日立造船(株)
事業内容(抜粋)
当社グループは、主として環境装置・プラント、機械装置、インフラ設備等の設計、製作、据付、販売、修理、保守・保全及び運営等を主な事業としており、当社、連結子会社131社及び持分法適用会社31社で構成されている。
セグメントごとの主な事業内容と、当社及び主な関係会社の位置づけは次のとおりである。
(主な事業内容)
環境…………………ごみ焼却発電・リサイクル施設、水・汚泥処理施設、エネルギーシステム(発電設備)、バイオマス利用システム、海水淡水化プラント等各種プラント、電力卸売
機械・インフラ……自動車用プレス機械、ボイラ、プラスチック機械、食品機械、医薬機械、精密機器、エレクトロニクス・制御システム、橋梁、水門扉、煙突、海洋土木、シールド掘進機、防災システム
脱炭素化……………舶用原動機、脱硝触媒、圧力容器等各種プロセス機器、原子力関連設備機器、電解・PtG、風力発電
その他………………寮・社宅等施設運営管理
(当社及び主な関係会社の位置づけ)
[環境]
当社が製造・販売を行うほか、Hitachi Zosen Inova AG、Hitachi Zosen Inova Steinmüller GmbHがごみ焼却発電設備、エスエヌ環境テクノロジー㈱が各種廃棄物処理施設の製造・販売等、また、エコマネジ㈱が廃棄物処理事業に関するコンサルティング業務、大館エコマネジ㈱、柏環境テクノロジー㈱及び倉敷環境テクノロジー㈱などが廃棄物処理施設の運営等を行うほか、Hitz環境サービス㈱などがごみ焼却施設等の運転業務を受託している。
また、㈱ニチゾウテックが各種構造物の非破壊検査・計測・診断業務及び化学プラントの製造・販売等を行っているほか、Osmoflo Holdings Pty Ltd及びその関係会社が海水淡水化・産業用水処理システムの設計、製造、販売及び運営等を行っている。
[機械・インフラ]
当社が製造・販売を行うほか、㈱エイチアンドエフが各種プレス機械、㈱ブイテックスが半導体関連装置、光ディスク製造設備、真空機器、有機ELディスプレイ製造装置等の製造・販売等、㈱プロモテックが橋梁等鋼構造物の設計等を行っている。
[脱炭素化]
当社が製造・販売を行うほか、日立造船マリンエンジン㈱が舶用原動機事業、NAC International Inc.が使用済核燃料保管・輸送機器の設計、輸送及びコンサルティング業務を行っている。
[その他]
Hitz総合サービス㈱が寮・社宅等施設運営管理業務、㈱エーエフシーがファイナンス業務等を行っている。
経営成績
2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | |
---|---|---|---|
売上高 | 441,797 | 492,692 | 555,844 |
営業利益 | 15,541 | 20,056 | 24,323 |
財政状態
2024年3月 | |
---|---|
自己資本比率 | 30.5% |
セグメント情報
売上高構成比 | セグメント利益率 | |
---|---|---|
環境 | 73% | 5% |
機械・インフラ | 16% | 3% |
脱炭素化 | 10% | 3% |
その他 | 0% | 16% |
設備投資(抜粋)
当連結会計年度において、当社グループ(当社及び連結子会社)では、事業伸長のための新規投資、生産性向上のための合理化投資、老朽設備更新投資を中心に、全体で9,596百万円の設備投資を実施した。
セグメントごとの設備投資額の内訳は次のとおりである。
・環境 4,348百万円
・機械・インフラ 1,851百万円
・脱炭素化 2,431百万円
・その他 966百万円
上記のうち主要な設備投資の内容は次のとおりである。
機械・インフラ部門において、当社向島工場がパネル矯正装置及び鈑桁製造ラインの新設等を行った。
脱炭素化部門において、当社有明工場がベンディングローラーの新設等を行った。
2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | |
---|---|---|---|
設備投資 | 8,057 | 7,945 | 9,596 |
減価償却費 | 10,663 | 10,515 | 11,134 |
研究開発(抜粋)
当社グループ(当社及び連結子会社)においては、中期経営計画「Forward 25」のもと、環境や機械・インフラ、脱炭素化の各事業に注目して、現有製品の高度化、及び新製品開発に取り組んできた。
当社グループの研究開発体制としては、当社開発本部の下に、開発企画部を設けて開発戦略の構築と新規事業の企画を推進するとともに、技術研究所を設けて当社グループの技術基盤となる研究開発を行い、また既存事業領域以外の分野として、全固体リチウムイオン電池の事業化推進に取り組む電池事業推進室を設置して、開発・事業化などに取り組んできた。さらに、各事業本部の下に開発センターを設けて、製品開発段階にある開発テーマの事業化に取り組んできた。
当連結会計年度における研究開発費は、11,246百万円である。また当社では、環境省及び国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)などからの受託研究にかかる費用として別途1,053百万円がある。
(セグメントごとの主な研究開発活動)
環境部門では、当社がごみ処理における地球環境問題への取組みとして、清掃工場でのAIを活用したごみクレーン完全自動化技術などの開発を行ったほか、環境省委託事業「高効率エネルギー利活用に向けた次世代型廃棄物処理システムの開発」において大阪広域環境施設組合舞洲工場の熱分解ガス化改質システム実証プラントで一般廃棄物中の可燃物を可燃ガスに変換する実証試験を行った。また、NEDOのグリーンイノベーション基金事業において、「CO2高濃度化廃棄物燃焼技術の開発」が委託事業として採択された。水処理分野では、国土交通省の下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)において、「下水汚泥消化ガスのEx-situ型バイオメタネーション反応技術に関する調査事業」が採択された。なお、当部門にかかる研究開発費は、5,550百万円である。別途、当社における受託研究にかかる費用として354百万円がある。
機械・インフラ部門では、当社がロールtoロールをはじめとする精密機械関連の開発を行ったほか、次世代放射光施設用真空チェンバ製造にかかる高精度・高品質レーザ溶接の技術開発、食品充填機・エミッタ・フィルタープレス・橋梁などの遠隔監視・診断システムの開発などを行った。なお、当部門にかかる研究開発費は、1,660百万円である。別途、当社における受託研究にかかる費用として48百万円がある。
脱炭素化部門では、当社が使用済核燃料輸送・貯蔵兼用容器の開発を行ったほか、NEDOのグリーンイノベーション基金事業として採択された3つの事業「次世代船舶の開発」「洋上風力発電の低コスト化」「再生可能エネルギー等由来の電力を活用した水電解による水素製造」において、メタンを酸化させるシステム、セミサブ型ハイブリッド浮体、及び水電解装置の大型化・モジュール化の各開発に取り組み、「洋上風力発電の低コスト化」ではフェーズ1を完遂、また「アンモニア燃料船搭載のN2Oリアクタ開発」が新たに採択された。なお、当部門にかかる研究開発費は、2,008百万円である。別途、当社における受託研究にかかる費用として618百万円がある。
その他部門では、当社の技術研究所が、流体や構造、材料等の数値シミュレーション、AI及びIoTの各種製品への適用技術開発、スマート工場化に向けた自働化技術開発、デジタルエンジニアリングを活用した技術基盤の強化と先端技術導入を図り、製品の競争力向上を推進した。加えて、カーボンニュートラルに資する燃料合成や水電解装置の性能向上などの開発を実施した。また当社は、全固体リチウムイオン電池のエネルギー密度などの性能を更に高め、かつ生産効率の向上に対する開発も行った。なお、当部門にかかる研究開発費は2,027百万円である。別途、当社における受託研究にかかる費用として33百万円がある。
2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | |
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研究開発 | 6,136 | 8,581 | 11,246 |
売上対比 | 1.4% | 1.7% | 2.0% |