おすすめの国内株式とは?海外株式との違いや銘柄選びのポイントを知ろう
株式投資にはさまざまな魅力がありますが、国内の株式だけではなく海外の株式にも投資が可能です。株式投資の基本から、国内株式と海外株式の特徴やその違い、銘柄の選び方についてお伝えします。
01株式投資の魅力
株式投資には、以下のようなメリットがあります。
<株式投資のメリット>
値上がり益
株価は常に変動するものですが、投資した企業(銘柄)の株価が、購入した時より、売却する時の方が高ければ、値上がり益が得られます。これをキャピタルゲインといいます。
配当益
企業が企業活動で得た利益の一部は配当金として株主に還元されることがあります。これをインカムゲインといいます。配当額は企業によってさまざまです。配当金の支払いは年1回の本決算、または中間決算も入れて年2回としている企業が多く、実際に配当を受け取れるのは、決算の2~3カ月後になります。
株主優待
株主優待は企業が株主に対して、保有株数に応じて商品やサービスを無償で提供するものです。日本の上場企業のうち、約4割が株主優待を行っています。優待回数や優待内容は企業によってさまざまで、自社製品の提供、割引券、お食事券など多岐にわたります。こちらも優待を受け取れるのは、決算後2~3カ月後になります。
株式分割
1株の株式をいくつかに分割して、株式数を増やすことを株式分割と言います。例えばある企業の株式を100株保有しているとして、1株が2株に分割されると保有する株式が200株に増えます。株数は増えても、株価が半分になるので、資産が増えるわけではありませんが、株価が安くなることによって、投資家が購入しやすくなるため、株価が上がる可能性があることと、1株当たりの配当が変わらなければ、配当金が増えるというメリットがあります。
02国内株式と海外株式の違い
株式には日本国内の証券取引所に上場している企業の株式である国内株式と、外国企業が発行し、主に海外の証券取引所に上場している海外株式があります。国内株式と海外株式にはどのような違いがあるのでしょうか。
国内株式の特徴
国内株式は、対象となる多くの銘柄が普段からなじみのある企業であることが大きな特徴です。特に、トヨタ自動車やソニーなど日本を代表する有名企業の動向なら、ニュースで取り上げられることも多く、情報に接する機会が多くあります。また、国内在住の投資家には、海外の株式市場と違って時差がないこと、売買にあたっての通貨が円であることも大きなメリットです。
なお、国内株式は銘柄ごとに売買する単位が決まっています。これを単元株といい、多くの銘柄の単元株は100株単位となっているのも特徴です。
国内株式のメリット・デメリット
海外株式と比べた場合の、国内株式の主なメリットとデメリットとしてよく挙げられるものを紹介します。
【メリット】
- 有名企業が多く、投資対象として親しみやすいものが多く、銘柄選びがしやすい
- ニュースや新聞などで得られる情報が多く、値動きの傾向が掴みやすい
- 日ごろから利用している企業を応援する目的でも買える
- 時差がないので情報を得やすく、売買しやすい
- 円で売買できるので、為替変動の影響を受けにくい
- 株主優待を利用できる企業もある
- 急激な値上がりや暴落を防ぐため、ストップ高・ストップ安の値幅制限がある
【デメリット】
- 海外株式に比べ、キャピタルゲインを得にくい
- 投資額が比較的高い傾向がある
- 希望する金額で取得できないケースがある
- 売買が極端に少ない場合、売買が成立しないことがある
- 災害が多く、影響を受けるリスクがある
- 全体的に日本株の成長率が低い傾向にある
海外株式の特徴
海外株式は、世界的な有名企業から新興企業まで多種多様で幅広い銘柄から選べます。海外株式を取り扱う日本の証券会社で取引でき、現地通貨での購入が基本ですが、日本円で購入できる銘柄もあります。
単元株の単位は国によって異なり、米国は1株から購入でき、中国では1単元1,000株のものが多いです。値幅制限も国によって異なり、米国や中国では値幅制限がないため、場合によっては損失が大きくなる可能性がある点に注意が必要です。
国内より情報が掴みにくく、自分で情報収集する必要がありますが、各国の政治・経済状況の変化や自然災害などがマーケットに強い影響を及ぼすこともあることも覚えておきましょう。
海外株式のメリット・デメリット
国内株式と比べて、海外株式を扱う際のメリットとデメリットをそれぞれ紹介するので参考にしてください。
【メリット】
- 多種多様で幅広い銘柄から選べる
- 国際分散投資でカントリーリスクを分散できる
- 為替リスクを分散でき、為替差益の可能性もある
- 配当金額が高い企業が多数ある
- 配当回数が多い企業が多数ある
- 少額から投資できる企業もある
- 成長性が高い銘柄が多い
- これから発展が見込める新興国の企業に投資できる
- 時差を利用して勤務時間外に売買ができる
【デメリット】
- 為替変動リスクがあり、為替差損の可能性がある
- 特に新興国などは、必ずしも成長するとは限らない
- 情報量が少なく、情報入手が困難な場合が多い
- 購入できる銘柄が限られる
- 株主優待制度のある企業はかなり少ない
- 日本と時差がある国も多く、情報収集や売買が大変な場合がある
- 値動きが激しい傾向がある
- 政治や災害リスク情報がすぐに掴みにくい
03株式投資の大きな魅力「値上がり益」が期待できる銘柄の見分け方
株式投資の大きな魅力の一つは値上がり益を得る可能性があることです。株が値上がりするかどうか見分けるにはさまざまなポイントがありますが、ここではまず二つの基本的なところを押さえておきましょう。
将来性
投資を検討する銘柄を選ぶには、対象となる企業に将来性があるかどうかを見極めることが必要で、そのための情報収集をすることが大切です。その企業が独自の商品や技術を持っているか、商品やサービスに潜在的な需要があり、市場に拡大の余地があるかどうかなどに注目してみましょう。その企業や業界の動向をニュースや企業のウェブサイドなどで調べてみることで、発見があるかもしれません。
テーマ性
その企業の活動が、世の中の流れに沿っているかどうかも確認しておきましょう。デジタル化の波が押し寄せ、各企業には迅速な対応が求められています。グローバル化への対応も避けては通れません。企業の業績は、こうした世の中の動きに影響されます。
一方で、企業には社会的な責任も求められるようになり、SDGs(持続可能な開発目標)や、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の頭文字を取ったESGが注目されるようになり、企業が社会的な課題にどう取り組むのかを求められるようになっています。そうした時代の流れに伴って示されるテーマへの、各企業の対応も注目されていることを理解しておきましょう。
「値上がり益」が期待できる銘柄の見分け方
・将来性 対象となる企業に将来性があるかどうかを見極めることが必要で、そのための情報収集をすることが大切 ・テーマ性 その企業の活動が、世の中の流れに沿っているかどうかも確認。企業の業績は、こうした世の中の動きに影響される |
04国内株式の選び方
株式投資で利益を得るためには、各企業についての情報を収集し分析することが必要です。しかし、投資したい企業をひとつひとつ綿密に分析することは経験が豊富な投資家にとっても決して簡単なことではありません。
初心者の場合は、具体的に商品やサービスなど事業の内容を知っている企業が多い国内株式から検討してみるのが良いかもしれません。
投資先を検討する際には、以下の点を心がけ候補となる銘柄を探してみましょう。
身近な企業を選ぶ
投資を検討する企業が成長するかどうかの判断は難しいのですが、その企業の業績や今後の見通しはわかる範囲で調べておきたいものです。自分がよく利用する商品やサービスを提供する企業であれば、商品の売れ行きや新たなサービスなどの情報が自然と入ってくるものです。
洋服など自分が興味のある商品を購入する前に他と比較して調べるように、企業の業績や将来性を調べてみましょう。身近な企業であれば、業績を確認したり事業の内容を調べたりして、同業他社と比較することで、株式投資のイメージを広げるのも良いでしょう。
配当金・株主優待で選ぶ
配当金の額や株主優待の内容から銘柄を選ぶ方法もあります。一般的に業績が安定した企業は、株価が大きく変動することが少ないのですが、配当金や株主優待で利益を得ることができます。
配当は、1株当たり〇円というように分配されます。購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けることができるかを示す数字を配当利回りといいます。例えば、1株1,000円で1単元100株の銘柄を持っているとすると、配当利回りが2%であれば、1,000×100×2%=2,000円を1年間に配当として受け取ることができます。
株主優待で得られる商品や割引サービスは、3,000円相当などと金額が書かれていることが多いので、換算して利回りとして考えることができます。
05海外株式を購入するなら新NISA の「成長投資枠」を活用しよう
海外株式を買い付けたいなら、新NISAの「成長投資枠」を活用する方法がおすすめです。売買手数料と為替手数料が無料になることもあり、その場合はコストがかからずお得です。また「成長投資枠」では「海外ETF」と「海外株式の投資信託」から選ぶことも可能です。それぞれの違いを詳しく解説します。
海外ETFを選ぶ
海外ETFは、海外の取引所に上場している投資信託(ETF: Exchange Traded Funds)のことです。通常の投資信託と比べ、運用にかかる手数料が低いという特徴もありますが、最も大きな違いは市場に上場しているかどうかとなります。
海外ETFは、米国株の代表的な指数であるNYダウなど、特定の指数(インデックス)に連動するよう、運用されている上場投資信託です。通常の投資信託は1日1回と定められているのに比べ、株式と同様にリアルタイムで何回でも柔軟な取引ができます。
比較的少額の資金からでも始められ、実質的に分散投資を行うことが可能です。値動きの変動リスクを低く抑えられるメリットもあります。
海外株式のアクティブ型投資信託を選ぶ
新NISAの「成長投資枠」では、アクティブ(積極運用)型で、海外株を対象とした投資信託も選ぶことができます。アクティブファンドは株価指数などの特定のベンチマークや市場平均を上回ることを目指して運用されるため、リスクも比較的高いものの、大きなリターンも期待できる特徴があります。そのため、ファンドの実績や方針を確認して、将来を見極めるなど複数の要素を考慮する必要があります。
さまざまな米国株式を新NISAで買い付けできる証券会社もあります。証券会社によっては売買手数料と為替手数料を無料とするなど、通常の口座よりもNISA口座を利用したほうがお得な場合もあるので、ぜひよく確認してみてください。
06株式投資のリスク
株式投資には主に二つのリスクがあります。
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価格変動リスク
株価の値動きによって収益を得る可能性もありますが、損失を被る恐れもあります。
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信用リスク
投資した企業が破綻する可能性があります。
さらに海外株式の場合には以下のようなリスクがあります。
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為替変動リスク
為替レートの変動により為替差損が生じる可能性があります。
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カントリーリスク
投資した企業の国や地域の政治・経済環境により価格変動等が発生する可能性があります。
これらのリスクを理解したうえで投資を始めましょう。
07新NISA「成長投資枠」で国内株式・海外株式を買い付けしてみよう
国内株式と海外株式との違いや、それぞれのメリットやデメリット、銘柄選びのポイントを解説してきました。
新NISAでは「成長投資枠」を利用すると、売却益や配当金が非課税になるのが大きな特徴です。成長投資枠では、投資信託はもちろん、国内や海外の株式やETFの買い付けもでき、自由度は高いです。また、証券会社によっては国内株式や海外株式の売買手数料が無料のところもあり、運用コストを抑えられます。まだ新NISAの口座を持っていないという人は、今すぐ口座開設をして取り引きを開始してみてはいかがでしょうか。詳しくは「新NISAではじめる資産形成」をご覧ください。
監修:阿部理恵
CFP®、終活カウンセラー、LABプロファイルインストラクター、FPラウンジ登録FP
プロフィール
慶應義塾大学卒。約7,000件の保険相談業務を担当。大病の経験から、自分らしい生き方、いざという時困らないお金をアドバイス。心理学を学び、メンタル面からもアプローチ。
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