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初心者のための資産形成ガイド-基礎知識を徹底解説

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今、資産形成が注目されています。資産形成とは何か、なぜ必要なのかを紹介しながら、資産形成の種類や、始める時のポイントなどを解説します。

01資産形成とは

若年層の立場から将来を俯瞰すると、結婚、マイホームの購入、子どもの教育費、そして老後の資金と、まとまったお金が必要となる大きな出来事がたくさんあります。給与だけではこうした支出に対応する事が難しい可能性がある為、資産形成が必要になってきます。

いま資産形成が注目されている理由

2019年に話題になった「老後資金2000万円問題」では、65歳から95歳まで30年間の老後の生活のために、公的年金以外に2000万円を準備する必要があるというレポートが政府から公表されました。
一方、昨年発生した新型コロナウイルスの感染拡大により、収入の減少や雇用への不安も拭えそうにありません。収入がなかなか増えない中、老後資金の不足が2000万円と報じられたことから、若年層を中心に資産形成に注目する人が増えているのです。

資産形成はなぜ必要なのか

人が生きている間に起こる大きな出来事はライフイベントともいわれます。これらのライフイベントにかかる費用が給与だけで賄えれば資産形成の必要性は低いのですが、以前と比べ、それが難しくなってきているのです。

下記の図にあるように、約30年前と比較すると、現在の金利水準は極めて低くなっていて、さらに賃上げ率も下がっているためお金を増やしにくい状況になっています。

1990年 2000年 2010年 2021年
1年物定期預金 4.75% 0.12% 0.07% 0.002%
定額貯金 (3年以上) 5.06% 0.20% 0.12% 0.002%
春季賃上げ率 5.94% 2.06% 1.82% 2.00%

※預貯金金利は各年の3月第1営業日の金利
出典:預貯金金利はみずほ銀行(合併前は第一勧業銀行)の金利などから有限会社ファイナンシャルリサーチまとめ。春季賃上げ率は前述の厚生労働省「民間主要企業賃上げ集計」、独立行政法人労働政策研究・研修機構「主要企業春季賃上げ率」より

そのため、私たちは家計をやり繰りして日頃から資産形成を行い、不足するライフイベントの費用を賄えるようにしなければなりません。そのためには毎月の収入から資産形成を行っていく必要がありますが、上記の表の1990年当時のように、金利が高かった時は定期預金などの貯蓄だけで資産形成が可能でしたが、金利が低い現在では貯蓄だけではお金は増えません。将来的にお金を増やしていくための投資による資産形成を行っていく必要があるのです。

資産形成のメリット・デメリット

資産形成のメリットには「ライフイベント費用を賄い、豊かな生活ができる可能性が高まる」ことがあげられます。さらに、誰でも、小額から、すぐに始められること、そして資格や学歴も必要がないことも大きなメリットだと言えるでしょう。
一方、資産形成を始めるにあたっては、選択肢が多すぎて、それぞれの商品の仕組みや、どの商品が自分に合っているのかわからないということや、株式や投資信託などへの投資は、大きく資産を増やすことができる可能性がある反面、元本が保証されていないこと、また貯蓄と異なり投資では手数料がかかることなど、いくつかのデメリットもあります。

わかる選べるNISA投資
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02資産形成の種類

資産形成は時間をかけて資産を増やしていくものですが、その目的やタイミングにあった金融商品を選んでいく必要があります。
効率的に投資をしていくためには、ある程度の資金が必要です。まず、定期預金や、勤務先に制度があれば財産形成貯蓄(財形貯蓄)制度などを利用して資金を貯めていきましょう。

ある程度の資金が準備できれば、投資を検討します。投資には、株式、投資信託への投資のほかに、税制が優遇された制度として株式と投資信託などに投資するNISA(少額投資非課税制度)や、特定の投資信託に投資するつみたてNISA確定拠出年金などがあります。

わかる選べるNISA投資
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03資産形成を始めるときのポイント

資産形成を始める時には下記のような点を考えておくことが必要です。

ライフプランを考える

資産形成を行う場合、目的があいまいなままではなかなかうまくいきません。効率よく資産形成を行うためには、ライフプラン(人生設計)を考え、予想されるライフイベントを明確にしておく必要があります。
子どもの教育費、マイホームの購入資金、老後資金といったライフプラン上の3大資金のほか、予想されるライフイベントに対して、いつまでにいくら準備するかを明確にすることで、どのような方法で、また、どの金融商品を利用して資産形成を行えばよいのかが決まってくるのです。

過大投資しない

資産形成に投資を組み入れる場合には、余裕資金で行うこと、資産全体に占める投資の割合を過度に高くしないことが大切です。
金利の低い状況が長期化していることから、貯蓄だけの資産形成ではなかなか資産は増えていきません。資産を増やすためには株式や投資信託などの投資型商品を資産形成に組み込む必要性が高まっているのは確かです。ただ、株式や投資信託は元本が保証されていないうえ、必ず収益を確保できるわけでもありません。
資産全体の何割までという配分に決まりはありませんが、小額から投資を始めて徐々に割合を増やすようにしましょう。

資産形成の仕組みをしっかり理解する

資産形成を考える上では、その仕組みを理解しておくことが必要です。

税金・確定申告について

資産形成で利益を得た場合は税金が課せられます。
貯蓄は利息が支払われる際に税金(20.315%)が自動的に徴収され課税は終了します(源泉分離課税)。確定申告の必要はありません。
株式や投資信託などで利益が出た場合は、原則、確定申告で税金(20.315%)を納める(申告分離課税)ことになります。ただし、株式や投資信託を利用して資産形成を行う場合、取引を行う金融機関で「特定口座」の「源泉徴収あり」の口座を利用すれば、その金融機関が税金の計算から徴収まで行ってくれるため確定申告の必要はありません。
特定口座には「源泉徴収なし」の口座もありますが、そこでの取引では自分自身で確定申告を行い、税金を納める必要があるので間違えないようにしましょう。

税制優遇制度

金融商品の中には、税制優遇により、投資効率が高まる二つの制度があります。いずれも国が資産形成をサポートしているものです。

確定拠出年金(企業型DC、iDeCo)

老後資金を準備するための制度として注目を集めているのが「確定拠出年金」です。確定拠出年金には、勤務先で加入する企業型DC(確定拠出年金)と個人で加入するiDeCo(=イデコ、個人型確定拠出年金)があります。
iDeCoは自身で掛け金を拠出する金融機関を決め、その金融機関が用意しているプランの中から定期預金や保険などの元本確保型商品と、投資信託から運用商品を決めて老後資金を準備するものです。


iDeCoの特徴は、掛け金は全額所得控除、運用期間中の利益は非課税、60歳以降に年金を受け取る際には公的年金等控除が利用できるため節税効果が大きいことです。老後資金を準備するための制度なので、60歳未満で資金を引出すことはできません。企業型DCも基本的な仕組みはiDeCoとほぼ同じですが、掛け金を拠出するのは原則勤務先になり、勤務先が用意した運用商品の中から商品を選んで資産形成を行っていきます。なお、iDeCo、企業型DC共に運用商品は随時変更することが可能です。

NISA(少額投資非課税制度)、つみたてNISA

NISAは年120万円、つみたてNISAは年40万円までを非課税で投資できる制度です。非課税投資期間はNISAが5年、つみたてNISAは20年なので、NISAは最高600万円、つみたてNISAは800万円まで非課税投資ができます。

NISAの対象となる金融商品は、株式、投資信託、ETF、REIT(不動産投資信託)などです。つみたてNISAは一定の条件を満たした投資信託とETFで、これらの商品から得られる売却益や配当金などが非課税になります。ただし、NISAとつみたてNISAは併用することはできず、どちらか1つを選んで利用することになります。

わかる選べるNISA投資
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深野康彦

監修:深野康彦

1級ファイナンシャルプランニング技能士、有限会社ファイナンシャルリサーチ代表

プロフィール

FP業界歴30年以上のベテランFP。テレビ・ラジオ番組などの出演、各種セミナーなどを通じて、投資の啓蒙や家計管理の重要性を説いている。あらゆるマネー商品に精通している。日本経済新聞「投信番付」ほか連載多数。


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