三菱重工業(株)
事業内容(抜粋)
当社グループでは、多くの事業において当社及び関係会社が連携して設計、製造、販売、サービス及び据付等を行っている。
当社グループの主な事業内容と当社又は主な関係会社の当該事業における位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりである。
なお、次の4部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」に掲げる事業セグメントの区分と同一である。
(エナジー)
当セグメントにおいては、火力発電システム(GTCC1、スチームパワー)、原子力発電システム(軽水炉、原子燃料サイクル・新分野)、風力発電システム、航空機用エンジン、コンプレッサ、排煙処理システム(AQCS2)、舶用機械等の設計、製造、販売、サービス及び据付等を行っている。
*1 Gas Turbine Combined Cycle
*2 Air Quality Control System
[主な関係会社]
Mitsubishi Power Aero LLC、Mitsubishi Power Americas, Inc.、三菱重工航空エンジン㈱、三菱重工コンプレッサ㈱、三菱重工マリンマシナリ㈱
(プラント・インフラ)
当セグメントにおいては、製鉄機械、商船、エンジニアリング、環境設備、機械システム等の設計、製造、販売、サービス及び据付等を行っている。
[主な関係会社]
三菱重工環境・化学エンジニアリング㈱、三菱造船㈱、三菱重工機械システム㈱、三菱重工交通・建設エンジニアリング㈱、Primetals Technologies, Limited
(物流・冷熱・ドライブシステム)
当セグメントにおいては、物流機器、冷熱製品、エンジン、ターボチャージャ、カーエアコン等の設計、製造、販売、サービス及び据付等を行っている。
[主な関係会社]
三菱重工サーマルシステムズ㈱、三菱重工エンジン&ターボチャージャ㈱、三菱ロジスネクスト㈱
(航空・防衛・宇宙)
当セグメントにおいては、民間航空機、防衛航空機、飛しょう体、艦艇、特殊機械(魚雷)、特殊車両、宇宙機器等の設計、製造、販売、サービス及び据付等を行っている。
[主な関係会社]
三菱重工マリタイムシステムズ㈱、MHI RJ Aviation Inc.
経営成績
2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | |
---|---|---|---|
売上収益 | 3,860,283 | 4,202,797 | 4,657,147 |
事業利益 | 160,240 | 193,324 | 282,541 |
財政状態
2024年3月 | |
---|---|
親会社所有者帰属持分比率 | 35.88% |
セグメント情報
売上高構成比 | セグメント利益率 | |
---|---|---|
エナジー | 38% | 8% |
プラント・インフラ | 16% | 7% |
物流・冷熱・ドライブシステム | 28% | 6% |
航空・防衛・宇宙 | 17% | 9% |
設備投資(抜粋)
当社グループ(当社及び連結子会社)は、将来の事業展開上、積極的に対応を要する分野、技術力・競争力強化を図る分野を中心に投資を行っている。
当連結会計年度の設備投資額(有形固定資産の計上額)のセグメント別内訳は、次のとおりである。
・エナジー 39,684百万円
・プラント・インフラ 7,667百万円
・物流・冷熱・ドライブシステム 73,076百万円
・航空・防衛・宇宙 24,146百万円
・その他・共通 49,327百万円
・合計 193,902百万円
(注)設備投資の主な内容は、次のとおりである。
エナジー GTCC関連設備の拡充
プラント・インフラ 製鉄機械関連設備の拡充
物流・冷熱・ドライブシステム 物流機器関連設備の拡充
航空・防衛・宇宙 防衛航空機関連設備の拡充
その他・共通 オフィスビルの新設
2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | |
---|---|---|---|
設備投資 | 115,048 | 142,316 | 193,902 |
減価償却費、償却費及び減損損失 | 135,787 | 148,549 | 155,899 |
研究開発(抜粋)
当社グループ(当社及び連結子会社)は、各製品の競争力強化や今後の事業拡大に繋がる研究開発を推進している。
各セグメント等の主な研究開発の状況及び費用は次のとおりであり、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は総額で178,388百万円である。なお、この中には受託研究等の費用100,750百万円が含まれている。
(1)エナジー
2050年までのカーボンニュートラル社会の実現、低コストでのエネルギーの安定供給といった多様化する社会課題を解決するべく、これまで培った技術を駆使して、革新的で付加価値の高い製品やサービスの開発に取り組んでいる。
当セグメントに係る研究開発費は44,940百万円であり、主な研究開発は次のとおりである。
・国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトへの参画によるCO2を排出しない水素ガスタービン、運搬や貯蔵に優れたアンモニアを燃料とするアンモニアガスタービンの開発
・水素製造から水素ガスタービンによる発電にわたる技術の一貫した実証、水電解に加えメタンガス熱分解等の次世代水素製造技術の開発
・グリーンイノベーション基金事業への参画によるアンモニア専焼バーナーの開発、ボイラーでのアンモニア高混焼の社会実装に係る開発
・地震・津波・テロへの高い耐性を備え、革新技術の導入により世界最高水準の安全性を実現する革新軽水炉「SRZ-1200」と、将来における社会の多様化ニーズを見据えた高温ガス炉、高速炉、小型炉及びマイクロ炉の開発
(2)プラント・インフラ
市場・需要の多様化に対応した製品固有の研究開発を行うとともに、カーボンニュートラル社会の実現に向けた幅広い製品の開発に取り組んでいる。
当セグメントに係る研究開発費は12,149百万円であり、主な研究開発は次のとおりである。
・次世代CO2回収技術、回収したCO2の輸送を容易にするCO2液化実証及び地域と連携したCCU実証等、幅広い産業の脱炭素化に貢献するCO2エコシステム構築に向けた製品・技術の開発
・プラントや交通システムの運転・保守を総合的に支援するデジタルサービスプラットフォーム「ΣSynX
Supervision」の、小型CO2回収装置「CO2MPACT™(コンパクト)」への導入及び交通システムへの実装検証
・最適燃焼プロセス及び最適ストーカ構造により、ごみ焼却施設の高燃焼効率化及び長寿命化を実現する次世代ストーカ炉の開発
・車では検知できない交通情報を自動運転車に提供し、車の安全走行を実現するシステムの開発
(3)物流・冷熱・ドライブシステム
量産技術の情報共有と製品共通技術の統一により製品間でのシナジーを創出し、省エネ・省人化・脱炭素化等の市場ニーズに対応した付加価値の高い製品開発に取り組んでいる。
当セグメントに係る研究開発費は15,071百万円であり、主な研究開発は次のとおりである。
・低炭素・脱炭素社会で想定される様々な燃料に対応するための、舶用代替燃料の適用に向けた要素技術の開発及び分散型発電機市場に向けた水素混焼・専焼エンジンの開発・実証
・燃料電池車の普及による車両用動力源の脱炭素化を見据えた、燃料電池に高圧空気(酸素)を供給する小型で高効率な遠心式電動コンプレッサの開発
・大規模地域冷暖房システム向けの低GWP(地球温暖化係数)冷媒を適用した大容量ターボ冷凍機の開発
・無人フォークリフト(AGF: Automated Guided Forklift)によるトラックへの荷積み自動化システムの実証
(4)航空・防衛・宇宙
日本のリーディングカンパニーとして、長年にわたり航空・防衛・宇宙開発で培った技術を駆使して、最先端の製品開発に取り組んでいる。
当セグメントに係る研究開発費は83,580百万円であり、主な研究開発は次のとおりである。
・軽量機体の普及による航空輸送のCO2削減に貢献する、次世代民間機への複合材構造の適用拡大を目指した軽量化・生産高レート化・複雑形状化技術の開発
・無人機及びAI技術を活用した監視システムの開発
・重要インフラの制御システム向け等のサイバーセキュリティ技術の開発
・低コストで高い信頼性を有する「H3ロケット」の開発
・宇宙機開発で培った技術力を活用した月面探査や有人探査に関連する技術の開発
(5)その他・共通
当社グループ次期製品の市場競争力確保のために必要となるキー技術や、次期・次世代の製品開発に必要かつ複数製品の共通基盤となるプラットフォーム技術の開発に取り組んでいる。
「その他・共通」に係る研究開発費は22,647百万円であり、主な研究開発は次のとおりである。
・脱炭素社会に向けた水素製造・バイオマス合成燃料製造・水素発電・アンモニア発電等の技術開発・実証
・水素ステーション向け超高圧液体水素昇圧ポンプの開発
・データセンター向けのユーティリティシステム及び次世代冷却技術の開発
・最少の調達数で、欠品なく在庫割り当てを可能とする在庫保有量最適化技術の開発
2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | |
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研究開発 | 113,675 | 127,448 | 178,388 |
売上対比 | 2.9% | 3.0% | 3.8% |