投資運用について知りたい記事をキーワードから探せます

AGC(株)

事業内容(抜粋)

当社及び当社の子会社(以下、「当社グループ」という。)並びに当社の関連会社は、当社、子会社214社及び関連会社27社により構成され、その主な事業内容は次のとおりであります。

・建築ガラス(フロート板ガラス、型板ガラス、網入り磨板ガラス、Low-E(低放射)ガラス、装飾ガラス、建築用加工ガラス(断熱・遮熱複層ガラス、防災・防犯ガラス、防・耐火ガラス等)等)
・オートモーティブ(自動車用ガラス、車載ディスプレイ用カバーガラス等)
・電子(液晶用ガラス基板、有機EL用ガラス基板、ディスプレイ用特殊ガラス、ディスプレイ用周辺部材、半導体プロセス用部材、オプトエレクトロニクス用部材、プリント基板材料、理化学用製品等)
・化学品(塩化ビニル、塩化ビニル原料、苛性ソーダ、ウレタン原料、フッ素樹脂、ガス、溶剤、ヨウ素製品等)
・ライフサイエンス(合成医農薬中間体・原体、バイオ医薬品等)

上記製品の他、当社グループは、セラミックス製品、物流・金融サービス等も扱っています。

経営成績

2021年12月 2022年12月 2023年12月
売上高 1,697,383 2,035,874 2,019,254
事業利益 210,247 57,206 128,277
単位:百万円

財政状態

2023年12月
親会社所有者帰属持分比率 49.34%

セグメント情報

売上高構成比 セグメント利益率
建築ガラス 24% 7%
オートモーティブ 25% 4%
電子 15% 6%
化学品 28% 11%
ライフサイエンス 6% -10%
セラミックス・その他 2% 4%

設備投資(抜粋)

当社グループにおける当連結会計年度の設備投資は、グループ全体で231,715百万円となりました。セグメント別の概要は以下のとおりです。

 建築ガラスにおいては、24,701百万円の設備投資を実施しました。

 オートモーティブにおいては、26,250百万円の設備投資を実施しました。

 電子においては、中国における液晶用ガラス基板製造設備の増強、日本におけるEUV露光用フォトマスクブランクス製造設備の増強等で51,438百万円の設備投資を実施しました。

 化学品においては、東南アジアにおけるクロールアルカリ製品製造設備の増強、日本におけるフッ素関連製品製造設備の増強等で87,720百万円の設備投資を実施しました。

 ライフサイエンスにおいては、欧州における合成医薬・バイオ医薬品製造設備の増強、日本における合成医農薬製造設備の増強等で39,870百万円の設備投資を実施しました。

 これらの設備投資の所要資金は、自己資金、借入金及びコマーシャル・ペーパーの発行により賄いました。

2021年12月 2022年12月 2023年12月
設備投資 216,503 236,553 231,715
減価償却費及び償却費 166,756 185,656 175,346
単位:百万円

研究開発(抜粋)

当社グループは長期経営戦略「2030年のありたい姿」として、「独自の素材・ソリューションの提供を通じてサステナブルな社会の実現に貢献すると共に継続的に成長・進化する」を目標として掲げました。また、この確実な達成に向けて策定した中期経営計画 AGC plus-2023 では、「両利きの経営によるコア事業の強化と戦略事業の推進」と、「サステナビリティ経営の推進」「DXの加速による競争力の強化」という戦略を示しました。

 これを受けて技術開発においては、「両利きの開発」「オープンイノベーション」「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の三本柱による戦略のもと、「コア事業の強化と戦略事業の推進」と「サステナブルな社会の実現」という主要な課題解決に挑んでいます。

〇両利きの開発

 「右利きの開発」とは、①既存の生産・基盤技術を革新し、②お客様と共に新商品を開発で、お客様に密着し、そのニーズにお応えする形での開発であり、現状の課題をもとに改善策を積み上げていくようなフォアキャスティングのアプローチです。生産性の改善や新商品開発を通じた既存コア事業の強化につながる技術開発です。

 一方、③既存の生産・基盤技術を再定義し、新しい市場を開拓するのが「左利きの開発」で、こちらは、将来起こりえる大きな時代の変化を予測し、新事業を創出することで、その変化の波を乗り越えていくようなバックキャスティングのアプローチです。モビリティ、エレクトロニクス、ライフサイエンスなど戦略事業の領域での新事業の創出につながる技術開発です。

 この2つはどちらも重要であり、「右利きの開発」によって既存事業の競争力を高めながら、「左利きの開発」で未来を創ることにより、当社グループは成長・進化していきます。この両方のバランスをとることが「両利きの開発」を進める要諦となります。

〇オープンイノベーション

 近年は社会の変化が加速し、社会課題も複雑さを増しています。お客様のニーズも高度化、多様化しているため、当社単独での開発では課題解決が難しくなりつつあり、外部パートナーとのオープンイノベーションによる協創活動が重要となっています。

 当社では、2軸でのオープンイノベーションを進めています。1つは大学をはじめとするアカデミアやスタートアップ企業などとの協創で、革新的な技術や当社に無い技術を開発することです。東京大学や東京工業大学、名古屋大学などと共同研究を進め、難しい課題に挑んでいます。

 こうして得られた新規技術やソリューションを活用して、お客様であるリーディングカンパニーと新たな商品を開発するのが2つ目のオープンイノベーションです。近年の事例では、大手通信会社である株式会社NTTドコモとの共同開発が挙げられます。都市部では移動通信アンテナを設置する場所の確保が課題となっていますが、既存の窓ガラスの室内側から取り付け可能なガラスアンテナ「WAVEATTOCH®(ウェーブアトッチ)」を開発し、都心のビル窓をアンテナ化しました。

 2020年には、AGC横浜テクニカルセンター(YTC)内に新研究棟を新設し、従来2拠点に分かれていた開発機能を統合して、材料開発、プロセス開発から設備技術開発までをシームレスにつなぐ体制を整えました。また、新研究棟にはオープンイノベーションを加速する場として、協創空間「AO(アオ/AGC OPEN SQUARE)」を設けました。AOは「つなぐ」「発想する」「ためす」をコンセプトに、社外のパートナーとの協創の場を用意しています。

 さらに北米、欧州、中国、及び東南アジアに駐在員を配置し、海外大学や研究機関等への積極的な情報収集活動を行うとともに、当社グループとのシナジーが期待できる技術を保有するベンチャー企業の探索を行っています。

〇デジタルトランスフォーメーション(DX)

 材料開発や組成開発に計算科学や情報科学を用いることで、素材開発を大幅に効率化するマテリアルズ・インフォマティクス(MI)が注目されています。当社でも早くからMIに取り組み、ガラス開発や環境対応型フッ素系溶剤AMOLEA®の開発などに活用してきました。しかし、これまでは実験データの保管形式が統一されていないなど、幅広い分野でMIを本格活用することが難しい状況でした。そこで当社は、統合化された実験データ保管プラットフォームをMI活用の重要な基盤と捉え、開発業務向けに電子実験ノートの機能を併せ持つMIデータベースシステム「AGC R&D Data Input & Storage(ARDIS)」及びMI専用分析ツール「AGC Materials Informatics Basis Analysis Tool (AMIBA)」を開発しました。また、量子計算、分子シミュレーション計算などの計算科学を支援する内製ソフトの活用により、実験と理論計算を連動したMI による材料開発を進めることが可能となりました。

 このように、ガラス、化学やバイオといった様々な技術分野において、データ入力からデータ分析までを一貫して実行できる開発環境が整い、あらゆる開発ステージで現象の理解や特性予測が進み、技術開発の効率化を加速しています。

 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は57,342百万円でした。当連結会計年度における各事業部門別の研究開発課題と研究成果及び研究開発費は次のとおりです。

(1) コーポレート

 コーポレートが担当している研究開発には、技術プラットフォームの強化拡大を目指した長期的・基礎的な研究開発と、新規事業の創出を目指した研究開発があります。また上記の戦略に基づいた全社的研究開発体制の構築もコーポレートが策定・調整しています。コーポレートが担当しているテーマとしては、高度な解析技術などの共通基盤技術の開発、既存事業及び新事業に資する材料技術の開発等があります。

 当連結会計年度における、コーポレートの研究開発費は20,105百万円でした。

(2) 建築ガラス

 当事業の研究開発部門では、板ガラスに関する商品設計や新技術開発、生産技術開発を行っています。また、省エネ効果の高い建築用ガラスに関する技術開発を行っています。

 当連結会計年度における、当事業部門に係る研究開発費は3,901百万円でした。

(3) オートモーティブ

 当事業の研究開発部門では、自動車用ガラスに関する商品設計や新技術開発、生産技術開発を行っています。

 当連結会計年度における、当事業部門に係る研究開発費は6,022百万円でした。

(4) 電子

 当事業の研究開発部門では、ガラス溶解・成形・研磨・検査などの生産技術開発に注力しています。さらに、その他にも多岐にわたる研究開発テーマがあり、主に半導体製造装置用部材、ディスプレイ関連部材、光電子部材等に関する新商品・新技術・生産技術の開発を行っています。

 当連結会計年度における、当事業部門に係る研究開発費は11,634百万円でした。

(5) 化学品

 当事業の研究開発部門では、フッ素化学、高分子化学、無機化学、電気化学などの基盤技術を生かした新商品・新技術の開発を行っています。特に、環境に配慮した製品やプロセスの開発に注力しています。

 当連結会計年度における、当事業部門に係る研究開発費は9,982百万円でした。

(6) ライフサイエンス

 当事業の研究開発部門では、医農薬中間体・原体やバイオ分野といったライフサイエンス関連の新商品・新技術の開発を行っています。

 当連結会計年度における、当事業部門に係る研究開発費は1,112百万円でした。

(7) セラミックス・その他

 上記以外の事業部門における当連結会計年度の研究開発費は4,583百万円でした。

2021年12月 2022年12月 2023年12月
研究開発 49,444 52,252 57,342
売上対比 2.9% 2.6% 2.8%
単位:百万円

従業員の状況(抜粋)

提出会社の状況

2021年12月 2022年12月 2023年12月
従業員数 7,223名 7,412名 7,753名
平均年齢 43.4歳 43.3歳 43.2歳
平均勤続年数 17.9年 17.6年 17.2年
平均年間給与 8,004,019円 8,258,654円 8,637,726円

連結会社の状況

2021年12月 2022年12月 2023年12月
従業員数 55,999名 57,609名 56,724名
1人あたり売上高 30.3百万円 35.3百万円 35.6百万円

SNSに投稿


ご利用上の注意

  • 当社サイトは定期的に更新されますが、全ての情報についての最新性は保証いたしかねます。