SCSK(株)
事業内容(抜粋)
当社グループは、当社、連結子会社30社、持分法適用関連会社4社より構成され、「産業IT」「金融IT」「ITソリューション」「ITプラットフォーム」「ITマネジメント」及び「その他」の報告セグメントに係る事業の連携により、ITコンサルティング、システム開発、検証サービス、ITインフラ構築、ITマネジメント、ITハード・ソフト販売、BPO等のサービス提供を行っております。
顧客企業は、多くの上場企業を含む日本の産業構造を代表する大手及び中堅企業であり、親会社である住友商事㈱は大口得意先であります。
また当連結会計年度より、報告セグメントの区分方法を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」の「(2)報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。
当社グループにおける6つの報告セグメントに係る事業並びに事業展開の状況は次のとおりであります。
産業IT
主に製造、通信、エネルギー、流通、サービス、メディア等の顧客に対して、長年の実績とノウハウに基づき「基幹系システム」「生産管理システム」「情報系システム」「SCM」「CRM」等のシステム開発、保守・運用を通じて、様々なITソリューションを提供しております。
また自動車業界の顧客に対して自動車の電子制御を行うECU(Electronic Control Unit)に搭載されるソフトウェアにおいて、モデルベース開発を用いた組み込みソフトウェア開発や、自社製品であるミドルウェア(QINeS-BSW)の提供、ソフトウェア検査、プロセス改善等の幅広いソリューションをグローバル規模で提供しております。
(主な子会社)
㈱ベリサーブ、SCSK九州㈱、SCSK北海道㈱、
SCSK USA Inc.、SCSK Europe Ltd.、思誠思凱信息系統(上海)有限公司、
SCSK Asia Pacific Pte. Ltd.、PT SCSK Global Indonesia、SCSK Myanmar Ltd.
SCSKオートモーティブH&S㈱
金融IT
主に銀行・信託、生損保、証券、リース、クレジット等の金融機関におけるシステム開発・保守・運用に携わり、金融業務を理解した高度な金融システムの構築実績を有するプロとして、顧客の金融ビジネス戦略の実現と、安全かつ効率的な経営をサポートしております。
(主な子会社)
SCSK RegTech Edge㈱
ITソリューション
自社開発のERP(統合基幹業務)パッケージであるProActiveをはじめ、SAPやOracle等のERPの導入・開発から保守・運用までのライフサイクル全般を支援するAMO(Application Management Outsourcing)サービスやECサービス・コンタクトセンターサービス等の幅広いITソリューションを提供しております。また、人手による支援業務とITを組み合わせた、IT企業ならではのBPOサービスを提供しております。
(主な子会社)
SCSKサービスウェア㈱、㈱Skeed、SCSKプレッシェンド㈱
ITプラットフォーム
確かな技術力・ノウハウに基づき、ITインフラ分野とCAD、CAE等「ものづくり」分野において、最先端技術を駆使し、顧客のニーズに的確に応えるサービス/製品を提供し、顧客の様々なビジネスを柔軟にサポートしております。
(主な子会社)
㈱アライドエンジニアリング、SCSKセキュリティ㈱
ITマネジメント
堅牢なファシリティや高度セキュリティを備えたソリューション志向のデータセンター「netXDC(ネットエックス・データセンター)」を展開し、運用コストの削減、インフラ統合・最適化、ガバナンス強化、事業リスク軽減等、顧客の経営課題を解決する提案型アウトソーシングサービスを提供しております。また、各種クラウドのインフラ提供、オンサイトでのマネジメントサービス、24時間365日のSEサポート等の提供を行っております。
(主な子会社)
SCSKシステムマネジメント㈱、ヴィーエー・リナックス・システムズ・ジャパン㈱、
SDC㈱、SCSK NECデータセンターマネジメント㈱
その他
幅広い業種・業態におけるソフトウェア開発とシステム運用管理、システム機器販売、コンサルティングサービスや地方拠点の特色を活かした、当社グループ各社からのリモート開発(ニアショア開発)等を行っております。
なお、「その他」の事業は、いずれも2023年3月期及び2024年3月期において報告セグメントの定量的な基準値を満たしていません。
(主な子会社)
SCSK Minoriソリューションズ㈱、㈱Gran Manibus、
SCSKニアショアシステムズ㈱
経営成績
2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | |
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売上高 | 414,150 | 445,912 | 480,307 |
営業利益 | 47,555 | 51,361 | 57,004 |
売上高営業利益率 | 11.5% | 11.5% | 11.9% |
財政状態
2024年3月 | |
---|---|
親会社所有者帰属持分比率 | 64.1% |
セグメント情報
売上高構成比 | セグメント利益率 | |
---|---|---|
産業IT | 34% | 13% |
金融IT | 13% | 12% |
ITソリューション | 15% | 7% |
ITプラットフォーム | 18% | 13% |
ITマネジメント | 14% | 11% |
その他 | 6% | 4% |
設備投資(抜粋)
当連結会計年度において実施した当社グループ(当社及び連結子会社)の設備投資総額は14,757百万円であります。主な内容は、ITマネジメントにおけるnetXDC設備増強による増加887百万円であります。
なお、有形固定資産のほか、使用権資産及び無形資産への投資を含めて記載しております。
2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | |
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設備投資 | 25,708 | 26,208 | 14,757 |
減価償却費及び償却費 | 19,881 | 20,629 | 21,433 |
研究開発(抜粋)
当社グループでは、国内はもとより欧米・アジアの各拠点と一体となりグローバルな視点から最新のIT動向を鋭敏に捉え、市場創造に向けて当社グループ全体で最新技術の導入と技術レベルの高度化・充実を図るべく、研究開発活動を推進しております。中期的な技術戦略に基づいた研究開発に取り組んでおり、社会環境やお客様の事業環境の変化・変容にも迅速・弾力的に対応する、より最適なソリューションやサービスを早期に実現いたします。また、中長期的視点での研究開発を推進するために専門組織を設置し、大学・研究機関等とも連携した活動を行っております。
なお、当連結会計年度の研究開発費は、965百万円であります。
① 製造業の環境変化に対応する取組み
製造業界は、労働力不足・働き方改革・多様性の増加・先進技術への対応などの社会的な挑戦に直面しております。
このような変化に対応し持続可能な成長を実現するためには、生産管理システムの柔軟性と拡張性が不可欠であり、当社はこの現状を踏まえ、業種別の独自ニーズに応える業務機能と開発基盤を備えた製造業向けソリューションatWillの機能拡充を行っております。これにより製造業が直面する課題の解決を助け、顧客の成功を支援しております。
② モバイルアプリ開発とUXに関する取組み
近年、スマートフォンを中心とした顧客接点領域は大きな変化を続けております。一日のスマートフォンの利用時間は年々長くなり、日々の生活に欠かせないものとして位置づけられております。そのため、新しいシステムやサービスを提供する際には、モバイルアプリの提供は必須の検討要件となっております。
モバイルアプリは従来のシステム以上に、UI/UXによる顧客満足を求められ、また自社サービスにはコーポレートブランドを反映したデザインを検討する必要があります。拡大するモバイルアプリ開発需要に迅速に対応するため、以下の取り組みを進めております。
・SCSKデザインシステムを継承し、ブランドイメージを容易にアプリケーションに組み込むことができるよう、モバイルアプリ用デザイン標準とUIコンポーネントを開発
・変化に迅速に対応できるよう、モバイルアプリを再設計し、様々なOSで運用可能なクロスプラットフォームフレームワークを開発
・アジャイル開発による継続的な品質向上や生産性の向上を可能にするため、静的解析ツールやテストフレームワーク、生成AI技術を開発環境に組み込み、開発基盤として構築
③ 未来のマルチモビリティ時代に向けた取組み
当社グループでは、自動車のソフトウェア化に伴う開発の他にも空のモビリティ領域においては、SkyDrive社への出資と共に「空飛ぶクルマ」開発の一躍を担う活動をしております。
自動車の自動運転技術を応用し「空飛ぶクルマ」が安心・安全に空を飛び交えるよう、以下の取り組みを進めております。
・センシング技術(カメラセンサー、ライダー)による「画像処理活用の周辺認識機能」
・障害物認識後の「自動回避飛行制御機能」
・衛星測位システム(GNSS機能)とReal-time kinematicによる「安定飛行機能」
これらの取り組みは、「空飛ぶクルマ」の安定自律飛行で求められる機能に直結するものであり、空のモビリテ
ィ領域でも情報技術を活用し高度化、精度向上、機能追加を進めてまいります。
今後、空以外のモビリティ領域でも自動運転、電動化などを軸としたソフトウェア製品化やマルチモビリティ技術開発に継続して取り組む予定です。
④ 生成AIの利活用拡大を目指した研究開発の取組み
近年の生成AI技術の進歩に伴い、顧客からの生成AIに関する相談や引き合いが増えることを予想し、2023年5月に当社グループの全役職員が業務において、安全・安心に生成AIを体験・利用できる環境「SCSK Generative AI(SCSK-GAI)」を提供することで、顧客の生成AIに対する質問や要望に対応できる取り組みをしております。また同時に、役職員が正しく生成AIを利活用できるようガイドラインを整備することで、業務の効率化・生産性向上・製品/サービスへの適用・新規事業の創出に生成AIを活用しております。
とりわけ当社では、事前に社内文書などのドキュメントを専用のデータストアに格納し、そのデータストアと連携して生成AIが回答文を生成するチャットボットを導入しており、問い合わせ対応の工数削減や質問者の待ち時間を削減する効果を確認しております。業務の中で生成AIを利活用することでノウハウの蓄積ができており、お客様の価値向上に貢献できる生成AIサービス創出につなげることができております。
今後も、営業活動や開発業務での生成AIの利活用拡大、生成AI技術での社会課題の解決を目指し、生成AIの性能や処理速度の向上といった直近の課題を克服しながら、生成AIの研究開発を進めてまいります。
2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | |
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研究開発 | 1,097 | 1,058 | 965 |
売上対比 | 0.3% | 0.2% | 0.2% |
従業員の状況
提出会社の状況
2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | |
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従業員数 | 8,462名 | 8,470名 | 8,611名 |
平均年齢 | 43.7歳 | 43.7歳 | 43.5歳 |
平均勤続年数 | 18.4年 | 18.4年 | 18.0年 |
平均年間給与 | 7,522,000円 | 7,467,000円 | 7,642,000円 |
連結会社の状況
2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | |
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従業員数 | 14,938名 | 15,328名 | 16,296名 |
1人あたり売上高 | 27.7百万円 | 29.1百万円 | 29.5百万円 |