(株)安川電機
事業内容(抜粋)
当社グループは、当社を中核として子会社71社および関連会社15社(2024年2月29日現在)により構成され、「モーションコントロール」、「ロボット」、「システムエンジニアリング」および「その他」の各セグメントにおいて様々な分野で製造、販売、据付、保守およびエンジニアリング等の事業展開を行っております。
各セグメントにおける主な製品ならびに当社および主要な関係会社の当該セグメントにおける位置付けは概ね以下のとおりです。なお、当社を除く以下の会社はすべて連結子会社です。
〔モーションコントロール〕
●セグメントおよび主要製品
ACサーボモータ、工作機械用AC主軸モータ、リニアモータ、PMモータ、コントローラ、デジタルガルバノスキャナ、汎用インバータ、電源回生コンバータ、マトリクスコンバータ
●当社および主要な関係会社の位置付け
当社〔製造・販売・サービス〕
安川オートメーション・ドライブ㈱〔販売・サービス〕
㈱安川メカトレック〔販売〕
末松九機㈱〔販売〕
米国安川㈱〔製造・販売・サービス〕
欧州安川㈲〔製造・販売・サービス〕
安川電機(中国)有限公司〔販売・サービス〕
安川アジアパシフィック㈲〔販売・サービス〕
韓国安川電機㈱〔販売・サービス〕
〔ロボット〕
●セグメントおよび主要製品
アーク溶接ロボット、スポット溶接ロボット、塗装ロボット、ハンドリングロボット、シーリング・切断ロボット、バリ取り・研磨ロボット、半導体・液晶製造装置用クリーン・真空搬送ロボット、自律ロボット、人協働ロボット、バイオメディカル用途対応ロボット、ロボット周辺機器、ロボット応用FAシステム、セルシュミレータ
●当社および主要な関係会社の位置付け
当社〔製造・販売・サービス〕
㈱安川メカトレック〔販売〕
末松九機㈱〔販売〕
米国安川㈱〔製造・販売・サービス〕
欧州安川㈲〔製造・販売・サービス〕
安川電機(中国)有限公司〔販売・サービス〕
安川アジアパシフィック㈲〔販売・サービス〕
韓国安川電機㈱〔販売・サービス〕
〔システムエンジニアリング〕
●セグメントおよび主要製品
鉄鋼プラント用電気システム、上下水道用電気システム、各種産業用電気システム、高圧インバータ、高圧マトリクスコンバータ、産業用モータ・発電機、太陽光発電用パワーコンディショナ、小水力発電用発電機、船舶用電機品
●当社および主要な関係会社の位置付け
当社〔製造・販売・サービス〕
安川オートメーション・ドライブ㈱〔製造・販売・サービス〕
㈱安川メカトレック〔販売〕
末松九機㈱〔製造・販売・サービス〕
米国安川㈱〔製造・販売・サービス〕
安川アジアパシフィック㈲〔販売・サービス〕
〔その他〕
●セグメントおよび主要製品
物流サービス ほか
●当社および主要な関係会社の位置付け
当社〔販売〕
㈱安川ロジステック〔サービス〕
経営成績
2022年2月 | 2023年2月 | 2024年2月 | |
---|---|---|---|
売上高 | 479,082 | 555,955 | 575,658 |
営業利益 | 52,860 | 68,301 | 66,225 |
財政状態
2024年2月 | |
---|---|
親会社所有者帰属持分比率 | 56.9% |
セグメント情報
売上高構成比 | セグメント利益率 | |
---|---|---|
モーションコントロール | 45% | 14% |
ロボット | 41% | 11% |
システムエンジニアリング | 10% | 10% |
その他 | 4% | 1% |
設備投資(抜粋)
当社グループ(当社および連結子会社)は、中核事業分野であるモーションコントロール部門およびロボット部門に重点を置き、あわせて省力化、合理化および製品の信頼性向上のための投資を行っております。
当連結会計年度の設備投資の内訳は以下のとおりです。
なお、設備投資の金額には、有形固定資産のほか無形資産および使用権資産を含めております。
・モーションコントロール 10,458百万円
・ロボット 15,428百万円
・システムエンジニアリング 1,387百万円
・その他 1,840百万円
・消去または全社 8,740百万円
・合計 37,856百万円
2022年2月 | 2023年2月 | 2024年2月 | |
---|---|---|---|
設備投資 | 24,183 | 27,607 | 37,856 |
減価償却費、償却費及び減損損失 | 17,556 | 19,673 | 21,336 |
研究開発(抜粋)
当社は、「電動機(モータ)とその応用」を事業領域に定め、世界初・世界一にこだわった製品・技術の研究開発をグローバルな体制で行っております。長期経営計画「2025年ビジョン」では、メカトロニクスを軸とした「工場自動化・最適化」と「メカトロニクスの応用領域」を事業領域に設定し、新しい価値と市場の創造を目指しております。
「工場自動化・最適化」においては、これまでのソリューションに「デジタルデータのマネジメント」を加えたコンセプト「i³-Mechatronics」を軸とした産業自動化革命の実現に向け、メカトロニクス技術とICTの融合により、新しい自動化ソリューションの開発を継続しております。
「メカトロニクスの応用領域」では、メカトロニクス技術が応用できる分野を探索・実証しながら、事業化に向けた取組みを進めました。特に、Energy Saving分野(省エネ機器・高効率モータ)、Food & Agri分野(野菜生産システム・食品工場自動化)、Clean Power分野(太陽光発電・電気自動車)およびBiomedical Science分野(ゲノム解析・再生医療の自動化)に焦点を当てて取り組んでおります。
また、技術開発拠点「安川テクノロジーセンタ」(以下、YTC)においては、基礎技術開発から量産試作までを含めた上流から下流までの全プロセスを集約するなど、技術開発機能を結集させ、一貫した仕組みのなかで開発を進めることで、お客さまを勝たせる新たな製品の開発をタイムリーに行います。
以上の取組みにより、当連結会計年度の研究開発費は21,247百万円となりました。
〔研究開発分野〕
長期経営計画「2025年ビジョン」の実現に向け、ソリューションコンセプト「i³-Mechatronics」の具体化に向けた研究開発に引き続き取り組みました。IoTを軸とする新製品・新技術開発およびAI技術を製品に反映させるため、オープンイノベーションのさらなる強化を進めております。
YTC内のローカル5Gを活用した産業用ロボットの遠隔制御の研究や新しい生産設備の検証を行うなど、お客さまのスマート工場化実現のためのソリューション開発を進めております。
また、大学の研究室などとロボットの制御技術の開発や、農業分野での最先端技術の研究に加え、それぞれの技術を生かした新しい市場の開拓に向けた取組みを進めております。国立大学法人九州大学においては、最先端の技術開発や人材の育成などの幅広い活動によって、ともに持続的な成長とシナジー創出を実現する関係を築いております。国立大学法人九州工業大学においては、YTC内にて次世代ロボットの共同開発を継続しております。
さらに、全国農業協同組合連合会においては、畜産・農業生産・流通販売の3分野を中心に、スマート農業の具体化に向けた取組みを継続しております。農業生産においては自動化実証などを進め、「きゅうりの葉かき作業」は本格的な現地導入フェーズへと移行しております。
これらにおける当分野の研究開発費は5,811百万円です。
〔モーションコントロール分野〕
装置や産業用ロボットなどで構成されたいわゆる“セル”を統合的に制御し、同時に同期性の高いデータをリアルタイムに収集・活用してフィードバックできるYRMコントローラ「YRM1010」を開発しました。従来機種より処理性能・通信を強化し変種変量生産を実現します。
i³-Mechatronicsを実現する新マシンコントローラ「MPX1000シリーズ」の展開を開始しました。その第1弾となる「MPX1310」は、従来機種からモーション処理性能などの性能向上と、機能強化を実現しています。これにより当社のサーボドライブ製品の性能を最大化させ、お客さまの装置性能と付加価値向上に貢献します。
また、一般産業用途向け安川インバータ「GA700シリーズ」の400V級の容量ラインアップを従来の0.4~355kWから630kWへ拡大しました。大容量帯を拡充したことで、大型の一般産業用機械や設備に適用可能となり、より幅広くGA700をご使用いただけるようになりました。従来機種と比較して大幅に小型化・軽量化を実現しており、お客さまの設備の省スペース化に貢献します。
これらにおける当分野の研究開発費は9,303百万円です。
〔ロボット分野〕
産業用ロボットの業界で初めて(※)、ロボット自身が周りの環境に適応しながら判断する自律性を持った次世代ロボット「MOTOMAN NEXT」を開発しました。「MOTOMAN NEXT」シリーズは、不確定なモノの状態・形状・大きさのバラツキ、作業順序の変更や割込みが存在するような作業など、人が判断を行い作業している「未自動化領域」の自動化に貢献します。FA分野を始め、食品・物流・農業といった産業における労働力不足などの社会的課題の解決につなげてまいります。
デジタルツイン環境を実現するシミュレーション検証をベースにしたエンジニアリングツール「YASKAWA Cell Simulator」を開発しました。設計から立ち上げ、セル全体の動作確認、動作分析と再設計まで、バーチャル環境を活用することにより一気通貫でエンジニアリングすることが可能となり、セルシステム上の各段階での様々な課題解決に寄与します。
これらにおける当分野の研究開発費は4,661百万円です。
(※)当社調べ 大手ロボットメーカー対象
〔システムエンジニアリング分野〕
環境・エネルギー分野においては、脱炭素社会実現に向けた自家消費特化型太陽光発電用パワーコンディショナ 「Enewell-SOL P3A 25kW」が2023年度「省エネ大賞 製品・ビジネスモデル部門 資源エネルギー庁長官賞」(一般財団法人省エネルギーセンター主催)と、第66回「十大新製品賞 日本力(にっぽんぶらんど)賞」(日刊工業新聞社主催)をダブル受賞しました。本製品は、200V級では最大級の出力となる25kWを実現することで、特に中規模自家消費型太陽光発電システムにおいて優位性を発揮します。
これらにおける当分野の研究開発費は1,470百万円です。
2022年2月 | 2023年2月 | 2024年2月 | |
---|---|---|---|
研究開発 | 18,175 | 18,778 | 21,247 |
売上対比 | 3.8% | 3.4% | 3.7% |