カシオ計算機(株)
事業内容(抜粋)
当グループ(当社及び当社の関係会社…以下同じ)は、当社、連結子会社37社及び持分法適用関連会社1社により構成され、時計、コンシューマ、システム、その他の分野において、開発・生産から販売・サービスにわたる事業活動を展開しております。
当グループの各事業に係る位置づけは次のとおりであります。
開発については、基礎研究開発、新製品開発、新生産技術開発は主に当社が担当し、生産技術の開発は、主として生産関係会社が行っております。
生産については、生産関係会社が主要部品を当社から支給を受け、一部自己調達部品をもって製品組立加工を行い、それぞれ当社に供給する経営形態をとっております。
製品セグメント別の主要製品及び主要生産関係会社は次のとおりであります。
<時計>
●主要製品
ウオッチ、クロック 等
●主要生産関係会社
山形カシオ株式会社
Casio Computer(Hong Kong)Ltd.
カシオ電子(深圳)有限公司
カシオ電子(韶関)有限公司
Casio(Thailand)Co.,Ltd.
<コンシューマ>
●主要製品
電子辞書、電卓
電子文具、電子楽器 等
●主要生産関係会社
山形カシオ株式会社
Casio Computer(Hong Kong)Ltd.
カシオ電子科技(中山)有限公司
Casio(Thailand)Co.,Ltd.
<システム>
●主要製品
ハンディターミナル
電子レジスター
経営支援システム 等
●主要生産関係会社
山形カシオ株式会社
<その他>
●主要製品
成形部品、金型 等
●主要生産関係会社
山形カシオ株式会社
当グループの販売関係会社は複数のセグメントに跨る製品を販売しているため、販売については、国内・海外に区分し、上記セグメント及び主要製品に関連づけて記載しております。
国内販売については、時計及びコンシューマ製品は、主として当社が小売店、代理店を通して販売しております。また、システム製品は販売関係会社、代理店を通じて販売し、一部得意先は、当社が直接販売を行っております。
海外販売については、北米地域はCasio America, Inc.等、欧州地域はCasio Europe GmbH等、アジア地域ではカシオ(中国)貿易有限公司、Casio Singapore Pte.,Ltd.等、その他の地域においては主として代理店を設け、直接輸出または間接輸出を行っております。
サービスについては、主としてカシオテクノ株式会社及び販売関係会社が当グループ製品の保守サービスを行っております。
経営成績
2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | |
---|---|---|---|
売上高 | 252,322 | 263,831 | 268,828 |
営業利益 | 22,011 | 18,164 | 14,208 |
財政状態
2024年3月 | |
---|---|
自己資本比率 | 66.1% |
セグメント情報
売上高構成比 | セグメント利益率 | |
---|---|---|
時計 | 62% | 13% |
コンシューマ | 31% | 2% |
システム | 5% | -20% |
その他 | 2% | 1% |
設備投資(抜粋)
当グループ(当社及び連結子会社…以下同じ)は、当連結会計年度において、新製品対応及び生産能力増強のための生産設備を中心に、技術研究開発の投資を含め、当グループ全体で総額4,666百万円の設備投資を行いました。
セグメントごとの内訳については、時計2,387百万円、コンシューマ1,889百万円、システム122百万円、その他193百万円であります。また全社部門(当社の開発部門、管理部門)では、研究開発及び情報技術関連の設備等75百万円の設備投資を行いました。
2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | |
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設備投資 | 4,878 | 4,567 | 4,666 |
減価償却費 | 11,392 | 10,962 | 11,855 |
研究開発(抜粋)
当グループ(当社及び連結子会社)は、「創造 貢献」を経営理念に掲げ、独創的な製品の開発を通じて社会に貢献することを目指し、積極的な研究開発活動を行っております。
研究開発体制は、当連結会計年度においては、要素技術から製品・サービスの開発までを一貫して行うべく、開発本部と技術本部を統合して開発本部としました。開発本部傘下には、コア技術の研究開発と事業デザインを推進する事業イノベーションセンターを新設しています。一方、新規事業の早期立ち上げのため、NBセンター(New Businessセンター)を新たに設置しました。
なお、当連結会計年度における研究開発費は4,873百万円であり、セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
(時計)
当セグメントに係る研究開発費は1,800百万円であり、主な成果は次のとおりであります。
◎ 深層硬化処理による高硬度ステンレスを採用した“G-SHOCK”
耐衝撃ウオッチ“G-SHOCK”の40周年記念モデルの一つとして、高硬度のステンレスを採用した『RECRYSTALLIZED SERIES(リクリスタライズド シリーズ)』を開発しました。
本シリーズの「GMW-B5000PS/GMW-B5000PG」は、ベゼルやバンドなどステンレスの外装パーツの表面層にガスを浸透させて硬質層を生成することで、素材自体を固くする深層硬化処理を施しました。これにより、通常のステンレスの約3倍の硬度を実現しています。さらに、ステンレスに熱処理を加えて再結晶化させることで、マットな質感の表面に細かいメタルの破片を散りばめたような結晶模様がランダムに浮かび上がり、一点ごとに模様や色調、光沢感が異なる仕上げとなっています。
◎ 左右非対称なフォルムを多数のパーツ構成で上質に仕上げたダイバーズ仕様の“MR-G”
耐衝撃ウオッチ“G-SHOCK”の最上位シリーズ“MR-G(エムアールジー)”の新製品として、ダイバーズ仕様の“FROGMAN(フロッグマン)”の左右非対称なフォルムを採用した「MRG-BF1000R」を開発しました。
新製品は、フルメタルで特徴的なフォルムを実現するため、多数に分割したチタンのパーツそれぞれを研磨してから緻密に組み上げ、細部まで美しい質感に仕上げています。一方で、フッ素ラバー製の緩衝体を挟んだパーツをケースの外側に配置し、耐衝撃性を強化しています。また、裏蓋にはサファイアクリスタルを圧入したスクリューバックを採用し、ダイバーズウオッチに必要な気密性を確保しながら電波時計の受信感度を確保しました。
機能面では、ダイブモードでの潜水時間計測の際に、時分針が重なって1本の針のようになり、潜水時間の経過を分かりやすく表示するなど、使い勝手を向上させています。
(コンシューマ)
当セグメントに係る研究開発費は1,682百万円であり、主な成果は次のとおりであります。
◎ グランドピアノのような臨場感あふれる演奏表現を実現した電子ピアノ
高品質な音色と演奏感を追求する電子ピアノ“CELVIANO(セルヴィアーノ)”の新製品として、新しい音響システムでグランドピアノのような豊かな響きを実現するとともに、自分の演奏を確認できる新機能を搭載した「AP-750」を開発しました。
新音響システムは、従来の2チャンネル4スピーカーを4チャンネル8スピーカーにしたほか、音の通り道や反射させる部材を内部に設けた新たな構造を採用し、臨場感のある自然な音の空間を創り出します。加えて、上位モデルで好評を得ている「AiR Grand音源」の採用や、ハンマーアクションと独自のデジタル制御技術を融合させてタッチ感を向上させた鍵盤など、よりグランドピアノに近い演奏表現を可能にしました。
新しい機能としては、前面パネルに「ビジュアルインフォメーションバー」を搭載。パネル上のライトが光ることで鍵盤やペダルの動き、メトロノームなどが可視化されるので、演奏中の癖など、自分の課題を見つけることができます。
◎ 高精細ヘッドで細かい文字やロゴがはっきりと印刷できるラベルライター
ラベルライター“NAME LAND”の新製品として、高精細ヘッド搭載で細かい文字やロゴが綺麗にはっきりと印刷できる最上位機種“NAME LAND BiZ+(ネームランド ビズプラス)”の「KL-LE900」を開発しました。
「KL-LE900」は、高精細な400dpiヘッドを搭載し、幅広のラベル(最大46mm幅)にサイズの大きい文字を印字しても周囲がギザギザにならず、滑らかで綺麗な文字やロゴを印刷することができます。また、最速40mm/秒の高速印刷やハーフカット機能付きオートカッターを搭載しているほか、キーボードレスの設計によりPC・スマホから簡単にラベルを作成することが可能です。
(システム)
当セグメントに係る研究開発費は400百万円であります。
(その他)
当セグメントに係る研究開発費は4百万円であります。
上記以外にセグメントに関連づけられない基礎研究に係る研究開発費は987百万円であります。
2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | |
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研究開発 | 6,207 | 5,272 | 4,873 |
売上対比 | 2.5% | 2.0% | 1.8% |