サントリー食品インターナショナル(株)
事業内容(抜粋)
当社は、親会社であるサントリーホールディングス㈱を中心とするサントリーグループの飲料・食品セグメントの中核をなす企業で、飲料・食品の製造・販売事業を行っています。当社グループは、当社、子会社68社及び持分法適用会社9社より構成されています。
当社は、当社グループの事業持株会社として、役員・従業員派遣を通じてグループ会社に対する企業統治を行うとともに、当社グループの事業戦略・活動方針の策定、予算策定、品質保証の推進、事業開発、商品開発等を行い、当社グループの中枢として機能しています。また、このような当社グループの中枢としての業務のほか、当社グループの国内外の事業展開に資するM&A戦略の策定、M&A相手先の選定も行っています。当社グループでは、以下に記載するとおり、グループ各社にその権限を委譲し、グループ各社が高度の専門性を発揮し、グループ全体として迅速な事業活動の展開を行うべく、当社はグループビジョンの構築、グループ全体での事業の拡大・推進の役割を担っています。
当社グループは飲料・食品事業という単一の事業を行っているため、報告セグメントはエリア区分により記載するものとします。
なお、組織変更に伴い、従来「アジアパシフィック事業」に含めていたアフリカ事業を、当連結会計年度より「アジアパシフィック事業」から「欧州事業」に組み替えています。
[日本事業]
当社グループは、日本国内において、ミネラルウォーター、コーヒー飲料、茶系飲料、炭酸飲料、スポーツ飲料、特定保健用食品等の製造・販売を行っています。
当社グループにおける清涼飲料事業のマーケティング・商品企画については、当社が担っています。
当社グループにおける製品の製造については、サントリープロダクツ㈱が担っています。同社は、関東甲信越エリアに「榛名工場(群馬県)」「羽生工場(埼玉県)」「多摩川工場(東京都)」「神奈川綾瀬工場(神奈川県)」「天然水南アルプス白州工場(山梨県)」「天然水北アルプス信濃の森工場(長野県)」を、関西エリアに「宇治川工場(京都府)」「高砂工場(兵庫県)」を置き、中間地点である愛知県に「木曽川工場」を、また、鳥取県に「天然水奥大山ブナの森工場」を置くことにより、日本全国への安定した製品供給を可能とする体制を整えています。また、効率的経営を課題に、新製品量産化、製造技術改善、人材育成の推進等に取り組んでいます。同社が製造する製品は、ミネラルウォーター、コーヒー飲料、茶系飲料、炭酸飲料、スポーツ飲料、特定保健用食品等であり、当社グループが日本国内で販売する製品の多くを占めています。
当社グループが製造・輸入する製品の販売については、サントリーフーズ㈱及びサントリービバレッジソリューション㈱が主にその役割を担っています。
サントリーフーズ㈱は、当社グループが製造・輸入する清涼飲料の国内におけるスーパー、量販店、コンビニエンスストアを通じた販売及び自動販売機オペレーターを通じた販売を担当しています。サントリービバレッジソリューション㈱は、当社グループが製造・輸入する清涼飲料の自動販売機等による直接販売を担当しています。両社は、清涼飲料販売についての高い専門性とプロ意識を確立すべく、販売機能に特化した事業活動を実施しています。
㈱ジャパンビバレッジホールディングスは、サントリービバレッジソリューション㈱への清涼飲料等の販売を担当しています。
サントリーフーズ沖縄㈱は、沖縄県において、清涼飲料等の販売を担当しています。
[アジアパシフィック事業]
Suntory Beverage & Food International (Thailand) Co., Ltd.及びその子会社が、タイを含む東南アジア、台湾等において「BRAND’S Essence of Chicken」シリーズ等の健康食品の製造・販売を行っています。
PT SUNTORY GARUDA BEVERAGE及びその子会社が、インドネシアにおいて、ゼリードリンク「Okky」、茶飲料「MYTEA」等の製造・販売を行っています。
Suntory PepsiCo Vietnam Beverage Co., Ltd.が、ベトナムにおいて、エナジードリンク「Sting」、サントリーブランドの茶飲料「TEA+」等の販売を行っています。
Suntory PepsiCo Beverage (Thailand) Co., Ltd.が、タイにおいて、炭酸飲料「PEPSI」等の販売を行っています。
FRUCOR SUNTORY NEW ZEALAND LIMITED、FRUCOR SUNTORY AUSTRALIA PTY.LIMITED等が、ニュージーランド、オーストラリアを中心に清涼飲料の製造・販売を行っています。エナジードリンク「V」、果汁飲料「JUST JUICE」等の幅広い製品を販売しています。
マレーシア、香港、シンガポール等においても、各地の子会社が、「Ribena」「Lucozade」等の販売を行っています。
[欧州事業]
フランス、英国、スペインを含む欧州等においては、Orangina Schweppes Holding B.V.及びその子会社が、炭酸飲料「Orangina」「Schweppes」、果汁飲料「Oasis」等の製造・販売を行い、Lucozade Ribena Suntory Limited及びその子会社が、果汁飲料「Ribena」、エナジードリンク・スポーツドリンク「Lucozade」等の製造・販売を行っています。
[米州事業]
Pepsi Bottling Ventures LLC及びその子会社が、北米においてノースカロライナ州を中心に清涼飲料の製造・販売を行っています。
当社の親会社であるサントリーホールディングス㈱を中心とするサントリーグループは、飲料・食品の製造・販売、スピリッツ・ビール類・ワイン等の製造・販売、更にその他の事業活動を行っています。その他の事業では、健康食品の製造・販売、高級アイスクリームの製造・販売等を行うとともに、料飲店経営等の外食事業を行っています。
サントリーホールディングス㈱は寿不動産㈱の子会社であるため、寿不動産㈱もまた、当社の親会社ですが、当社と寿不動産㈱の間に事業上の関係はありません。
経営成績
2021年12月 | 2022年12月 | 2023年12月 | |
---|---|---|---|
売上高 | 1,268,917 | 1,450,397 | 1,591,722 |
営業利益 | 118,568 | 139,688 | 141,726 |
財政状態
2023年12月 | |
---|---|
親会社所有者帰属持分比率 | 56.9% |
セグメント情報
売上高構成比 | セグメント利益率 | |
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日本 | 44% | 6% |
アジアパシフィック | 23% | 12% |
欧州 | 21% | 15% |
米州 | 11% | 12% |
設備投資(抜粋)
当社グループ(当社及び子会社)では、生産増強、販売力強化、品質向上、合理化を目的とし、当連結会計年度は、全体で986億円の設備投資(うち、使用権資産154億円)を行いました。
日本事業において、生産増強、合理化、自動販売機の設置等を中心に、306億円の設備投資を行いました。
また、海外の各事業において、生産増強、合理化等を中心に、アジアパシフィック事業436億円、欧州事業138億円、米州事業107億円の設備投資を行いました。
2021年12月 | 2022年12月 | 2023年12月 | |
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設備投資 | 77,100 | 65,400 | 98,600 |
減価償却費及び償却費 | 69,376 | 70,791 | 73,079 |
研究開発(抜粋)
当社グループでは、安全、安心に裏付けられた「おいしさ」を価値の中心に据え、国内・海外に研究開発を担当する部門・部署を設置し、高付加価値商品の開発に取り組んでいます。
当社グループ横断での研究開発活動は、R&D部が行っています。
R&D部では、当社グループにおけるR&D戦略の立案・実施、R&Dに関する資源投入・配分計画の立案・実施、競争力の源泉となるグローバル中長期技術戦略の立案、関係部署との連携による技術戦略の推進と完遂、商品開発活動の支援を行っています。
また、研究開発部門を有するグループ各社においても研究開発活動を行っています。
セグメント別の研究開発活動は次のとおりです。
[日本事業]
研究開発活動の担当部署は、SBFジャパン内の商品開発部及びSCM部です。
商品開発部では、飲料の中味開発に関して、基本戦略に基づく中味開発戦略(中長期及び年次計画)の立案・推進・管理、新規原料の探索・開発、香味評価及び安全性リスク評価による新価値創出、新製品中味の香味・品質・収益性の設計、新製品中味開発における研究開発投資効率の追求、既存製品中味の原価・品質チェック及び再設計、中味製造に関する標準規格類の起案を行っています。
SCM部では、主に飲料のサプライチェーンマネジメント及びプロダクトライフサイクルマネジメントに関する中長期及び年次の基本戦略の立案・推進・管理、並びに新製品・リニューアル品・特発品の上市までの生産から販売に至る各部運営コントロール及び収益性・投資効率の追求を行っています。
研究開発活動は、神奈川県の商品開発センターにおいて行っています。
当連結会計年度は、水・コーヒー・無糖茶カテゴリーを中心に商品開発に取り組みました。
ブランド別に見ると、「サントリー天然水」ブランドにおいて、爽やかな甘酸っぱさが特長のピンクグレープフルーツに、華やかな香りとみずみずしい甘みが特長のマスカットを組み合わせ、果実の満足感と飲み飽きない味わいに加え、1日分のビタミン補給が出来る設計に仕上げた「サントリー天然水 きりっと果実 ピンクグレープフルーツ&マスカット」を発売しました。
「BOSS」ブランドにおいて、“豊かなコーヒーとミルク感”を両立させ、その味わいを最大限引き立たせるために甘さを抑えることでペットボトルラテなのに満足感のある味わいを実現した「クラフトボス 甘くないイタリアーノ」を発売しました。また、ソイとの相性を考え抜いた特性ブレンドのコーヒーを使用し、サントリー独自技術で実現した、クセがなくて飲みやすい、植物性原料100%のラテで作った「クラフトボス ソイラテ」を発売しました。
「伊右衛門」ブランドにおいて、サントリー緑茶「伊右衛門」をリニューアルし、新しい中味技術開発により、更に清々しい緑の水色(すいしょく)を実現し、また茶葉の配合や香り立ちを総合的に見直すことで「香ばしい香り立ちがありながら、すっきり飲める」味わいとしました。
「GREEN DA・KA・RA」ブランドにおいて、「GREEN DA・KA・RA」をリニューアルし、汗で失われるミネラルの一種であるカリウムを強化し、発汗時等の乾いたカラダへの補給感・満足感を高めました。また、「GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶」をリニューアルし、ビール製造において培っている麦加工技術のノウハウを活かし、麦茶のためだけに独自に新規開発した“発芽大麦”を中心に、厳選素材のブレンドにこだわることで、甘香ばしさと飲みごたえを強化しました。
[アジアパシフィック事業]
タイにおいて、「BRAND’S」ブランドから「BRAND’S Bird’s Nest Beverage Classic with Rock sugar」等、5種のフレーバーを発売し、3種のフレーバーをリニューアルました。オーストラリア及びニュージーランドでは、「V」ブランドから「V Green」、「V Sugarfree」をリニューアルしました。
[欧州事業]
英国において、「Lucozade」ブランドから「Lucozade Energy Orange」、「Lucozade Energy Original」等、3種のフレーバーを発売し、2種のフレーバーをリニューアルしました。フランスにおいて、「Oasis」ブランドから「Oasis Ice Tea Raspberry Blackcurrant」を発売しました。スペインにおいて、「Schweppes」ブランドから「Tonica Schweppes Original」をリニューアルしました。
以上により、当連結会計年度における研究開発費は、日本セグメント63億円、アジアパシフィックセグメント7億円、欧州セグメント28億円となり、研究開発費の総額は98億円となりました。
2021年12月 | 2022年12月 | 2023年12月 | |
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研究開発 | 8,526 | 9,077 | 9,785 |
売上対比 | 0.7% | 0.6% | 0.6% |