セコム(株)
事業内容(抜粋)
当社グループは、当社、連結子会社151社および持分法適用関連会社17社で構成され、警備請負サービスを中心としたセキュリティサービス事業、総合防災サービスを中心とした防災事業、在宅医療およびシニアレジデンスの運営を柱にしたメディカルサービス事業、損害保険業を中心とした保険事業、測量・計測事業を中心とした地理空間情報サービス事業、情報セキュリティや大規模災害対策、データセンター、BPO業務を中心としたBPO・ICT事業、不動産賃貸および建築設備工事などのその他事業を主な内容とし、事業活動を展開しております。
当社グループの事業に係る位置付けおよびセグメントとの関連は、次のとおりであります。
<セキュリティサービス事業>
当社が提供しておりますセントラライズドシステム(オンライン・セキュリティシステム)をはじめとする各種のセキュリティサービスは、国内の子会社ではセコム上信越株式会社、セコム北陸株式会社、セコム山梨株式会社、セコム三重株式会社、株式会社アサヒセキュリティ、株式会社セノン、セコムジャスティック株式会社および日本原子力防護システム株式会社他24社が事業を展開しております。関連会社では、東洋テック株式会社他5社がセキュリティサービスを提供しております。当社はこれらのグループ各社に対して技術指導や安全機器の売渡しを行っております。
海外子会社では、上海西科姆保安服務有限公司他12社(中国)、PT.セコムインドネシア、タイセコムセキュリティ Co., Ltd.、セコムPLC(英国)などが、また、海外の関連会社では株式会社エスワン(韓国)、タイワンセコム Co., Ltd.(英文商号)などが、セントラライズドシステムおよび常駐システムの警備請負と安全機器の販売等を行っております。
以下の各社他5社は国内のグループ各社のセキュリティサービス事業を側面から支援しております。
セコム工業株式会社はグループ各社の使用する安全機器の一部の製造および開発を行っております。
セコムアルファ株式会社は各種安全商品の販売を行っており、当社は同社から安全商品の一部を購入しております。
<防災事業>
能美防災株式会社およびニッタン株式会社が自動火災報知設備や消火設備をはじめとする各種防災システムの研究開発、設計、製造、販売、取付工事および保守業務を行っております。
<メディカルサービス事業>
セコム医療システム株式会社が在宅医療サービス、電子カルテや遠隔画像診断支援サービス、医療機関向けの不動産の賃貸事業等を行っております。また、株式会社マックが医療機器・器材の販売を、セコムフォート株式会社、セコムフォートウエスト株式会社および株式会社アライブメディケアがシニアレジデンスの運営を、株式会社荒井商店が医療機関向けに不動産の賃貸、セコムメディファーマ株式会社が医薬品の卸売りをそれぞれ行っております。
<保険事業>
セコム損害保険株式会社が損害保険業を、セコム保険サービス株式会社が保険会社代理店業務を行っております。
<地理空間情報サービス事業>
株式会社パスコが航空機や車両、人工衛星などを利用した測量や計測で地理情報を集積し、加工・処理・解析した空間情報サービスを、国および地方自治体などの公共機関や民間企業、諸外国政府機関に提供しております。
<BPO・ICT事業>
セコムトラストシステムズ株式会社が情報セキュリティサービス、大規模災害対策サービス、クラウドサービス、データセンター事業、国内グループ各社のコンピュータシステムの運営管理およびソフトウエアの開発・販売を行っております。
株式会社アット東京が情報通信システムを一括して集中管理するデータセンター事業を行っております。
株式会社TMJがコンタクトセンター業務やバックオフィス業務全般のBPOサービス事業を行っております。
関連会社では、アルテリア・ネットワークス株式会社が全国規模の光ファイバーネットワークによる通信事業を行っております。
<その他事業>
株式会社荒井商店が賃貸ビル・賃貸マンションの運営等を行っております。
セコムエンジニアリング株式会社が各種建築設備の設計・施工および監理を、株式会社東光クリエートが電気工事の請負を行っております。
経営成績
2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | |
---|---|---|---|
売上高 | 1,049,859 | 1,101,307 | 1,154,740 |
営業利益 | 143,499 | 136,700 | 140,658 |
財政状態
2024年3月 | |
---|---|
自己資本比率 | 58.8% |
セグメント情報
売上高構成比 | セグメント利益率 | |
---|---|---|
セキュリティサービス | 53% | 18% |
防災 | 14% | 9% |
メディカルサービス | 7% | 6% |
保険 | 5% | 4% |
地理空間情報サービス | 5% | 9% |
BPO・ICT | 11% | 8% |
その他 | 5% | 13% |
設備投資(抜粋)
当社グループ(当社および連結子会社)の当連結会計年度における有形固定資産ならびに無形固定資産への設備投資額は、総額で99,340百万円であり、その主なものはセキュリティサービス事業におけるシステム設備(警報機器・設備)等に対する投資34,768百万円およびBPO・ICT事業におけるデータセンター事業等に対する投資25,384百万円であります。
なお、当連結会計年度より、設備投資金額にはファイナンス・リースに該当する賃貸資産への投資金額を含めております。比較対象の前連結会計年度の数値も同様に変更しております。
当連結会計年度におけるセグメントごとの設備投資(有形・無形固定資産)は、次のとおりであります。
・セキュリティサービス事業 54,945百万円
・防災事業 3,376百万円
・メディカルサービス事業 6,194百万円
・保険事業 3,495百万円
・地理空間情報サービス事業 2,362百万円
・BPO・ICT事業 26,255百万円
・その他事業 2,422百万円
・調整額 288百万円
・合計 99,340百万円
(注)前連結会計年度の数値をファイナンス・リース含む数値に置換して比較
また、事業活動の中で経常的に発生する警報機器・設備等の設備更新に伴う固定資産売却廃棄損1,586百万円を営業外費用に計上しております。
2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | |
---|---|---|---|
設備投資 | 61,922 | 73,866 | 99,340 |
減価償却費 | 61,799 | 62,514 | 65,210 |
研究開発(抜粋)
当社グループ(当社および連結子会社)は、安全を核とする「社会システム産業」を確立させるために、提出会社において研究部門と開発部門を組織し、必要な技術の研究、開発に積極的に取り組んでおります。なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は総額7,513百万円であり、以下に記載している防災事業に係る研究開発費2,790百万円、地理空間情報サービス事業に係る研究開発費308百万円を除き、その大部分は提出会社におけるセキュリティサービス事業に係る研究開発費用および各事業部門に配分できない基礎研究費用であります。
研究部門(IS研究所)では、当社の成長の原動力となるべく、未来を見据えた研究活動を行っており、AI、IoT、サイバーセキュリティなどこれからの技術動向を捉え、最先端の技術開発に取り組んでいます。
未来の社会に必要となるサービスを創造するための最適アプローチとして、当社の技術と世の中の技術の融合を加速させるためのオープンイノベーションを推進し、研究所がこれまでに築き上げた外部組織との幅広い繋がりをもとに、産学官連携を強力に推し進めております。
今後、将来に向けて、当社が目指す、安全・安心で快適・便利な社会の実現に向け、最先端の技術の力でサービス提供にかかる貴重な「人の力」を大きく増幅させる研究開発により、サービスイノベーションを推進してまいります。
① 画像監視の高度化に対応するための空間認識技術、対象物検知技術、行動認識技術、人物同定および人属性の解析技術、画像AIのブラックボックス化を回避する機械学習技術、それらの核となる画像認識・機械学習の先端技術の研究等
② 光、スペクトル情報、電磁波、可聴音、超音波など多様な領域のセンシング技術および各種センサーの融合活用技術の研究等
③ デジタル社会の安全や信頼を確保するための新たな暗号・認証技術、サイバーセキュリティ技術の研究等
④ IoT機器やAIを活用した高度なサービス実現のためのシステムアーキテクチャやプライバシー保護技術の研究等
⑤ 地理情報システム「GIS(Geographic Information System)」や3次元建物情報モデル「BIM(Building Information Modeling)」などを統合した空間情報およびその応用技術の研究等
⑥ サービス品質・効率向上のためのオペレーション解析・最適化技術・シミュレーション技術に関する研究等
⑦ 超高齢社会の今後の動向を見据えた遠隔医療、医療の質向上・経営効率化の為の病院内のデータ分析技術の研究等
⑧ 将来の社会システムへの影響の大きい環境エネルギーなどの社会的課題や新たな犯罪・事故の芽を察知するための研究等
⑨ 犯罪・事故、重要な社会現象に関するリスクマネジメント的観点からの研究等
⑩ プロトタイプ構築において仕様変更を前提とした設計方法の研究、システムの安定動作実現に関する研究等
⑪ クラウドコンピューティングやAI技術の活用のための要素技術の研究等
当社では、1960年代にIoTの先駆けとも言える国内初のオンラインセキュリティシステムを開発しました。開発部門(技術開発本部)では、そのオンラインセキュリティシステムを始め、「社会システム産業」の基幹となる技術やシステムの開発を行っております。
例えば、ご契約先での異常発生を感知するセンサー、家庭向けから大規模施設向けにいたる幅広い用途に応じたセキュリティ・出入管理、消火・防災、ロボット・ドローン、人やモノの位置情報、そして高齢者のみまもり等、社会のニーズに適合したシステムや商品を積極的に開発しております。
当社グループでは、2030年に向けたビジョンで「あんしんプラットフォーム」構想を掲げており、その実現のためには社会のニーズを先取りした、独創性と高い信頼性が確保されたシステム・商品開発が必要不可欠です。開発部門では、これからもAI・IoT・ビッグデータなどを積極的に活用した新サービス・新商品を意欲的に供給していくための開発推進体制を構築して取り組んで行きます。
① 開発戦略グループ
商品開発テーマの推進・管理、戦略的な新システム・新商品の企画を行う。
社内外の技術連携を推進し、グループシナジーを活かした新商品およびサービス創出を推進する。
② クラウドエンジニアリンググループ
クラウドの活用を推進し、新サービスの企画・開発、社内外の多様なサービスとの連携を実現する。
③ 管理・技術情報グループ
先端技術・技術動向の調査、技術開発本部の円滑な運営に関わる環境整備・管理業務を行う。
④ 品質保証グループ
セコムのシステム・商品の品質保証業務を担う。フィールドの意見を活かし、様々な事案の解析・改善を行う。
また、当社グループ各社の開発機器の品質向上に関する連携・サポートを行う。
⑤ 海外グループ
積極的なグローバル展開を目的として、当社の高信頼性機器開発のノウハウを活かして、海外各社の機器開発支
援を行う。
⑥ 開発センター
セコムのシステム・商品の開発・設計を担う開発実行部門。システム・要素技術によりチーム編成し、各チーム
の連携により高品質・高機能・独創的な新システム・商品の開発を推進する。
また、防災事業では、社会の安全に貢献することを基本理念として、火災事象の基礎研究をベースとした火災の早期検知・消火方法の確立に努めており、これらをもとに新しい防災システムの構築および機器の開発を行っております。地理空間情報サービス事業では、パスコ総合開発センターが中心となって基礎技術や応用技術の研究開発を行い、プロジェクトチームを編成して、既存業務の効率化技術の研究開発、新製品の研究開発等を行っております。
2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | |
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研究開発 | 7,305 | 7,285 | 7,513 |
売上対比 | 0.7% | 0.7% | 0.7% |