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EIZO(株)

事業内容(抜粋)

2024年3月31日現在の当社グループ(当社及び当社のグループ会社、以下同じ)は18社(国内:7社、海外:11社)で構成し、映像機器及びその関連製品を開発・生産し、国内外のあらゆる市場向けに、お客様のニーズに対応する機能を搭載した高品質・高信頼性の映像環境ソリューションを提供しております。

<B&P(Business & Plus)市場向け>

金融機関、公共機関、文教施設、一般オフィス、ホームオフィス等、様々な用途向けに提供する製品です。高品質・高信頼性などの基本性能に加え、優れたTCO(導入、維持管理を含む全ての使用期間にかかるコスト)パフォーマンスを提供するとともに、国内外の各種規格への対応、CO₂排出抑制に貢献する低消費電力設計、軽量化構造やリサイクル材を使用するなど業界最先端レベルの環境性能を実現しております。また長時間でも快適に作業できるよう疲れ目抑制の画面輝度自動設定機能や画面の反射抑制などエルゴノミクスを追求しております。このように、環境にも使う人にもやさしい製品であり、当社製品すべての基本となるものです。

<ヘルスケア市場向け>

レントゲンやCT等の医用画像を表示する診断用途から、検査装置の画面や手術室及び内視鏡用モニターソリューション等の治療・処置用途まで、様々な医療環境に求められる画質及び性能を実現した映像機器です。またこれらに加え、術野カメラ、映像記録・配信システム、映像操作ソフトウェア、さらにはネットワーク配線やサービスを含めた総合的な映像環境ソリューションを提案しております。これらの「撮影、記録、配信、表示」までを一貫して担い、多種多様なデータ(患者情報、画像・映像等)を同時に共有可能にし、医療従事者が安全・安心に医療に取組める映像環境を提供しております。

<クリエイティブワーク市場向け>

高い色再現性が求められる出版・印刷・デザイン・写真編集等の静止画制作や、よりリアルな見え方が求められる映画・アニメーション・放送等の映像制作向けの映像機器です。また、制作からリファレンスまでのワークフロー全体を通して「正しい色」を守りかつ同じ色のイメージを共有可能にするカラーマネージメントソフトウェア等のソリューションを提供しております。

<V&S(Vertical & Specific)市場向け>

航空管制、船舶、監視、ディフェンス等、多様な業種・用途向けに、また様々な環境下で使用可能な映像機器です。それぞれの用途において、高い視認性、防塵・防滴等の過酷な使用環境にも耐えうる信頼性や表示性能等の映像技術を備えております。これまで培ってきた映像技術とノウハウを活かし、多品種少量生産・柔軟なカスタム対応・長期安定供給・安心の長期保守等のあらゆるニーズに応えております。

<アミューズメント市場向け>

主にパチンコ・パチスロ遊技機(以下「遊技機」という。)に搭載される液晶モニターであり、当社グループにおける映像機器の設計・製造技術とアミューズメントソフトウェア制作技術を融合した製品です。当社はハードウェアとソフトウェアを一体で供給できるメーカーとして、ユーザーの嗜好の変化に的確に対応するとともに、最先端のハードウェアと高度なグラフィックス技術を駆使した製品の開発を行っております。

<その他>

主にアミューズメント用ソフトウェアの受託開発や、保守サービスが含まれております。

経営成績

2022年3月 2023年3月 2024年3月
売上高 86,789 80,849 80,471
営業利益 11,299 5,002 3,908
単位:百万円

財政状態

2023年3月
自己資本比率 78.5%

セグメント情報

売上高構成比 セグメント利益率
B&P 19%
ヘルスケア 46%
クリエイティブワーク 7%
V&S 12%
アミューズメント 8%
その他 7%

設備投資(抜粋)

当連結会計年度においては、総額2,390百万円の投資を行いました。

主なものとしては、電子回路基板を製造する国内子会社において生産能力増強・生産性向上を目的とした生産設備に456百万円を投資しました。また、新製品対応のための生産設備に301百万円、金型やその他生産設備等に558百万円を投資しました。

その他、開発期間の短縮や効率的な研究開発を目的とした設備等に125百万円、生産性向上のための社内システム等に313百万円、社内設備の更新等に637百万円を投資しました。

2022年3月 2023年3月 2024年3月
設備投資 3,033 3,163 2,390
減価償却費 2,233 2,316 2,672
単位:百万円

研究開発(抜粋)

開発体制としましては、日本、ドイツ、米国及び中国に有する開発拠点各々が企画・製造・販売部門と連携しており、市場ニーズに合致した製品をタイムリーに投入できる体制を構築しております。

当連結会計年度の主な研究開発活動は、次のとおりです。

[B&P(Business & Plus)]

27型及び 31.5型液晶モニター「FlexScan EV2740X」「FlexScan EV3240X」を開発しました。USB Type-C接続でのドッキングステーション機能によりノートPCユースでの利便性向上を図ると共に、両モデルとも4K解像度の広いワークスペースを提供し、フリーアドレスやテレワーク、ハイブリッドワークなど近年の多様化した働き方それぞれに使いやすい製品としています。

また、筐体デザインを刷新し、スタンド形状を丸形からU字型に変更する事で机上を広々と使えるようにしました。さらに内部構造を見直す事で、筐体サイズを大きく変更せずスピーカー性能の向上を図り、Web会議等での利便性を向上させました。

[ヘルスケア]

8メガピクセル対応の30.5型医用画像表示カラーモニター「RadiForce MX317W」を開発しました。遠隔読影やホームリーディングの普及に期待が高まる中、当社医用モニターとして初めて、入力端子にUSB Type-Cを搭載し、ホームリーディング環境の構築を容易にしました。また、前機種より高いコントラスト比を実現し、白浮きを抑えた引き締まった黒色を表示可能としています。

[V&S(Vertical & Specific)]

産業市場向けに、ビデオカメラ、レーザー測定器など、さまざまな機器を搭載可能な屋内用の雲台「DuraVision PT-LAN51」を開発しました。自社で開発・生産・販売するEIZO初の遠隔から制御できるリモート雲台です。遠隔操作のニーズに応えるため、簡易機構の雲台では難しい高速・高精度操作を実現し、水平方向、垂直方向に広範囲な首振りを可能としました。

ソフトウェアでは「DuraVision 画像鮮明化ソフトウェア」を開発しました。EIZO独自の画像鮮明化技術を用いることによって見えにくい・判別しにくい動画・静止画ファイルから見やすく加工したファイルの生成が可能です。H.264、MPEG2、HEVCのファイルの入出力が可能で、フォーマット変換だけでなく、フレームレート変換、アスペクト変換などにも対応しました。

公益財団法人 日本財団が推進する無人運航船プロジェクトMEGURI2040における「無人運航船の社会実装に向けた技術開発助成プログラム」の第2ステージとなる、Designing the Future of Fully Autonomous Ships Plusコンソーシアム(DFFAS+)のメンバーとして参加しています。当社の撮影・伝送・記録・表示を担う製品群によって構成される「Imaging Chain」から、DFFAS+参加各社との共創活動を通じて、自律運航システムを実現する技術開発を推進し、社会実装に向けた実用化・製品化を目指します。

また、日立建機株式会社との協創で、3D映像表示技術を用いた建機の遠隔操作ソリューションを開発しました。ヘルスケア市場の内視鏡手術で求められる奥行き感と立体感を忠実に再現する3D映像技術に加え、独自のリアルタイム画像処理やカメラ映像のネットワーク伝送技術の開発など、建機の遠隔操作における多くの領域で当社技術が活用されています。本ソリューションは、自然災害時の早期復旧や建機操縦者不足などの社会課題への対応に貢献します。

[クリエイティブワーク]

映像制作市場向けの新機能「Pixel Inspection」を開発しました。モニター画面上で指定した座標の色情報を取得できる機能で、映像制作環境における接続ミスや設定ミスによる手戻り防止に貢献します。

また、カラーマネージメント液晶モニターColorEdge専用のカラーマネージメントソフトウェア「ColorNavigator 7」において、「ColorNavigator API」を提供しました。これを活用することで、ユーザーは、外部ソフトウェアやシステムからColorNavigator 7の各種機能と連携し、ColorEdgeを制御するプログラムを開発することができます。これにより、クリエイターは、手間なく正しい設定で制作を進めることができ、さらに効率のよいカラーマネージメント環境の構築を実現できます。

[サステナビリティ]

環境に配慮した製品づくりのため脱プラスチックの取組強化として、中型製品にて実施していた梱包材への再生紙素材の採用を大型製品(RadiForce MX317W)にまで拡大しました。また、更なる環境負荷低減の取組として、FlexScan EVシリーズの11機種に対して、集合梱包仕様を展開しました。これにより、輸送時の積載効率の向上と使用する梱包材の削減が可能となり、より一層の環境負荷低減が可能となりました。製品での再生プラスチックの使用についても、FlexScanシリーズでの使用率を最大で82%に向上させました。

当連結会計年度の研究開発活動に要した費用は、前連結会計年度と比べ171百万円増加し、6,314百万円となりました。

2022年3月 2023年3月 2024年3月
研究開発 5,834 6,142 6,314
売上対比 6.7% 7.6% 7.8%
単位:百万円

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