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一人暮らしの生活費の平均は?お金を節約するコツを紹介

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「そろそろ自立して一人暮らしを始めたい・・・」と思ってはいても、生活費が足りるかどうかが心配で、なかなか一人暮らしに踏み切れない人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、一人暮らしの生活費の平均値を紹介するとともに、生活費を安く抑えるための節約のポイントや貯蓄法を解説します。

01一人暮らしにかかるお金は?

まずは、一人暮らしをするとどんなことにお金がかかるのかを項目別に見ていきましょう。

(1)住居費(家賃)

相続などで住居を所有していない場合は、当然ながら一人暮らし用の住居を借りて家賃を払わねばなりません。また、持ち家の場合も費用負担がないわけではなく、一般的に固定資産税や修繕費などを自分で負担する必要があります。

(2)食費

実家では家族が無料で作ってくれるのが当たり前だった食事も、一人暮らしになると、そのほぼすべてを自費で賄わねばなりません。1日の費用を1000円まで抑えたとしても月に3万円、1500円なら4万5000円がかかります。

(3)水道・光熱費

「実家で家族と住んでいたころは、気にもしていなかった」という人が多いのが、水道・光熱費。当たり前のことですが、一人暮らしになると、自分で使った水道代や光熱費はすべて自分で払わなければなりません。

(4)情報通信関係費

スマートフォンやインターネット通信(Wi-Fi使用料)などにかかる費用のこと。自宅で固定電話やFAXを利用すれば、その基本料金や通信料もかかります。

(5)日用品代

トイレットペーパーやティッシュペーパー、洗剤やシャンプーなど、日常生活を送る上で必要な消耗品にかかる費用です。

(6)交際費

文字通り、友人や同僚との交際にかかる費用のこと。適度な人付き合いは大切ですが、誘われる度に外食や飲み会に付き合っていると、いつの間にか大きな出費に。

(7)趣味・娯楽費

趣味や習い事、レジャーなどにかかる費用です。一人暮らしの生活費の中でも特に個人差が大きな支出です。

(8)保険料

生命保険や損害保険に加入すると、毎月あるいは毎年保険料を支払わねばなりません。

(9)雑費

上記(1)~(8)には当てはまらない出費のこと。化粧品や洋服代、アプリの課金やクレジットカードの年会費など様々な出費がこれに該当します。

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02一人暮らしの生活費、月にどのくらいかかるの?

ここまで、一人暮らしにかかる生活費の内訳についてみてきました。では、こういった生活費をすべて一人で賄うとすれば、いったいどのくらいの金額が必要なのでしょうか?

結論から言うと、すべての人に当てはまる「正解」はありません。一口に一人暮らしといっても、住んでいる地域や職業、年齢や性別、自家用車の有無、保険加入の有無、趣味嗜好の違いなどによって、生活にかかる費用は異なるからです。

そこで、ここでは1つの目安として、総務省統計局の「家計調査報告」で報告されている単身世帯(一人暮らし世帯)の平均支出を紹介しましょう。同報告によると、2023年の単身勤労世帯(働いている単身者)の1か月あたりの消費支出は平均18万2114円でした。このうち、主な項目の支出額は以下のとおりです。

支出項目 平均月額
食費 4万3614円
住居(家賃含) 4万1269円
水道・光熱費 1万1489円
家具・家事用品(日用品含) 5163円
被服及び履物 4447円
保健医療 7367円
交通・通信 2万1654円
教育 2円
教養・娯楽 1万8794円
その他 3万704円

出典:総務省統計局「家計調査報告」家計収支編 単身世帯 2023年(令和5年)/表番号001

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03一人暮らしの生活費を抑えるには?

上に挙げた平均値を見て、「意外と安く済むな」と安堵した人もいれば、「やはり、結構かかるな」と不安になった人もいるでしょう。後者の場合はもちろん、前者の場合も油断は禁物。というのも、一人暮らしを続けているうちに、失職したり給料が大幅に減ってしまったりして、今の収入を維持できなくなる可能性があるからです。そこでおすすめしたいのが、生活に余裕がある・なしにかかわらず、節約すべき点は節約し、無駄の少ない生活を心がけること。まずは一人暮らしをするにあたって、「自分が暮らしていける最低限の金額」を把握しておくこと。この金額をベースに無駄なく生活していけば、少しずつであっても貯蓄ができ、いざというときの備えになります。

ここからは生活費を節約するために心がけたいポイントを支出項目ごとに紹介しましょう。

(1)住居(家賃)

家賃は固定費なので、家賃が安ければ安いほど、他の支出に回す金額を増やすことができます。とはいえ、駅から遠い、建物や設備が古いなど、条件の悪い部屋しか借りられなくなってしまうことが多いので、安さだけで部屋探しをするのは考えもの。自分の収入に対して、どのくらいの家賃が適切かをしっかり見極めた上で部屋探しをするようにしましょう。

一般的に家賃は「給与の3分の1の以下に抑えると良い」と言われていますが、ここで注意したいのは、給与の総支給額をベースに考えてはいけないということ。あくまでも総支給額から社会保険料や所得税、住民税などを差し引いた、手取り額(実際にその月に使える金額)をベースに考えることが大切です。例えば、手取りが24万円の人の場合、8万円以下で借りられる部屋を探すと良いでしょう。

(2)食費

食費は家賃と違って固定費ではないので、外食を控えて自炊を増やす、食材を上手にやりくりするなどして節約すれば、安く抑えることも不可能ではありません。平日のランチを外食からお弁当に変更したり、頻繁にカフェに立ち寄るのをやめたりするだけでも、節約効果が期待できます。

(3)水道・光熱費

いずれも基本料金は決まっていますが、使用料に関しては工夫次第で安く抑えることができます。たとえば、水道を出しっぱなしにしたまま洗髪や歯磨きをしない、使わない電化製品のコンセントは抜いておく、こまめにエアコンの掃除をするなど小さな努力の積み重ねが大切です。

(4)情報・通信料

スマートフォンやインターネットを使う限り、その経費をゼロにすることは難しいですが、不要なオプションを解約するなど契約内容を見直せば、毎月の支払を安く抑えることは可能です。また、インターネット利用料(Wi-Fi利用料)が家賃に含まれている物件を選べば、自分でWi-Fi契約をして毎月の料金を支払う必要はなくなります。

(5)日用品代

1つひとつの値段はそう高額ではないですが、好きなブランドなどにこだわって選んでいると、意外とまとまった金額に。あらかじめ毎月の予算を決めて、その範囲内で買えるものを揃えるようにすると良いでしょう。

(6)交際費

冠婚葬祭などの特別な場合は別として、日常的な食事会や飲み会に毎回参加する必要はありません。参加頻度を抑える、もしくは外食の代わりに自宅での持ち寄りパーティーを提案するなどして工夫すれば、交際費を節約することができます。誘いを断るのが苦手な人は「今、貯金をしなくてはいけないので」「飲み会は月に1回に決めているから」などと、率直に理由を告げると、無理に誘われなくなります。

(7)趣味・娯楽

趣味や娯楽のない生活は寂しいですが、そのための出費が家計を圧迫してしまうのは考えもの。年間の予算を決めて、その範囲内で楽しむようにするのがおすすめです。また、趣味と実益を兼ねて、副業を視野に入れてみてはいかがでしょうか。

(8)保険料

万が一、病気やケガをした時への備えとして保険に加入することは決して無駄ではありません。ただし、保険料が負担になると継続が難しくなります。本当に今の自分に必要な保険内容になっているかどうか、過剰な保険内容になっていないかどうかを十分に検討した上で加入・見直しをするようにしましょう。自信のない人は、中立的なFPなどの専門家に相談するのも一案です。

(9)雑費

雑費の中で意外と多いのが「何に使ったのか思い出せない支出」。コンビニやカフェで無意識に使った数百円が、積もり積もって月に数万円になることも。家計簿をつけるなどして、何にいくら使ったのかを明確にすると、無駄な支出を抑えることができます。キャッシュレス決済にも注意が必要です。便利なキャッシュレス決済は「お金が減った」という実感が薄いため、ついつい無駄な買い物をしてしまいがち。コンビニでの支払はあえて現金にするなど、無駄遣いをセーブするための「マイルール」を作ると効果的です。

このように、いずれの項目も、工夫次第で節約は可能。「いつも生活がギリギリ・・・」という人は、まず家計簿をつけることから始めてはいかがでしょうか?家計簿をつけることによって、自分がいつ、何にお金を使ったのかを正確に把握し、無駄を可視化することができるようになります。また、自分の無駄遣いのパターンを知っておけば、次に無駄遣いをしそうになったときにブレーキをかけることができるようになるはずです。

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04節約だけでは不十分。一人暮らしでも無理なく貯蓄する方法

しかし、ここで注意しなくてはならないのは、上に挙げた支出項目の中には「貯蓄」が入っていないことです。もちろん、正確に言うと貯蓄は「生活費」ではありませんが、将来のことを考えると、生活費の一部に「貯蓄」を組み込んでおくことをおすすめします。というのも、手取り所得を毎月全額生活費として使っていたのでは、将来への備えがまったくできないからです。一人暮らしという新たなスタートを切った後は、毎月少しずつであっても、次なる目標に向けてぜひ貯蓄を始めましょう。

とはいえ、普通に暮らしていると貯蓄はなかなか難しいもの。ついつい無駄遣いや衝動買いをしてしまい、貯蓄どころか毎月の赤字をボーナスで補填している・・・なんていう人も少なくありません。

そんな人にはおすすめしたいのが、「先取り貯蓄」。あらかじめ月々貯蓄したい金額を決めておき、給与をもらったら、すぐにその金額分を貯蓄用の口座に移してしまいます。そして、その分は「最初からなかったもの」として、残った金額内で生活するのです。

例えば、給与の手取りが25万円で、これまで毎月25万円を使い切っていた人にとって、来月から急に節約して毎月3万円貯めるのはハードルが高く感じるかもしれません。でも、「25万円のうち3万円は貯蓄して、残り22万円は使ってもいい」という発想なら、意外と簡単にクリアできるものです。なかなか貯蓄できずに悩んでいる人は、無理のない範囲で先取り貯蓄に挑戦してみてください。なお、貯蓄用の口座は近くに店舗がない金融機関の口座にするなど、手軽に引き出せないようにしておくのがポイントです。

また最近は、投資信託の運用益が非課税になる「NISA」で積み立てを始める人も増えています。2024年1月から制度が刷新されて非課税期間が無期限になり、より長期運用がしやすくなった点もポイントです。しかも月1000円からはじめられるので、無理のない範囲での積み立てができます。新NISAについて詳しく知りたい人は、こちらの「新NISAではじめる資産形成」をご覧ください。

一人暮らしの時期は扶養家族がいないことが多いので、実は自分の采配でお金が貯めやすい時期でもあります。生活費を上手にやりくりして、次なるライフステージに備えましょう。

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相山華子

監修:相山華子

ライター、OFFICE-Hai代表、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

プロフィール

1997年慶應義塾大学卒業後、山口放送株式会社(NNN系列)に入社し、テレビ報道部記者として各地を取材。99 年、担当したシリーズ「自然の便り」で日本民間放送連盟賞(放送活動部門)受賞。同社退社後、2002 年から拠点を東京に移し、フリーランスのライターとして活動。各種ウェブメディア、企業広報誌などで主にインタビュー記事を担当するほか、外資系企業のための日本語コンテンツ監修も手掛ける。20代で不動産を購入したのを機に、FP(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)の資格を取得。金融関係の記事の執筆も多い。


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