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アース製薬(株)

事業内容(抜粋)

当社グループは、当社、子会社19社(うち連結子会社12社)により構成され、家庭用品事業と総合環境衛生事業を展開しております。また、当社のその他の関係会社として、持株会社である大塚ホールディングス㈱があり、同企業グループは医療関連、ニュートラシューティカルズ関連(注)、消費者関連及びその他(倉庫・運送業、液晶・分光事業及び化学薬品等)の事業活動を展開しております。
当社グループの事業の内容と、当社と主な関係会社との事業上の位置付けは、次のとおりであります。なお、これらは報告セグメントと同一の区分であります。
(注) ニュートラシューティカルズとは、栄養「nutrition」+薬「pharmaceuticals」の造語であり、科学的根拠をもとに開発された医薬部外品や機能性食品及び栄養補助食品等を取り扱う事業を表したものです。

[家庭用品事業]
当社は虫ケア用品の他、口腔衛生用品・入浴剤をはじめとする日用品の製造販売を行っております。また、日用品のうち、入れ歯洗浄剤・安定剤、歯ブラシ、歯磨き剤の一部については仕入販売を行っております。
連結子会社においては、㈱バスクリンは入浴剤・育毛剤などの日用品の製造販売、白元アース㈱は衣類用防虫剤・マスクなどの日用品の製造販売、Earth (Thailand) Co.,Ltd.はタイ国内及び周辺国における虫ケア用品及び日用品の製造販売、天津阿斯化学有限公司及び安速日用化学(蘇州)有限公司は虫ケア用品及び日用品の製造販売、安斯(上海)投資有限公司は中国国内における虫ケア用品及び日用品の販売、Earth Corporation Vietnamは住居用洗剤などの日用品及び虫ケア用品の製造及び輸出並びにベトナム国内における販売、EARTH HOME PRODUCTS (MALAYSIA) SDN.BHD.は虫ケア用品及び日用品の輸入並びにマレーシア国内における販売、EARTH HOMECARE PRODUCTS (PHILIPPINES), INC.は日用品及び虫ケア用品の輸入並びにフィリピン国内における販売、アース・ペット㈱はペットケア用品・ペットフードなどの製造販売、ペットフード工房㈱はペットフードの製造販売をそれぞれ行っております。
●虫ケア用品部門
・医薬品(アースレッド)
・ハエ・蚊用(アースノーマット、おすだけノーマット、アース渦巻香、アースジェット)
・ゴキブリ用(ごきぶりホイホイ、ゴキジェットプロ、ブラックキャップ、おすだけアースレッド無煙プッシュ)
・ダニ・不快害虫用(ダニがホイホイ、ダニアース、アリの巣コロリ、アリアースW、虫コロリアース、コバエがホイホイ、ゼロデナイト、ハチアブマグナムジェット、クモの巣消滅ジェット)
・虫よけ用品(サラテクト、アース虫よけネットEX、マモルーム)
・ネズミ駆除(ネズミホイホイ、強力デスモア、デスモアプロ)
・園芸用品(アースガーデンシリーズ)
●日用品部門(口腔衛生用品)
・洗口液(モンダミン、モンダミンプレミアムケア)
・入れ歯関連用品(ポリデント、ポリグリップ)
・歯ブラシ、歯磨き剤(シュミテクト、アクアフレッシュ)
●日用品部門(入浴剤)
・入浴剤(バスロマン、バスクリン、バスラボ、いい湯旅立ち、薬用ソフレ、保湿入浴液ウルモア、日本の名湯、露天湯めぐり、きき湯、温泡、あわっぴー、BARTH)
●日用品部門(その他日用品)
・消臭芳香剤(スッキーリ!、DEOSH)
・衣類用防虫剤(ミセスロイド、ピレパラアース、パラゾール、防虫力おくだけ、natuvo)
・除湿剤(ドライ&ドライUP)
・保冷剤・冷却剤(アイスノン)
・住居関連(エアコン洗浄スプレー、お風呂カビーヌ、アルコール除菌EX、バブルーンシリーズ)
・衛生関連(快適ガード、アレルブロック、N.act)
・介護用品(ヘルパータスケ)
・薬用育毛剤(モウガ、髪姫、インセント、モルティ)
●ペット用品・その他製商品部門
・ペット用虫ケア用品、ペット用アクセサリー用品、ペットフード、健康食品、防疫・農林畜産薬剤、海外向け原材料など

[総合環境衛生事業]
アース環境サービス㈱は、食品関連、医薬品関連及びそれらに関連する包材の工場や医療機関などを主な対象として、総合環境衛生管理業務及び環境衛生に関するコンサルティングを主業務としております。その他にもレストラン、オフィスビル等幅広い分野で防虫・防鼠、清掃、消毒の環境衛生管理のサービスを行っております。 
― 提供するサービスの内容 ―
1.工場・病院・各種大規模建造物等の総合環境衛生管理
2.殺菌施工・防黴施工、及び防除管理業務
3.ゴキブリ・鼠族等害虫害獣駆除、及び防除管理業務
4.建設業務・ビルメンテナンス業務
5.空調機・給排水系、及び建物内外の特殊清掃
6.環境清浄度調査・評価
7.各種異物検定・微生物の培養検定業務
8.GMP・HACCP・BRC食品規格コンサルティング業務
9.FSSC・ISO・SQF構築サポート
10.JFS規格適合証明事業
11.工場設計・工事・コンサルティング業務
12.製造模擬施設や教育訓練用施設の活用も含む衛生に関する教育訓練、及び実地訓練
13.警備業・労働者派遣事業
14.衛生に関わる商品販売

経営成績

2021年12月 2022年12月 2023年12月
売上高 203,785 152,339 158,344
営業利益 10,667 7,434 6,370
単位:百万円

財政状態

2023年12月
自己資本比率 50.3%

セグメント情報

売上高構成比 セグメント利益率
家庭用品事業 82% 3%
総合環境衛生事業 18% 5%

設備投資(抜粋)

当社グループは主に生産設備の増強、研究開発機能の充実・強化などを目的とした設備投資を継続的に実施しております。

当連結会計年度の設備投資の総額は6,473百万円(工事ベース)であり、セグメントごとの設備投資について示すと、次のとおりであります。

(1) 家庭用品事業
当連結会計年度の主な設備投資は、当社の基幹システムの更新と入浴剤『温泡』生産ラインなどの生産設備、金型及び研究機器等の購入で、総額6,287百万円の設備投資を実施しました。

(2) 総合環境衛生事業
当連結会計年度の主な設備投資は、事務所の改修と検査及び施工機器の購入、社内システムの改修費用で、総額185百万円の設備投資を実施しました。

2021年12月 2022年12月 2023年12月
設備投資 2,928 5,883 6,473
減価償却費 3,536 3,852 4,118
単位:百万円

研究開発(抜粋)

当社グループは「生命と暮らしに寄り添い、地球との共生を実現する。」を経営理念に、めまぐるしく変わる国内外の市場環境や消費者志向に対応すべく、常に「お客様目線」に立ってニーズを発掘する姿勢、提供のタイミングを逃さない開発スピードを念頭におき、クオリティの高い安全な高付加価値製品を創造しております。

当連結会計年度における当社グループの研究開発費は3,301百万円でありました。

報告セグメント別の研究開発活動は以下のとおりであります。

(1) 家庭用品事業
① 基本方針
当事業では、お客様の生活空間の質向上を目的に、基礎的な研究を充実させ、お客様目線を第一に、独創的で高品質な製品を他社に先駆けて、提供することを目指しております。

この方針のもと、お客様や小売店様からの要望、国内外の市場動向、技術動向などに関する情報の入手・調査・分析を行い、スピーディに、新製品開発および既存製品の改良に取り組んでおります。

② 虫ケア用品にかかる研究
ハエ・蚊・ゴキブリ・ダニ・ノミ・マダニ・シラミなど健康被害を及ぼす衛生害虫や、アリ・ハチ・ムカデなどの不快害虫の駆除あるいは忌避を目的とした虫ケア用品の研究開発を行っております。近年の傾向として、特定害虫専用の駆除剤、忌避・予防製品、殺虫成分を含まない製品、さらには使用時の不快感を取り除くため、香りを重視した製品の需要が高まっており、これら特定製品のニーズの高まりにも応えるべく取り組んでおります。

当連結会計年度の主な研究成果は以下のとおりであります。

生活様式の変化に伴い、冬でも暖かな環境で害虫を見かけるということから「テネベナール®」を有効成分とした『ゼロノナイト』シリーズの展開としてくん煙タイプで部屋全体のゴキブリ・トコジラミを駆除できる『ゼロノナイトG』を発売、また、秋にはプッシュ式のダニ対策製品の『ゼロノナイトダニ用』を発売し、一年に一度という新たな虫ケア対策としてご提案しています。

また、予防として昨年から展開している『マモルーム』シリーズに新たに『マモルーム ゴキブリ用』を発売いたしました。秋季にリリースすることで、一年を通じた害虫対策の重要性を訴求しています。

人体用虫よけの『サラテクト』シリーズとして、ミスト化粧水のような使い心地を追求し、手で塗り広げずに成分がムラなくしっかりと肌に密着することで虫よけ効果を増大させた『サラテクトふわタッチミスト』を発売しました。消費者が虫よけ製品を使用する際のストレスを軽減し、より快適に過ごせるようにすることで、生活の質の向上に貢献しています。

③ 日用品にかかる研究
お客様の健康や、居間・浴室・トイレ・キッチンなどの居住空間の質向上に役立つ製品の提供を目指し、口腔衛生用品、入浴剤、消臭芳香剤、防虫剤、住居関連用品、ネズミ用駆除剤、脱臭・消臭剤、育毛剤、ペット用品などの研究開発を行っております。

当連結会計年度の主な研究成果は以下のとおりであります。

住居用洗浄剤の事業においては、「毎日の暮らしを楽に、ハッピーにする」ことを目指した製品開発を行っています。家事のなかでも、お風呂掃除が面倒だと感じる方が多いという事実から、新たに『らくハピ くるくるバブルーン お風呂まるごと』を開発しました。本品に採用された360度回転する「くるくるノズル」により、浴槽にムラなく一気に泡を広げ、楽しく短時間でお風呂掃除を行うことができます。

㈱バスクリンは、開発者が温泉地を訪れて湯質を深く研究し、その情緒を表現した『日本の名湯』シリーズを販売しています。同シリーズの新たなラインナップとして、微細発泡でにごり湯を再現した『夢ごこち』を発売しました。包み込まれるような心地よい泡により、ゆったりした入浴時間を過ごすことができます。

白元アース㈱は、ホテル品質の消臭・除菌スプレー『清水香』シリーズから、『ノンスメル清水香 衣類のしわとりプラス』を発売しました。消臭・除菌・ウイルス除去に加え、しわ取りの機能が付与されており、これ一本で、気になる衣類のニオイだけでなく、しわとりの煩わしさも解消できます。

アース・ペット㈱は、家族の一員であるペットとの快適な暮らしを実現するため、さまざまなケア用品を開発しています。使いやすい指サック型ウェットシート製品の拡充を進め、歯垢の除去効果を高めた『エブリデント 指サック de 歯みがきプラス』、手軽にボディケアができる『JOYPET 指サック de 目のまわり キレイ』『JOYPET 指サック de 耳の中まで キレイ』を発売しました。

④ 園芸用品にかかる研究
虫ケア用品で培ってきた技術やノウハウを活かし、“安全”、“優れた効果”、“使いやすい”、“わかりやすい”を基本理念に、園芸愛好家の方から初心者の方まで幅広くご使用いただける園芸用品の研究開発を行っております。

当連結会計年度の主な研究成果は以下のとおりであります。

我々は消費者の悩みを解消し、より手軽に家庭園芸を楽しめる製品の開発に取り組んでいます。農薬は特定の植物にしか使えない商品が多く、栽培している植物の種類によっては複数の商品を使い分ける必要がありました。そこで、約300種類の粒タイプ、約510種類のスプレータイプと、幅広い野菜・花・観葉植物に使用することができる『アースガーデン 植物つよし 粒タイプ』、『アースガーデン 植物つよし1000mℓ』を発売しました。

また、消費者の農薬や除草剤に対する不安を解消するため、これまでに天然成分を用いた『ロハピ』や『おうちの草コロリ』を展開し、多くのご支持をいただいております。これらの製品の利便性をさらに高めるため、詰め替え用の『アースガーデン ロハピ エコパック850 mℓ』を発売し、無駄なごみの発生を抑制しました。さらに、天然成分を用いた除草剤『おうちの草コロリ』シリーズに、持続力のある『アースガーデン おうちの草コロリ 粒タイプ900g』『アースガーデン おうちの草コロリ 粒タイプ3kg』を追加しました。これらの製品開発を通じて、我々は消費者の家庭園芸における快適さと環境への配慮を両立することを目指しています。

当連結会計年度における家庭用品事業の研究開発費は3,159百万円となりました。

(2) 総合環境衛生事業
① 検査・同定にかかる研究
当事業では、契約先からの各種検査・同定や異物検査要請に正確かつ迅速に対処するために、彩都総合研究所内の分析センター西日本ラボ(大阪府茨木市)と分析センター東日本ラボ(千葉県鎌ヶ谷市)、および晴海分室を設置しております。

それぞれの分析センターでは、契約先の製造環境(施設・設備、機械・器具、空調、使用水、作業員)や原料・製品などの微生物検査、混入異物(動・植物性異物、有機化合物、無機化合物)の目視検定、機器(FT-IR、蛍光X線分析装置)による化学的分析、比較検査を併用した同定、遺伝子を用いた昆虫・微生物の同定、昆虫の加熱履歴判別を行う凍結切片法(カタラーゼ代替)へのAI技術の導入、微生物検査報告をスピードアップするための迅速検査法の本格導入を行っております。また、契約先の品質管理担当者や検査員を対象とした教育訓練、お客様ごとにオリジナルプロトコールを作成した上での異物混入・微生物汚染に関する受託試験も行っております。

② 調査・施工等にかかる研究
調査技術・調査機器・施工技術などの研究開発は、研究開発センター、分析センター(彩都総合研究所)、学術部、技術部が相互に連携を取りながら行っております。捕虫、殺虫、調査装置についての新技術の開発、ホルマリン代替法としての各種殺菌・消毒に関する技術構築、MA-Tを活用した除菌システムの確立に取り組んでおります。

また、社内のみならず、公的機関及び大学、民間企業など社外との共同研究開発にも積極的に取り組んでおります。

③ 今後の方針
各企業では衛生管理への積極的な取り組みが行われているものの、依然として製品への異物混入や微生物による汚染は起こっており、検査や同定の依頼や対策のニーズも高い状態にあります。契約先の顧客満足度を向上させるためには、検査精度の充実及び危害物質による汚染や異物混入を防止するための技術開発が重要と考え、ISO17025(試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項を規定した国際標準規格)の維持と更なる精度管理の強化、産官学との連携の強化及び分析機器や社内システムのレベルアップについて更なる推進を図ってまいります。

また、彩都総合研究所では既存技術の改良やニュービジネス及び新技術の確立、科学的根拠に繋がる基礎データの蓄積と解析評価の実現に加え、時代に合わせた教育支援のニーズにも応えられるよう、独自性の高い研修サービスを拡充してまいります。

当連結会計年度における総合環境衛生事業の研究開発費は141百万円となりました。

2021年12月 2022年12月 2023年12月
研究開発 3,172 3,217 3,301
売上対比 1.6% 2.1% 2.1%
単位:百万円

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