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セイコーエプソン(株)

事業内容(抜粋)

当社および当社の関係会社(以下「エプソン」という。)は、プリンティングソリューションズ事業、ビジュアルコミュニケーション事業およびマニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業などに係る各製品の開発、製造、販売およびこれらに付帯するサービスの提供を主な事業としております。

エプソンでは、事業部制による世界連結マネジメントのもと、開発活動については先行研究開発や製品開発を主に当社(本社研究開発部門および事業部研究開発部門)で行い、生産活動および販売活動については国内外の製造・販売関係会社を中心に展開しております。

各事業の内容と事業に携わる主要な関係会社は、次のとおりです。

なお、エプソンの報告セグメントは、長期ビジョン「Epson 25 Renewed」に基づき、「プリンティングソリューションズ事業」、「ビジュアルコミュニケーション事業」および「マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業」の3つとしております。各報告セグメントは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に掲げるセグメントの区分と同一です。

(プリンティングソリューションズ事業セグメント)
当セグメントは、オフィス・ホームプリンティング事業、商業・産業プリンティング事業から構成されており、独自のマイクロピエゾ技術のほか、ドライファイバーテクノロジーなどの強みを生かし、各製品の開発、製造、販売およびこれらに付帯するサービスの提供を行っております。
各事業の主な内容は、次のとおりです。
<オフィス・ホームプリンティング事業>
当事業では、オフィス・ホーム向けのインクジェットプリンター、シリアルインパクトドットマトリクスプリンター、ページプリンター、カラーイメージスキャナー、乾式オフィス製紙機、およびこれらの消耗品などを取り扱っております。
<商業・産業プリンティング事業>
当事業では、商業・産業向けのインクジェットプリンター、インクジェットプリントヘッド、POSシステム関連製品、ラベルプリンター、およびこれらの消耗品などを取り扱っております。

(ビジュアルコミュニケーション事業セグメント)
当セグメントは、独自のマイクロディスプレイ技術やプロジェクション技術などの強みを生かし、ビジネス・教育・ホーム・イベント向けなどの液晶プロジェクターのほか、スマートグラスなどの開発、製造、販売およびこれらに付帯するサービスの提供を行っております。

(マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメント)
当セグメントは、マニュファクチャリングソリューションズ事業、ウエアラブル機器事業、マイクロデバイス事業他、PC事業から構成されており、以下の各製品の開発、製造、販売およびこれらに付帯するサービスの提供を行っております。
各事業の主な内容は、次のとおりです。
<マニュファクチャリングソリューションズ事業>
当事業では、高度な精密メカトロニクス技術のほか、高精度のセンシング技術やソフトウェア技術などの強みを生かし、生産性を革新する産業用ロボット、小型射出成形機などの開発、製造、販売などを行っております。
<ウエアラブル機器事業>
当事業では、超微細・超精密加工技術や高密度実装技術のほか、高精度のセンシング技術などの強みを生かし、ウオッチ、ウオッチムーブメントなどの開発、製造、販売などを行っております。
<マイクロデバイス事業他>
当事業では、小型化・高精度化や低消費電力を特長とする各種デバイスを取り扱うほか、グループ内各事業のニーズに対応したデバイスの開発および製造を行っております。また、金属粉末事業や表面処理加工事業を展開しております。
[水晶デバイス]
民生機器・車載・産業機器向けなどに水晶振動子、水晶発振器、水晶センサーなどを提供しております。
[半導体]
民生機器・車載向けなどにCMOS LSIなどを提供しております。
[その他]
電子部品などの原材料として使用されるさまざまな高機能金属粉末の開発、製造、販売などを行っております。また、幅広い産業分野向けに高付加価値の表面処理加工を提供しております。
<PC事業>
当事業では、国内市場において子会社を通じてPCなどの販売を行っております。

経営成績

2022年3月 2023年3月 2024年3月
売上高 1,128,914 1,330,331 1,313,998
営業利益 94,479 97,044 57,533
単位:百万円

財政状態

2024年3月
親会社所有者帰属持分比率 57.39%

セグメント情報

売上高構成比 セグメント利益率
プリンティングソリューションズ事業 70% 10%
ビジュアルコミュニケーション事業 17% 15%
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業 13% -1%

設備投資(抜粋)

当連結会計年度の設備投資については、重点戦略分野へ経営資源を集中し、将来の事業の育成と今後の成長の実現に向けて、新製品対応や生産能力増強のほか、環境投資、自動化・合理化・維持更新などを中心に設備投資を実施しました。また、安定的な資金創出の観点から、引き続き投資の厳選と既存設備の効率的な活用などにも取り組みました。

この結果、当連結会計年度における設備投資総額(有形固定資産およびソフトウェア)は700億円となりました。なお、生産能力に重要な影響を及ぼす設備の売却、撤去などはありません。
セグメントごとの設備投資の概要は、次のとおりです。

(プリンティングソリューションズ事業セグメント)
プリンターなどの新製品対応、生産能力増強、環境投資および自動化・合理化・維持更新などに係る投資を行った結果、当連結会計年度の設備投資金額は441億円となりました。

(ビジュアルコミュニケーション事業セグメント)
液晶プロジェクターなどの新製品対応、生産能力増強および合理化・維持更新などに係る投資を行った結果、当連結会計年度の設備投資金額は60億円となりました。

(マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメント)
産業用ロボット、ウオッチ、水晶デバイス、半導体などの新製品対応、生産能力増強、環境投資および自動化・合理化・維持更新などに係る投資を行った結果、当連結会計年度の設備投資金額は123億円となりました。

(その他および全社)
研究開発体制強化、環境投資およびグローバル経営データベース化・システム統一化などに係る投資を行った結果、当連結会計年度の設備投資金額は75億円となりました。

■セグメント別設備投資額
・プリンティングソリューションズ事業 441億円
・ビジュアルコミュニケーション事業 60億円
・マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業 123億円
・その他および全社 75億円
・合計 700億円

2022年3月 2023年3月 2024年3月
設備投資 48,200 78,300 70,000
減価償却費及び償却費 64,595 68,696 68,682
単位:百万円

研究開発(抜粋)

(1)研究開発の考え方と体制

エプソンは創業以来、「省・小・精の技術」に代表される優れた技術を持ち、それをどう社会に役立てていくか、という考え方で価値を提供してきました。そして長期ビジョン「Epson 25 Renewed」では、社会課題を起点とし、解決にはどんな技術が必要かを考える技術開発へシフトしました。

技術開発において最善の開発シナリオをつくるうえで、顧客価値や事業性などを加味してエプソンの実力を客観的に評価し、その結果、生じたありたい姿とのギャップを分析します。現状把握のなかで、「クリアできなければ企画が成り立たない課題」をボトルネックとして抽出し、解消策を考えながら、目的達成に向け複数のシナリオを準備する手法に取り組んでいます。複数シナリオの考え方は、開発に成功した際の成果がもっとも大きく見込め、最優先で取り組むべきものをプランAとしながらも、QCDいずれかの達成レベルは下がるが、実現の障害が軽減され主目的を達成できるものをプランB、Cとしてあらかじめ考え、商品化・事業化にたどり着くための近道として同時に想定します。ボトルネック解消の具体策は、社外パートナーとの共創・協業も含め検討しています。

共創については、技術開発における重要なファクターとし、開発の初期段階となる試行錯誤のプロセスから多くの知見ある方々の参画により、検証精度を高めていくという「開発のフロントローディング化」を進めています。これにより、課題を解決するサイクルを早く回して開発の質を高めることで、商品化・事業化までのスピードアップを図っています。

エプソンは、研究開発を経営基盤強化の取り組みのひとつとして位置付け、イノベーションを実現するための基盤技術、コア技術、製品技術の進化を推し進めています。なかでも今後はものづくり力に加え、材料、AI、デジタル技術の強化により、事業強化や新規事業創出のための技術基盤の構築を進めます。主に各事業における製品の競争力向上などの製品開発やコア技術開発を事業部開発部門で行い、複数事業にわたる基盤技術や、長期に取り組む必要がある新規技術、新領域に対応するためのコア技術開発を本社開発部門で行うなど、役割分担を明確にしながら連携し取り組んでいます。

エプソンは、技術開発を通じた社会課題の解決を目指し、新しい発想や、やり方に果敢にチャレンジしていきます。

(2)研究開発費

当連結会計年度の研究開発費総額は442億円であり、売上収益の3.4%にあたります。各セグメントの内訳は、プリンティングソリューションズ事業が166億円、ビジュアルコミュニケーション事業が65億円、マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業が68億円、その他および全社が142億円です。なお、その他および全社の研究開発費には、事業強化や新規事業創出のための技術基盤の構築に必要な研究開発などを含みます。

■セグメント別研究開発費
・プリンティングソリューションズ事業 166億円
・ビジュアルコミュニケーション事業 65億円
・マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業 68億円
・その他および全社 142億円
・合計 442億円

(3)セグメント別の研究開発の目的および成果

①プリンティングソリューションズ事業セグメント

<オフィス・ホームプリンティングイノベーション>

当領域は、インクジェット技術・紙再生技術とオープンなソリューションにより、環境負荷低減・生産性向上を実現し、分散化に対応した印刷の進化を主導することを目指しています。そのために、エプソン独自のインクジェット技術「Heat-Free Technology」による商品ラインアップの拡大、ソリューションの提供を進め、環境性能の訴求によるレーザープリンターからインクジェットプリンターへのテクノロジーシフトの実現に取り組んでいます。

ソリューション提供の具体事例として、学習塾向けICTコンテンツを運営販売する株式会社スタディラボとのオープンイノベーションにより、家庭学習もサポートする塾向け学習支援サービス「StudyOne(スタディワン)」を開発し、2023年4月より正式販売を開始しました。「StudyOne」は、同社のLMS(※1)と、エプソンの遠隔印刷・スキャン技術を組み合わせ、デジタルと紙を融合させた家庭学習をデザインできるサービスです。子ども部屋と学習塾をつなぎ、紙教材の課題提出までのやりとりをLMSによって記録することで、先生が生徒の学習過程全体を把握でき、生徒一人一人に合わせた学習指導を行う環境を提供します。

また、商品ではデザインも機能も一新したA4ドキュメントスキャナーを発売しました。「DS-C480W」「DS-C420W」は、限られたスペースでも効率的に電子化したいというニーズに応え、Uターンとストレートの2Way給紙を採用し、省スペースでの使用と高い用紙対応力を実現しました。コンパクトな本体に30枚/分の高速スキャン(※2)や、5GHz対応のWi-FiⓇを搭載し、プライベートやテレワークでの個人利用はもちろん、狭いデスクや受付カウンターでの日々の電子化業務を支援します。

※1 学習管理システム(Learning Management System)

※2 読み取り速度はエプソン自社基準測定値であり、使用環境・方法によって異なる。測定条件は下記参照

  https://www.epson.jp/products/scanner/sokudo_jyouken.htm

<商業・産業プリンティングイノベーション>

当領域は、インクジェット技術と多様なソリューションにより、印刷のデジタル化を主導し、環境負荷低減・生産性向上の実現を目指しています。そのために、多様なメディア・素材への印刷を実現するインクジェット技術のポテンシャルを引き出し、商業・産業印刷のデジタル化を後押しするとともに、分散印刷を支援するクラウドサービス「Epson Cloud Solution PORT」を通じて印刷業務における生産性向上のサポートに取り組んでいます。

このような商業・産業印刷におけるイノベーションの実現に向け、顔料によるデジタルプリントで生産現場に新たな価値をお届けするデジタル捺染機Monna Lisaシリーズの新商品「ML-13000」を発売しました。本商品はプリント工程で必要な箇所のみに機能性インクを吐出するため、別工程での前処理が不要となります。そのため、プリントしない箇所の風合いを損ねず、生地全体の風合いを生かして仕上げることができます。さらに、使用する顔料インクは染料プリントで必要とされる「蒸し」「洗い」工程が不要のため、水の使用量を大幅に削減することができ、サステナブルなプリントプロセスにより環境負荷低減に貢献します。

また、布製品への直接印刷とフィルムへの印刷(Direct to Film)の両方に対応したハイブリッドタイプのガーメントプリンター「SC-F1050」、アクリル板やプラスチック、ゴルフボールなどのさまざまな素材にプリントが可能なUVインク搭載プリンター「SC-V1050」も発売しました。加えて、プリンターの色あわせをサポートするエプソン初の自動測色テーブル「SD10ACRT」も同時発売しており、エプソンの測色器「SD-10」と合わせて使うことでカラーチャートの自動測色からプロファイル作成までを誰でも簡単に行うことができます。

②ビジュアルコミュニケーション事業セグメント

<ビジュアルイノベーション>

当領域は、感動の映像体験と快適なビジュアルコミュニケーションで人・モノ・情報・サービスをつなぎ、「学び・働き・暮らし」を支援することを目指しています。そのために、高画質な大画面を実現するレーザー光源採用の高輝度プロジェクターの開発や、スマート化により使用環境・用途・シーンを拡大する設置性の高いホームプロジェクターの開発に取り組んでいます。

このような方針のもと、超短焦点壁掛け対応モデルプロジェクター「EB-810E」「EB-770F」「EB-760W」を発売しました。レーザー光源採用により、くっきり鮮やかな映像投写を実現したほか、壁掛け設置ならほぼ真上から投写するため、投写面の近くに人が立っても影ができにくく、投写光が目に入り眩しく感じることがありません。さらに、ランプ交換が不要なため導入後もコストや手間がかかりません。

ホームプロジェクターでは、4K(※3)相当の高画質映像を楽しめる「EH-LS650B」「EH-LS650W」を発売しました。超短焦点レンズの採用により、壁際に置くだけで最大120インチの大画面の投影が可能です。また、Android TVTM機能搭載(※4)により、Wi-FiⓇの接続環境があればこれ一台で有料/無料の動画配信サービスを大画面で楽しめます。

※3 4K信号を入力し、4Kエンハンスメントテクノロジーによる4K相当の高画質で表示

※4 NetflixはオプションのAndroid TVTM端末「ELPAP12」や市販のメディアストリーミング端末を装着することで視聴可能

③マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメント

<マニュファクチャリングイノベーション>

当領域は、環境負荷に配慮した「生産性・柔軟性が高い生産システム」を共創し、ものづくりを革新することを目指しています。今後の事業拡大を見据えた生産基盤強化に向けて、国内のロボット工場を富士見事業所に拡大移転し、ロボットを用いた工場の自動化を実現しました。当工場は技術検証の場としても活用し、エプソンのロボット製品の利用価値を進化させていきます。

この方針のもと、主力商品である産業用スカラロボット「GXシリーズ」のラインアップを一新しました。新商品「GX4/GX8/GX10/GX20」は、ロボットアームに超小型ジャイロセンサーを搭載し、動作中に生じるアームの振動を抑え、高速移動でも指定ポイントでピタッと止まる正確な制動能力を兼ね備えています。力覚センサーシステムにも対応し、高速性が求められる搬送作業だけでなく、今まで人手に頼っていた、ねじ締めや、押し圧検査などの精度が求められる難作業にも対応します。また、ロボットの安全規格である「ISO10218-1」に適合し、第三者認証機関から「NRTL認証」(※5)を取得しました。これにより、ロボットをより安全・安心にお使いいただけるとともに、エンドユーザーによるロボット装置としての安全認証取得が容易になります。

※5 NRTLはアメリカ労働安全衛生局(OSHA)によって承認された第三者認証機関。本シリーズはその認証機関の一つである「TUV SUD」により安全規格適合を認証

<ライフスタイルイノベーション>

当領域は、匠の技能、センシング技術を活用したソリューションを共創し、お客様の多様なライフスタイルを彩ることを目指しています。ウオッチ分野では、感性に訴えるデザイン・高品質な商品を、お値打ち感ある価格で提供すること、センシング分野では、センシング技術や分析アルゴリズムを活用した新たなソリューションの共創に取り組んでいます。

センシング分野では、エプソンがマテリアリティの一つとして掲げた「生活の質向上」の価値創造戦略として、「パーソナライズされた健康支援」に取り組んでいます。当期は、株式会社バンダイとのオープンイノベーションにより、同社の子ども向け超体感型スマートシューズ「DIGICALIZED」(デジカライズ)の専用アプリケーション向けに、人の動作やモノの動きをセンシングして捉えるM-TracerテクノロジーのモーションアルゴリズムSDK「M-Tracer for Motion SDK」のライセンス提供を開始しました。本SDKをアプリケーションに組み込むことにより、モーションセンサーから取得した足の動きのデータを解析・判定し、ゲームに必要となる動態変容をリアルタイムに提供します。

<マイクロデバイス>

当領域は、「省・小・精の技術」を極めた水晶と半導体の技術融合の強みを生かし、タイミングデバイス、半導体、センサーにより、成長が著しい高速・大容量通信インフラ、IoT社会、およびモビリティ社会など、スマート化する社会の実現に貢献する商品開発に取り組んでいます。

水晶発振器分野では、エプソン独自の差動出力(※6)「Wide Amplitude LVDS(WA-LVDS)」を開発しました。デジタル化が進み、通信機器への要求性能がますます高度化する中、使用されるLSIに適した差動出力の要求はさらに強まることが予想されます。本商品では、LSIが求める振幅レベルに最適な出力をフレキシブルに選択することが可能となりました。なお、本商品を搭載した水晶発振器は2025年度の商品化を目指しています。

半導体分野では、ブザー音声機能、音声データ用フラッシュメモリー、内蔵発振回路を搭載した音声再生専用LSI「S1V3F351/S1V3F352」を開発しました。近年では音声機能を備えた家電などの機器の普及や、健康機器、オフィスビル、工場においても音声による警報・案内の活用が進んでいます。そのような中、本商品はエプソンが独自開発した音声アルゴリズムにより、ブザーでの音声・メロディー再生を実現しました。お客様の既存製品に、本商品をシリアルインターフェイス接続するだけで、簡単に音声再生機能の組み込みが可能となります。

※6 互いに極性が反対の周波数信号を出力する方式。高い周波数の伝送が可能で、ノイズに強いなどの特長がある

④その他および全社

当領域は、各事業セグメントに共通する生産技術分野の技術開発や、DX基盤を強化するための技術開発、事業強化のための技術基盤となる基礎研究、新事業に関連する研究開発などに取り組んでいます。

全社的な取り組みとして、「環境ビジョン2050」の実現に向け環境技術開発を行っており、そのひとつが独自技術「ドライファイバーテクノロジー」の紙以外の素材への応用です。2023年8月には「セイコーエプソン×東北大学 サスティナブル材料共創研究所」を開設し、古紙・衣類・木材を解繊した繊維を活用し、複合化したバイオプラスチック・再生プラスチックに関する技術確立に向け、開発体制を強化し研究を加速しています。

また、世界的に高まる再生繊維のニーズに応えるため、ドライファイバーテクノロジーを応用した繊維再生の社会実装を目指しています。2024年1月には、香港を拠点とし、繊維・衣類・ファッション産業に向けて革新的なソリューションを開発しているHKRITA(※7)と共同開発に関する契約を締結しました。エプソンの持つ技術と同社の持つ技術や市場知力を組合せ、新しい繊維リサイクルソリューションの実現を目指します。このソリューションにより、従来は再繊維化が困難だった機能性衣類や、シーツ、ワイシャツなどの高密度繊維についても、工場の端材・売れ残った衣料品・不要となった衣類から新たな再生繊維を作り出すことが可能となり、再生繊維の普及加速に大きく貢献することができます。エプソンは早期に技術確立を行い、社会実装を目指します。

※7 The Hong Kong Research Institute of Textiles and Apparel Limited(香港繊維アパレル研究開発セン

ター)

2022年3月 2023年3月 2024年3月
研究開発 46,083 44,357 44,286
売上対比 4.1% 3.3% 3.4%
単位:百万円

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