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日野自動車(株)

事業内容(抜粋)

当社グループは、当社、親会社、子会社75社、関連会社21社で構成され、トラック・バスの製造販売及びトヨタ自動車株式会社からの受託生産を主な事業内容とし、さらに事業に関連する製品の開発、設計及びその他のサービス等の事業活動を展開しております。

経営成績

2022年3月 2023年3月 2024年3月
売上高 1,459,706 1,507,336 1,516,255
営業利益 33,810 17,406 -8,103
単位:百万円

財政状態

20234年3月
自己資本比率 26.8%

セグメント情報

売上高構成比 セグメント利益率
日本 52% -2%
アジア 30% 7%
その他 18% -9%

設備投資(抜粋)

当社グループは当連結会計年度において、生産・開発体制の強化、国内販売会社における拠点新設・リニューアル、海外工場の製造設備の導入を中心とした設備投資(無形固定資産への投資を含む)を73,747百万円実施いたしました。

 セグメント別の設備投資の内訳は以下のとおりであります。

(日本)

 「日本」セグメントにおいては、生産能力増強・開発体制の強化、国内販売会社における拠点新設・リニューアルを中心に49,364百万円の設備投資(無形固定資産への投資を含む)を実施いたしました。

(アジア)

 「アジア」セグメントにおいては、生産体制の強化を中心に7,886百万円の設備投資(無形固定資産への投資を含む)を実施いたしました。

(その他)

 「その他」セグメントにおいては、米国における新製品対応設備の取得を中心に16,496百万円の設備投資(無形固定資産への投資を含む)を実施いたしました。

2022年3月 2023年3月 2024年3月
設備投資 47,861 68,989 73,747
減価償却費 54,956 57,293 56,479
単位:百万円

研究開発(抜粋)

日野グループは、HINO基本理念において「人、そして物の移動を支え、豊かで住みよい世界と未来に貢献する」を会社の使命とし、人流・物流の課題の解決を通じて、持続可能な社会の実現に貢献しています。

 技術・技能の継承と創造・革新・改善を続け、安全かつ高品質で、お客様のビジネスのお役に立つ商品・サービスを提供しています。

 また、物流と人流を支える事業活動を通じて、お客様・社会の課題解決に積極的に取り組んでいます。

 2022年3月に確認、公表したエンジン認証申請における不正行為においては、お客様、仕入先様はじめ、全てのステークホルダーにご迷惑をお掛けしました。信頼回復に向けた、抜本的な再発防止および、コンプライアンス・ファーストの企業体質再構築に取り組んでおります。

 セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

(日本)

[最近の新製品、新技術]

(1) 株式会社ドコマップジャパン(以下 ドコマップジャパン)と日野自動車株式会社(以下 日野)は、「docomapVehicle」に「プレミアムプラン」を追加し、2023年4月よりサービスを開始しました。「docomap Vehicle」はドコマップジャパンの車両位置情報管理サービス「DoCoMAP※(ドコマップ)」と日野のテレマティクスサービス「HINO-CONNECT(ヒノコネクト)」が連携し、車両に専用GPS端末を設置することなく車両の位置情報を確認・管理できるサービスとして、2022年4月より提供を開始しています。

 今回新たに提供するプレミアムプランでは、対象車両の位置情報や走行履歴、車両の速度表示などベーシックプランの機能に加え、環境問題に取り組む企業へのサポートを充実させるほか、安全装置の作動状況を確認できるなど、ドライバーの安全運転の意識向上に貢献します。

 ドコマップジャパンと日野は、今後もDoCoMAPとHINO-CONNECTの連携を強化し、更なるサービスの拡充に向け技術開発に邁進し、より安全で効率的な物流に貢献してまいります。

※車両に取り付けたGPS端末からの位置情報で、車両の位置をGoogleMaps上に表示・管理する車両位置情報管理サービス。DoCoMAPは株式会社ドコマップジャパンの登録商標です。

(2) A09Cエンジンを搭載した大型トラック「日野プロフィア」を一部改良し、発売しました。今回の改良では、レーンキーピングアシスト※1、ドライバー異常時対応システム※2、オートヘッドランプを標準搭載し、安全運転をサポートします。なお、新しく導入される燃費試験方法であるJH25モードでの燃費値表示に対応しています。

※一部車型を除く

※1 レーンキーピングアシスト(LKA)

 走行車線の左右白線をカメラで検知し、車線を逸脱しそうになると、システムがステアリング操作を電動アシスト制御します。

※2 ドライバー異常時対応システム(EDSS:Emergency Driving Stop System)

 ハンドル手放し検知、ドライバーモニターⅡ、画像センサーによる車線逸脱状態判定より、ドライバーの異常状態を検知すると、車内外に報知しながら制動を開始し、徐々に速度を落として車線内を維持しながら停止させます。

(3) 持続可能な地域公共交通を支える新たな取り組みとして、自家用有償旅客運送※1向けの遠隔による運行管理受託サービスを、開始しました。また、鳥取県智頭町にて本サービスの提供を同日より開始しています。遠隔による運行管理業務を専門に受託する事業は、メーカーを含む民間企業として全国初の取り組みとなります(日野調べ)。

 地方部においては人口減少や少子高齢化により、公共交通の維持が困難になるなど、人の移動を取り巻く環境は厳しいものになっています。このような地域では、市町村自治体やNPO団体等を運営主体とした自家用有償旅客運送を導入するケースが増えています。一方、こうした運営主体においては、交通事業に関するノウハウや後継者不足等により事業の継続に課題を抱えているケースは少なくありません。特に運行管理業務は点呼対応や帳票管理等の業務負荷が高いという声が多く聞かれています。

 本サービスでは、日野が運営主体から委託を受け、運行管理業務を遠隔で行います。主な受託内容としては、ドライバーへの運行前後の点呼をはじめ、乗務記録や車両点検など法令で定められている業務の結果を帳票に記録、保管します。運行管理担当者がドライバーとスマートフォンやタブレット等で繋がることで、場所を問わずに遠隔での点呼※2を可能とし、中山間地等においてはドライバーが点呼場所へ移動する手間なく業務を開始できるようになります。

 日野は、2019年7月に石川県小松市、香川県三豊市と「地域公共交通を活かした魅力あるまちづくりに関する協定」を結び、地域の皆様と実証実験等を行いながら、地域公共交通を支える持続可能なソリューションの検討を行ってきました。今後も自家用有償旅客運送の支援に留まらず、地域公共交通における課題解決に貢献していきます。

※1 バスやタクシーなどが運行されていない地域などにおいて、自家用車を使用して有償で旅客運送できる制度

※2 遠隔点呼の実施には地域協議会での合意が必要

(4) 小型トラック「日野デュトロ」の積載量1.5tクラスを一部改良し、発売しました。今回の改良では、バックカメラ・電子インナーミラーを全車標準装備するとともに、これまでの平ボデーに加えて新たにアルミバン、テールゲートといった架装ラインアップを追加し、お客様の安全性・利便性を向上します。

 なお、エンジンはトヨタ自動車株式会社開発の1GD-FTVディーゼルエンジンを搭載しており、新しく導入された燃費試験方法であるJH25モードでの燃費値のカタログ表記などにも対応しています。

(5) 大型路線バス「日野ブルーリボンハイブリッド」を一部改良し、発売しました。今回の改良では、自動検知式ドライバー異常時対応システム※、オートヘッドランプ、バックカメラ・モニターを搭載し、安全運転をサポートします。また、換気扇の吸気性能を高めるとともに排気用のエアアウトレットグリルを追加することで、換気能力向上に貢献します。これらはすべて標準装備となります。

 なお、新しく導入された燃費試験方法であるJH25モードでの燃費値のカタログ表記などにも対応しています。

※ドライバー異常時対応システム(EDSS:Emergency Driving Stop System)

ドライバーモニターⅡや車線逸脱警報によりドライバーの運転姿勢や車両の挙動をモニターし、体調急変などによるドライバーの異常な状態を自動検知して徐々に減速し車両を停止させます。

(6) 苫小牧栗林運輸株式会社と日野自動車株式会社と株式会社三井E&Sが取り組む、「コンテナヤード内横持トレーラー※1運行の高度化に関する技術開発」が、国土交通省の令和5年度港湾技術開発制度に採択されました。

 同技術開発は、物流の2024年問題における労働力不足等の課題解決、労働環境の改善、将来にわたっての港湾機能の維持に向けて、令和7年度までの3年間にわたり、苫小牧港東港区苫小牧国際コンテナターミナル内において実施してまいります。

 本取り組みでは、既存のターミナルオペレーションシステム(以下 TOS)、運行管理システム、TOSと横持トレーラーとの情報連携機能の開発と、同車両の運転補助※2機能を開発します。現在、ターミナル内横持トレーラー※1は紙の指示書によって運行していますが、今回の技術開発によって、運転補助機能を搭載した同車両が、TOSからコンテナの行き先指示を受けて運行することを目指します。車両には監視員が搭乗し安全監視を行います。

 今回の技術開発を踏まえ、さらなる生産性向上と労働環境改善の効果確認と将来に向けて本技術の活用検討を進めてまいります。

※1 横持(よこもち)トレーラー:ターミナル内のコンテナの移動に使われるトレーラー

※2 運転補助:特定条件下においてシステムが全ての運転操作を実施する。搭乗した監視員が周辺安全監視を行うと共に、異常時にシステムからの警報に対して監視員が適切に対応する。

(7) 中型トラック「日野レンジャー」を一部改良し、発売しました。今回の改良では、エンジンおよびシャシに対し遮音カバー・吸音材を装着し、騒音規制※への対応を実施します。また、新しく導入された燃費試験方法であるJH25モードでの燃費値のカタログ表記などにも対応しています。

※車両総重量12t以下のクラス

(8) 小型トラック「日野デュトロ」の積載量2tクラスを一部改良し、発売しました。今回の改良では、バックカメラ・電子インナーミラー、オートヘッドランプ、デイタイムランニングライト※を全車標準装備し、お客様の安全性を向上します。なお、新しく導入された燃費試験方法であるJH25モードでの燃費値のカタログ表記などにも対応しています。

※昼間走行時に点灯することで、周囲からの視認性を高め、事故防止に貢献する

(9) 大型トラック「日野プロフィア ハイブリッド」を一部改良し発売しました。今回の改良では、非常時など電力が必要な場合に大容量バッテリーに蓄えられた電気を使用することができる外部給電機能※1を新規設定しました。また、プリクラッシュセーフティーシステム(PCS)※2やサイトアラウンドモニターシステム(SAMS)※3の性能向上ほか、ドライバー異常時対応システム(EDSS)※4、レーンキーピングアシスト(LKA)※5といった装備を搭載し、安全運転をサポートします。これらは全て標準装備となります。

 なお、騒音規制への対応ほか、新しく導入された燃費試験方法であるJH25モードでの燃費値のカタログ表記などにも対応しています。

※1 「外部給電器」(別売り)を通して、家電が使用できる電力への変換が必要です。

※2 昼夜の歩行者や自転車運転者を検知し、トラックの衝突・追突事故の抑制に貢献します。PCSはトヨタ(株)の商標です。

※3 前方死角エリアでの移動物を検知し、衝突のおそれがある場合にメーター表示と警報でドライバーに注意を促します。

※4 ドライバーモニターⅡや車線逸脱警報によりドライバーの運転姿勢や車両の挙動をモニターし、体調急変などによるドライバーの異常な状態を自動検知して徐々に減速し車両を停止させます。

※5 走行車線の左右白線をカメラで検知し、車線を逸脱しそうになると、ステアリング操作を電動アシスト制御します。

(10) 大型観光バス「日野セレガ」を一部改良し、発売しました。今回の改良では、レーンキーピングアシスト(LKA)※1、オートヘッドランプの新規設定のほか、プリクラッシュセーフティシステム(PCS)※2の作動条件拡大や、ドライバー異常時対応システム(EDSS)※3の車線内停止機能の追加といった各種装置の性能向上により、安全運転をサポートします。また、法規対応※4としてバックカメラ・モニターの装置変更を行っています。なお、これらの機能は全て標準装備となります。

※1 走行車線の左右白線をカメラで検知し、車線を逸脱しそうになると、ステアリング操作を電動アシスト制御します。

※2 昼夜の歩行者や自転車運転者を検知し、車両の衝突・追突事故の抑制に貢献します。PCSはトヨタ(株)の商標です。

※3 ドライバーモニターⅡや車線逸脱警報によりドライバーの運転姿勢や車両の挙動をモニターし、体調急変などによるドライバーの異常な状態を自動検知して徐々に減速し車両を停止させます。

※4 後退時車両直後確認装置の設置義務化

(11) 日野自動車株式会社(以下 日野)は、株式会社大林組(以下 大林組)と、実際のダム建設現場である新丸山ダム(岐阜県加茂郡八百津町、御嵩町)において自動自律建機等と自動運転ダンプ(レベル4相当)※1のDX施工※2に向けた実証実験を2023年12月までの4カ月間実施しました。

 日野は、物流業・建設業が直面する課題の解決や持続可能な社会実現のため、CASE※3技術の活用ならびにお客様・パートナーとの共創によるソリューションの更なる深化を推進しています。その一環として、大林組とは互いの知見を合わせ自動自律建機等および自動運転ダンプの実用化に向けて取り組んでおり、両社での建設現場における実証実験は、2020年11月に実施以来二度目となります。

 本実証では自動自律建機、自動運転ダンプ、ならびに有人運転建機と有人運転ダンプを、大林組の開発する建機フリートマネジメントシステム※4下で管制し、掘削積込みから運搬、敷き均し、転圧までの盛土工事を、計画から品質管理まで全自動化した実現検証を行いました。

※1 限定領域内の無人走行を想定した自動運転

※2 AI、ICT、IoT等のデジタル技術を取り入れて複合的に活用し、建設プロセス全体を最適化するもの

※3 C=Connected(コネクティッド・接続性)、A=Autonomous(自動運転)、S=Shared(シェアード・共有)、E=Electric(電動化)の頭文字からとった造語。新しい領域で技術革新、自動車業界を取り巻く変革の動き(トレンド)のこと

※4 複数台の建設機械が連動して協調運転するよう制御するシステム

■自動運転ダンプトラック

 本実証で使用した自動運転ダンプは、ベース車両である大型トラック「日野プロフィア」に自動運転技術を搭載しており、日々刻々と変化する施工現場内の不整地において、前後進、自動ダンプアップ/ダウン等のオペレーションを実行します。

 車両の自己位置把握や走行安全機能はこれまでの実証実験から大幅なレベルアップを図るとともに、外部指示に基づく自動経路生成や他車両との相対位置把握、高精度な正着制御を新技術として搭載しております。

 本実証では安全を最優先し、想定外の事象に備えてシステム監視者が乗車しました。本実証の結果を踏まえ実用化に向けた検討を進めるとともに、今後は自動運転トラック複数台が連携する無人化施工の実装を目指します。

[最近の主な成果]

(1) 株式会社加藤製作所、新明工業株式会社、中部国際空港株式会社、日野自動車株式会社は、滑走路や誘導路を含む空港制限区域内における現場作業の安全性確保や生産性向上、労働力不足などの課題解決に向け、実証実験を実施しました。

 本実証は、自動運転(レベル2相当)※1に対応した小型トラックをベースに、自動運転と路面清掃の技術連携により高機能化させた路面清掃車(真空吸込式)を用いて中部国際空港(愛知県常滑市)で実施します。本実証では、滑走路や誘導路を含む空港制限区域における路面清掃車としては日本で初めて自動運転車を導入します。

 夜間や単調作業下での安全運行や、重複清掃や清掃漏れの削減による清掃品質や効率向上の確認、準中型免許で運転可能な小型トラックをベースとした路面清掃車の有用性についてデータを取得することを主な目的としています。本実証の結果を踏まえ、空港制限区域内での高機能化させた路面清掃車の実用化に向けて検討を進めてまいります。

  1. 実証実験概要

(1)期間:2023年5月10日から約3週間

(2)場所:中部国際空港制限区域内(滑走路、誘導路、その他)

(3)車両:小型トラック「日野デュトロ」をベースに、加藤製作所が「真空吸込式路面清掃車」を製作し、新明工業にて自動運転に必要な改造を実施

(4)台数:1台

  1. 自動運転および利用システム  本実証で使用する車両は、小型トラックに自動運転技術を搭載し、時速20km以下で走行します。車両の走行位置や

経路は、GNSSデータ※2、LiDAR※3、赤外線カメラで把握し、障害物を検知すると自動で停止します。清掃区間までドライバーが運転し、区間内は自動運転に切り替えて路面を清掃します。架装部分の清掃装置はタブレット操作により自動運転と連動して自動で清掃作業を行います。

※1 自動運転(レベル2相当):ドライバーが周辺監視を行い、特定条件下での自動運転機能(高機能化)

※2 GNSS:Global Navigation Satellite System、GPSなどの全地球衛星測位システム

※3 LiDAR(ライダー): Light Detection And Ranging、周辺環境の立体的な様子を捉える技術や機器

 以上、当連結会計年度の「日本」セグメントの研究開発費の総額は、53,318百万円であります。

(アジア)

 主にASEAN最適車の現地での一貫した商品化・生産供給を目的として、タイ国内の商品企画・開発・生産の機能を集約・強化を進めてまいります。

 当連結会計年度の「アジア」セグメントの研究開発費の総額は、1,966百万円であります。

(その他)

 該当事項はありません。

2022年3月 2023年3月 2024年3月
研究開発 56,703 52,546 55,285
売上対比 3.9% 3.5% 3.6%
単位:百万円

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