アルプスアルパイン(株)
事業内容(抜粋)
当社グループは、当社、子会社56社及び関連会社36社より構成され、コンポーネント事業、センサー・コミュニケーション事業、モジュール・システム事業、その他の4事業区分に関係する事業を行っています。
主な製品及び事業の内容は以下のとおりです。
・コンポーネント事業(スイッチ類、アクチュエーター、ハプティック®等)
・センサー・コミュニケーション事業(センサー、通信デバイス等)
・モジュール・システム事業(車載モジュール、情報通信機器(インフォテインメント、ディスプレイ)、サウンド等)
・その他(システムの開発、オフィスサービス、金融・リース事業等)
経営成績
2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | |
---|---|---|---|
売上高 | 802,854 | 933,114 | 964,090 |
営業利益 | 35,208 | 33,595 | 19,711 |
財政状態
2024年3月 | |
---|---|
自己資本比率 | 51.9% |
セグメント情報
売上高構成比 | セグメント利益率 | |
---|---|---|
コンポーネント事業 | 32% | 7% |
センサ・コミュニケーション事業 | 9% | -2% |
モジュール・システム事業 | 58% | 0% |
その他 | 2% | 6% |
設備投資(抜粋)
当社グループ(当社及び連結子会社)では、顧客の皆様に満足いただける品質の確保と原価低減などを目的としてコンポーネント事業、センサー・コミュニケーション事業及びモジュール・システム事業を中心に総額55,665百万円の設備投資を実施しました。
当連結会計年度におけるセグメント別の設備投資の状況については、次のとおりです。
なお、有形固定資産の他、無形固定資産への投資を含めて記載し、セグメント別の設備投資の額にはセグメント間の内部利益額を含んでいます。
(1)コンポーネント事業
当事業においては、当社を中心に新製品の開発・合理化・増産等を目的として投資を行っています。当連結会計年度はスイッチ類、アクチュエーター、ハプティック®等の電子部品の開発や製造設備への投資を行いました。
当事業における設備投資の額は18,339百万円です。
(2)センサー・コミュニケーション事業
当事業においては、当社を中心に新製品の開発・合理化・増産等を目的として投資を行っています。当連結会計年度はセンサー、通信デバイス等の電子部品の開発や製造設備への投資を行いました。
当事業における設備投資の額は6,503百万円です。
(3)モジュール・システム事業
当事業においては、当社を中心に新製品の開発・合理化・増産等を目的として投資を行っています。当連結会計年度は車載モジュール、情報通信機器(インフォテインメント、ディスプレイ)、サウンド等の製品の開発や製造設備への投資を行いました。
当事業における設備投資の額は29,448百万円です。
2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | |
---|---|---|---|
設備投資 | 53,010 | 50,774 | 55,665 |
減価償却費 | 45,705 | 46,836 | 41,464 |
研究開発(抜粋)
当社グループ(当社及び連結子会社)は、「アルプスアルパインは人と地球に喜ばれる新たな価値を創造します」を全ての礎に、事業活動を通じて持続可能な社会の発展に貢献することを目指しています。
「Right(最適な)、Unique(独自性)、Green(環境にやさしい)」を兼ね備えた、「美しい電子部品を究める」ことを事業の根幹とし、70年の歴史の中で育んだ当社グループ独自のコア技術を最大限に活かし、「感動・安全・環境」の事業領域にて新しい価値を創造しています。
当社グループの研究開発費の総額は32,959百万円です。
(1)コンポーネント事業
「Perfecting the Art of Electronics」を事業の根幹とし、基盤事業として育んできた当社独自のコア技術と、実績に裏付けされた高い生産技術力と品質を強みに新しい製品と価値を創出し、継続的な事業拡大を目指します。
コンシューマーや車載市場の既存事業に対しては、業界トップの品揃えと高い品質・生産力による優位性を活かし高シェアを維持するとともに、開発・生産体制の最適化に取り組み市場における競争力確保と収益性の向上を図ります。
また車載市場においては、電気自動車の拡大や自動運転技術等の進化により新たに期待される地域ごとのニーズにタイムリーに応えるために、グローバルでの開発体制を強化していきます。アミューズメント市場においてはジョイスティックなどの入力デバイスやハプティック®でのシェア拡大を図りながら、次世代デバイスに求められる製品の研究・開発に積極的に投資をしていきます。アクチュエーターについては従来のスマートフォン向けビジネスの拡充と収益性改善の取り組みを強化しながら、SMA(Shape Memory Alloy)技術を用いた新しい製品・用途向けのアクチュエーター開発に積極的に取り組み、長期的な技術優位性並びに市場競争力の確保を目指します。
コンポーネント事業に係わる研究開発費は6,805百万円です。
(2)センサー・コミュニケーション事業
センシング・高周波技術による「安心空間・見守り」の実現、カーボンニュートラル社会に貢献するデバイスの創出、高位置精度技術磨き上げと通信の融合などによる新価値提供を目指してきました。高度化が進む自動車産業や産業機器市場において、安全・安心・快適を実現するために必要となる各種センシングは予防安全の領域でそのニーズが高まっています。
当社は強みである無線規格のオーソリティー、高周波とシステム融合提案、システムレベルの知識と経験を活かし、ミリ波とカメラを組み合わせたデジタルキャビンシステム構築による価値提案や、ミリ波センサーシステムの各市場への価値提案を行っています。
環境問題への世界各国の取り組みや支援策の拡大に伴い、脱炭素社会の実現に向けて、ガソリン車・ディーゼル車から電気自動車にシフトする動きが加速しており、将来的には電気自動車が主力となることが見込まれています。電気自動車のモーター駆動制御や回生電流の直流変換制御、バッテリーの充放電電流検出などに使用される電流センサーは、制御用部品として重要な役割を担っています。当社の電流センサーは、当社コア技術である磁気センシング技術を応用した独自のGMR(Giant Magneto Resistance)方式を採用しており、コアレス構造による大電流対応と小型軽量化を同時に実現しています。今後も、更なる低背化、高精度化の追求をしていきます。
予防安全とセーフティー事業への転換に向けて、車両安全運転支援技術の一つ、C-V2X(Cellular based Vehicle to X)の市場投入、ミリ波センサーを用いた子供置き去り検知システムの市場展開、高周波センシング技術とソフトウェアを融合させたセキュアで便利なスマートフォンによるエントリーシステムやリモートパーキングシステムの開発も進めてきました。また、IoT分野では物流資材遠隔監視システムによる輸送エネルギーの削減やモビリティーデータを活用したオンデマンド型ドライブレコーダーによる地域・社会課題の解決に向けた幅広い分野における新たなサービスの創出に取り組んでいます。
当事業は、保有するセンシング・高周波・静電・ソフトウェアの技術融合による製品や、低燃費・小型・軽量化に貢献する製品、更にデバイス+ソフトウェア+クラウドによるIoTソリューションの提供を通じて顧客の期待に応えていきます。事業面においてはリカーリングビジネスの早期拡大のため、社内にデータソリューションカンパニーを設立し、顧客ニーズの早期入手・提案を行い、将来に向けた事業領域の拡大を目指しています。
センサー・コミュニケーション事業に係わる研究開発費は7,071百万円です。
(3)モジュール・システム事業
従来は、モジュール製品、ディスプレイ製品、サウンド製品、インフォテインメント製品など一つ一つの製品・分野について完成度を高めることに注力をしてきました。現在は、市場の動向や、アルプスアルパインの総合力を生かし、デジタルキャビンソリューションによる空間価値創出に向けて製品開発を進めています。具体的には2026年納入開始で受注している統合ディスプレイオーディオ(IVI+METER)、プレミアムサウンド製品、そして2030年には更なる製品の統合を行い、キャビンコントローラー(IVI+METER+BODY+ADAS)、ドアコントロールモジュールなどを開発していきます。開発に当たっては、当社グループだけでなく、大学や研究機関、他社と協業することで、それぞれが持つ技術・製品力を持ち寄り、シナジー効果を目指します。
このような複合化された高付加価値の製品を生み出し、今までの製品群から移行していくことで、収益性の強化につなげ、事業の良質化を図っていきます。
モジュール・システム事業に係わる研究開発費は18,861百万円です。
2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | |
---|---|---|---|
研究開発 | 30,688 | 31,910 | 32,959 |
売上対比 | 3.8% | 3.4% | 3.4% |