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(株)小松製作所

事業内容(抜粋)

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は「建設機械・車両」、「リテールファイナンス」、「産業機械他」の3部門にわたって、製品の研究開発、生産、販売、サービス、販売金融に至る幅広い事業活動を国内及び海外で展開しています。

当社グループは、当社、連結子会社208社、及び持分法適用会社42社より構成されています。

経営成績

2022年3月 2023年3月 2024年3月
売上高 2,802,323 3,543,475 3,865,122
営業利益 317,015 490,685 607,194
単位:百万円

財政状態

2024年3月
株主資本比率 53.8%

セグメント情報

売上高構成比 セグメント利益率
建設機械・車両 93% 16%
リテールファイナンス 2% 23%
産業機械他 5% 5%

設備投資(抜粋)

当社グループ(当社及び連結子会社)は、建設機械・車両事業分野に重点を置き、新製品の開発・生産に係る投資と生産部門の合理化投資等を実施しています。2023年度の設備投資額(有形固定資産受入ベースで消費税等を含まない金額)の内訳は次のとおりです。

・建設機械・車両 127,964百万円
・リテールファイナンス 42,412百万円
・産業機械他 9,623百万円
・合計 179,999百万円

建設機械・車両事業では、主に生産性の向上や循環事業強化のための設備投資等を行いました。
リテールファイナンス事業では、主に賃貸用資産に係る設備投資等を行いました。
産業機械他事業では、主に老朽設備更新のための設備投資等を行いました。

2022年3月 2023年3月 2024年3月
設備投資 147,762 161,563 179,999
減価償却費等 136,346 149,688 156,835
単位:百万円

研究開発(抜粋)

当社グループは、建設機械・車両、産業機械他の分野において、「品質と信頼性」の追求を基本として、新技術と新商品の研究開発を積極的に推進しています。

 当社グループの研究開発体制は、当社のCTO(最高技術責任者)室、開発本部の建設機械・鉱山機械・車両関連の研究開発部門及び関係会社の技術部門等からなっており、2023年度の当社グループの研究開発費は103,441百万円です。各事業部門別の研究開発の目的、成果、研究開発費は次のとおりです。

(1) 建設機械・車両事業セグメント

 グローバル化に対応した建設機械・鉱山機械・車両の効率的な研究開発をねらいとして、国内外に研究開発拠点を配置し、グローバルな開発体制を敷くとともに、相互の人材交流や共同開発の拡大などを行いながら研究開発活動を推進しています。また、「イノベーション」を起こすため、CTO室を窓口として、有望な分野での先進技術を有する国内外の大学、研究所、企業と積極的に協同・連携し、社内のコア技術と外部の知見の融合(オープンイノベーション)による技術革新のスピードアップに取り組んでいます。「安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場」をお客様とともに実現することを目指し、中・長期的な重点テーマとして、以下の分野に取り組んでいます。

<ICT(情報通信技術)>

 情報化技術(最新計測技術・通信技術を活用した機械の位置情報・稼働情報や機械診断情報などのリモート管理技術等)及び制御技術・知能化技術の研究開発を進めています。これらの技術を利用して開発した建設・鉱山機械の制御システムと管理システムは急速に普及しており、建設・鉱山機械の稼働と管理の自動化、効率化が図られ生産性向上に寄与しています。また、こうした技術を使い、大型ICTブルドーザー遠隔操作、情報化施工、「KOMTRAX」(2024年3月末時点配車台数:764,187台)、林業機械フリートシステム「MaxiFleet」(2024年3月末時点配車台数:2,730台)、鉱山向け無人ダンプトラック運行システム(AHS)(2024年3月末時点総稼働台数:727台)についても、お客様の視点に立った次世代への展開に向けた活動を推進しています。更に、鉱山分野においては、お客様が求める鉱山オペレーション全体の生産性向上を目指して自動ライトビークル開発に向けたトヨタ自動車㈱との協業に取り組んでいます。

 施工の自動化、作業精度と作業効率の大幅向上を実現する作業機全自動制御機能搭載ICTブルドーザー、ICT油圧ショベルの開発、メーカーを問わずに作業機状態をリアルタイムで可視化する3Dマシンガイダンス機能を提供するキットの開発及び建設現場が抱える様々な課題を解決し「安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場」を実現させていくためのソリューションを開発、提供していくサービス事業「スマートコンストラクションⓇ」は導入地域や規模を拡大しています。

 「スマートコンストラクションⓇ」では、デジタルトランスフォーメーション(DX)を実現する各種ソリューション、自律、協調など高度化したICT建機、デジタルツインを3Dでリアルタイムに実現するアプリケーションや当社の生産技術を活用した、施工計画を最適化するアプリケ―ションなどの開発を推進しています。

農林業向けには、「スマートコンストラクションⓇ」のノウハウを活用し林業全体を効率化するスマート林業の提案や、ICT農業用建機による農作業の効率化を進めています。

<環境、省資源、安全>

 エコロジー(環境に優しい)とエコノミー(経済性に優れている)の両立を追求し、お客様に満足いただける優れたものづくりを行うことを、コマツ地球環境方針の下に基本理念とし、商品の生産から廃棄・再利用までのライフサイクル全体の環境負荷が最小限になるように努めるとともに、燃費の向上など、経済性にも優れた商品を提供するために、常に技術革新に取り組んでいます。

 燃費向上技術については、CO2排出量削減と経済性の両面から最重要課題として取り組んでいます。ハイブリッドシステム搭載の油圧ショベルを日本、欧州、中国、その他世界各地に導入し、2024年3月末時点での累計導入台数は5,757台に達しました。

 環境対応については、世界各地の排出ガス規制に対応した製品を市場導入しています。

 環境負荷物質の低減活動も積極的に展開しています。環境とは地球環境だけではなく人間への環境も含むという観点から、安全対応(「KomVision人検知衝突軽減システム」、「衝突検知警報システム」)や騒音・振動低減、オペレーター作業環境改善にも積極的に取り組んでいます。

 鉱山分野については、コマツGHGアライアンスを発足し、大手鉱山企業とともに鉱山オペレーションゼロエミッション実現に向けて次世代鉱山機械の開発・市場導入を加速します。この活動を通して、超大型ダンプトラックを対象に既存ディーゼルエンジンの他、バッテリー、水素燃料電池など、いかなる動力源でも稼働可能な「パワーアグノスティックダンプトラック」の開発を推進しています。

 電動化については、2023年度を電動化建機の市場導入元年と位置付けており、電動マイクロショベル、3トンクラスの電動ミニショベル、13トンクラスの電動油圧ショベル、20トンクラスの電動油圧ショベルを市場導入しました。また、水素燃料電池を搭載した中型油圧ショベルのコンセプトマシンを開発し、実証実験を開始しました。

 また、気候変動により激甚化・頻発化する自然災害や切迫する巨大地震の防災・災害復旧に対応するため、危険な水際や浅水域での工事ニーズが高まっていることや少子高齢化という課題に対し熟練した工事の担い手が不足するという深刻な状況にあります。このため水深50mまでを視野に自動制御とICT機能により熟練技術がなくとも操作可能な電動式の水中施工ロボットの実証に向けて取り組みを続けています。

当事業セグメントの2023年度に係る研究開発費は94,145百万円です。

(2) 産業機械他事業セグメント

 主として、板金鍛圧機械、工作機械及びその他産業機械などに関する研究開発を行っています。

 産業機械他事業においては、お客様の困りごとを解決するソリューションの提供を推進しています。突発的なプレスライン停止を回避する予知保全システムを拡販し、国内、中国、米国の累計導入契約ライン数は2023年度のKPIである39ラインとなりました。また、プレス機械の使われ方モニタ機能(過負荷モニタ、荷重トレンド、自動タイムスタディ)を新規の機械には標準搭載、レトロフィット対応ではコントローラーのリニューアルとセット販売することで拡販が進み、昨年度の契約実績数に対し2倍に増加しました。

 鍛圧機械では、工程数が多い、もしくはサイズが大きい製品の生産に対応したプレスである「H2W400」の販売を開始しました。ダイエリアをワイド化しながらスライド及びベッド剛性は従来メカプレス同等以上であり、許容仕事量、生産性は同メカプレスに対してそれぞれ1.5倍、2倍となっています。ボルスタ高さも低減しており作業性向上やピットレスによる基礎工事費の削減が可能です。8面ギブ採用により動的精度を長期間維持し、金型寿命向上にも寄与します。新コントローラーの採用により操作性を向上させ、「産機Komtrax」との連携強化によりお客様の現場のDXにも貢献します。

 板金機械では、プレスブレーキ「PVS」に引き続き「PAS」、「PBZ」に大型の操作盤パネルを搭載したモデルチェンジを行いました。画面サイズは従来の15型から21.5型になり、1画面の情報量が増加しました。あわせて画面操作フローを見直すことで、金型交換時の操作回数を8回から2回にするなど、操作性を向上させました。

 工作機械では、EV車で採用が拡大している大型アルミダイキャスト製品の加工向けに大型で高速なマシニングセンターの開発に着手しました。

 その他には、半導体露光装置用エキシマレーザー、EUV光源、半導体基板小径加工用エキシマレーザー、半導体製造業向けの高性能温調機器とその要素である高性能サーモモジュール熱交換ユニット、光通信用向けの超小型サーモモジュール及び熱電発電モジュールとそのシステムに関する研究開発などを推進しました。

 当事業セグメントの2023年度に係る研究開発費は9,296百万円です。

2022年3月 2023年3月 2024年3月
研究開発 77,478 90,628 103,441
売上対比 2.8% 2.6% 2.7%
単位:百万円

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