・再投資分配金ともに算出に含む

投資信託の値上がり益・値下がり損が確認できる「評価損益」

「評価損益」は、保有資産の「現在の価格(時価)」と「購入時の価格」の差額のことをいいます。
「評価損益」は、売却した場合の課税額を計算する際の基準となる損益なので、どれくらいの値上がり益(値下がり損)があり、課税されるかどうかの参考にすることができます。ただし、実際に解約した場合の損益計算は、約定日の基準価額の動きや手数料、税金も考慮する必要があるので、「評価損益」の数値とは一致しません。

分配金も含めた損益が確認できる「トータルリターン」

値上がり益・値下がり損がわかる「評価損益」に対して、「トータルリターン」は、保有している投資信託について、購入した時点から計算基準日時点までの全期間を通じた損益が確認できるものです。金融機関によっては「投資損益」「運用損益」「実現損益」などと表示される場合もあります。2014年12月からトータルリターン通知制度が開始され、金融機関には年1度以上の通知が義務づけられています。

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02投資信託を始めたら、損益を定期的に確認しよう

投資信託への投資を始めたら、自身の資産の状況を確認するために「評価損益」と「トータルリターン」の確認は定期的に行うことが大切です。確認方法は下記の通りです。

「評価損益」と「トータルリターン」の確認方法

評価損益やトータルリターンは、自ら計算するのはたいへんです。しかし、評価損益は、取引をする金融機関が年4回発行する取引残高報告書や、ホームページの口座管理画面等で見ることができます。また、トータルリターンは年1度以上の通知が義務づけられており、「投資信託トータルリターン通知書」が交付されます。金融機関にもよりますが、「取引残高報告書」や金融機関のホームページ上の顧客ごとの口座管理画面等で確認できる場合も多いようです。

「評価損益」と「トータルリターン」の確認方法 評価損益やトータルリターンは、自ら計算するのはたいへんです。しかし、評価損益は、取引をする金融機関が年4回発行する取引残高報告書や、ホームページの口座管理画面等で見ることができます。

金融機関のホームページ上の口座管理画面等では、情報が随時更新されるので、利用中の金融機関で、どのように「評価損益」や「トータルリターン」を見ることができるのかを確認しておきましょう。

損益の確認は、月に1度は行うようにしましょう。少なくとも、年4回交付される「取引残高報告書」を受け取った際には、必ず損益を確認しましょう。また、社会情勢や経済情勢などに大きな動きがあったときには、保有する投資信託の運用も影響を受ける場合があります。定期的な確認に加え、大きなニュースがあったときには、状況を確認するようにしましょう。

損益の確認時の注意点

「評価損益」を確認した際には、そのまま保有するか、買い増しをするか、売却をするかの判断をすることになります。

値下がりしている場合には、損が膨らむ前に売却を、と焦ってしまいがちですが、そんなときこそ、トータルリターンを確認して、受け取った分配金や途中で売却した金額も含めたリターンを点検することが必要です。評価金額だけをみると値下がりしているものの、分配金によってこれまで相当の収益を得ていると確認できれば、冷静に今後の値動きを予測し、どのように判断すべきかを検討することもできるでしょう。

「評価損益」と「トータルリターン」を押さえることは、投資信託で運用を行う上で非常に重要です。この2つがどのようなものか理解し、定期的にチェックすることを習慣づけましょう。

投資信託を始めるなら、値上がり益が非課税になる「新NISA」がおすすめ

通常、値上がりしている投資信託を売却して利益を確定すると、その利益に対して約20%の税金がかかります。例えば10万円の利益が発生しても、2万円は税金として支払う必要があり、手元に残る利益は8万円と少なくなります。

その点、少額投資非課税制度「NISA(ニーサ)」であれば、投資信託から得られる利益が全額非課税になります。10万円の利益があれば、手元に10万円が残る仕組みです。しかも2024年1月から新制度となった「NISA」は非課税期間が無期限化されたことで、より長期運用がしやすくなりました。新NISAについて詳しく知りたい方は、「新NISAではじめる資産形成」のページをご覧ください。

夢の実現に向けて一歩踏み出そう!NISAではじめる資産形成
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大林香世

監修:大林香世

CFP®・1級FP技能士

プロフィール

教育系出版社、FP会社勤務を経て、2000年より独立系ファイナンシャル・プランナーとして活動中。マネー系ホームページ、新聞等へのコラム執筆、セミナー講師、個人相談などの活動を行っている。


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