投資運用について知りたい記事をキーワードから探せます

ニデック(株)

事業内容(抜粋)

当社グループ(当社、連結子会社345社、持分法適用関連会社4社を中心に構成)は、精密小型モータ、車載用製品、家電・商業・産業用製品、機器装置、電子・光学部品等の製造・販売を主な事業内容としております。

<SPMS>
●主要製品
HDD用モータ及びその他小型モータ
●主要な会社
当社、ニデックモータ(香港)有限公司、ニデック(上海)国際貿易有限公司、ニデックエレクトロニクスタイランド㈱、ニデックモータ(東莞)有限公司、ニデックCCI股份有限公司、ニデックベトナム㈱

<AMEC>
●主要製品
車載用製品
●主要な会社
ニデック自動車モータ(浙江)有限公司、ニデックモーターズアンドアクチュエーターズドイツ㈲、ニデック(上海)国際貿易有限公司、ニデックGPM GmbH、ニデックモータ(大連)有限公司、ニデック自動車モータ・アメリカ合同会社、ニデックモーターズアンドアクチュエーターズポーランド㈲

<MOEN>
●主要製品
家電・商業・産業用製品
●主要な会社
ニデックホールディングアメリカ㈱、Nidec ASI㈱、Nidec Control Techniques Limited

<ACIM>
●主要製品
家電・商業・産業用製品
●主要な会社
ニデックグローバル・アプライアンス・ブラジル社

<ニデックインスツルメンツ>
●主要製品
機器装置、車載用製品、電子部品及びその他小型モータ
●主要な会社
ニデックインスツルメンツ㈱

<ニデックテクノモータ>
●主要製品
家電・商業・産業用製品
●主要な会社
ニデックテクノモータ㈱、ニデックテクノモータ(浙江)有限公司

<ニデックモビリティ>
●主要製品
車載用製品
●主要な会社
ニデックモビリティ㈱

<機械事業本部>
●主要製品
機器装置
●主要な会社
ニデックドライブテクノロジー㈱、ニデックミンスター㈱、ニデックマシンツール㈱

<ニデックアドバンステクノロジー>
●主要製品
機器装置
●主要な会社
ニデックアドバンステクノロジー㈱

<その他>
●主要製品
車載用製品、機器装置、電子部品及びその他小型モータ、その他
●主要な会社
ニデックパワートレインシステムズ㈱、ニデックコンポーネンツ㈱、ニデックパワートレインシステムズ(ベトナム)会社、ニデックグローバルサービス㈱、ニデックプレシジョン㈱、ニデックアドバンスドモータ㈱

経営成績

2022年3月 2023年3月 2024年3月
売上高 1,918,174 2,242,824 2,347,159
営業利益 171,487 100,081 162,799
単位:百万円

財政状態

2024年3月
親会社所有者帰属持分比率 51.6%

セグメント情報

売上高構成比 セグメント利益率
SPMS 14% 8%
AMEC 14% -16%
MOEN 20% 13%
ACIM 18% 10%
ニデックインスツルメンツ 6% 10%
ニデックテクノモータ 3% 13%
ニデックモビリティ 6% 9%
機械事業本部 9% 14%
ニデックアドバンステクノロジー 2% 23%
その他 8% 12%

設備投資(抜粋)

当連結会計年度中の設備投資の総額は112,049百万円となりました。主なものは、海外子会社の生産能力増強のための投資であります。

セグメント別の設備投資額は、以下のとおりであります。

・SPMS 9,288百万円
・AMEC 27,994百万円
・MOEN 7,190百万円
・ACIM 19,840百万円
・ニデックインスツルメンツ 5,559百万円
・ニデックテクノモータ 3,891百万円
・ニデックモビリティ 5,403百万円
・機械事業本部 14,161百万円
・ニデックアドバンステクノロジー 2,019百万円
・その他、全社 16,703百万円
・合計 112,049百万円

2022年3月 2023年3月 2024年3月
設備投資 98,580 137,814 112,049
有形固定資産減価償却費 87,279 99,768 109,666
単位:百万円

研究開発(抜粋)

当社は研究開発活動の長期的主眼を「社会の脱炭素化に寄与するモータの高効率化」と「省資源を促進するモータの小型・軽量化」に置くと共に、基幹部品同士の最適な擦り合わせを通じた機能(モジュール)単位の付加価値創出を追求しております。急変する社会ニーズと当社の持続的成長を確実にリンクさせる研究・開発組織間の技術融合が体制面の重要テーマであります。

注目している市場トレンドは脱炭素化、省電力化、省人化、5Gやサーマルソリューション、デジタルデータ爆発といった5つの分野であります。いずれも二酸化炭素排出量の削減やデータ量の増大、高齢化と労働不足への対処といった世界的社会課題を背景に生まれた新たなニーズであり、当社の技術的蓄積が活かせる有望市場として経営資源を集中的に投下していく計画であります。2020年に入り世界的脅威へと発展した新型コロナウイルスの感染拡大はこうした市場の志向性を決定づける分水嶺となり、市場構造の変化をもたらしております。省人化・自動化の急速な進展は自動車やドローン等に使用される駆動技術の要求水準を厳格化させ、テレワークの普及拡大と定着を背景とするデータ通信量の増大は、サーバ用途のHDD用モータや冷却モジュールの需要を押し上げると同時にデジタル家電等の多様化を促す要因になります。加えて、5G通信の普及がインフラ面から新技術の実効性を担保します。

また、昨今の地政学リスクやサプライチェーンの混乱を背景に原材料価格が高騰していることから、主要原材料の入手可能性に関わる中長期的リスクの軽減を念頭に置いた製品設計の抜本的見直しを図っております。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は81,055百万円であります。また、無形資産に計上された内部開発費は、10,763百万円であります。

なお、各事業本部内に設置している開発部門のほか、各セグメントに帰属しない「全社(共通)」として、ニデック新川崎テクノロジーセンター、ニデック製品技術研究所台湾センターにおいて将来の会社事業に必要なモータ全般の要素技術研究を行っており、グローバル技術開発戦略の中核となる電子回路技術、熱、騒音/振動技術、制御等の要素技術研究の一層の高度化を推進しております。また、ニデックけいはんなテクノロジーセンターにおいては、ロボットやIoTを利用したスマートファクトリーの実現、新素材や新システムの開発、検査技術革新、データ解析、シミュレーション等、既存の製造方法の枠にとらわれない生産技術の進化に主軸を置く研究開発を行っております。これらの研究所ではそれぞれの開発部門と多様化する国内外グループ会社間の技術シナジーを推進し、成長を促進させてまいります。

当連結会計年度に係る研究開発費は6,027百万円であります。

セグメント別の研究開発活動の状況及び研究開発費の金額は次のとおりであります。

(1)SPMS
当セグメントにおいては、精密小型DCモータ及びファンモータ等、精密小型モータ全般にわたる基礎及び応用研究、新製品の研究開発及び各拠点の技術的支援研究を行っております。主な研究開発の内容は次のとおりであります。

ファンモータについては、従来HDD用モータに採用してきたFDB技術をファンモータへ応用した新モデルの開発を行っております。更に、サーバー水冷モジュール、空調ヒートポンプ等の熱ソリューション技術や、小型EV用、電動バイク用、電動自転車用モータ等といったモビリティソリューション分野の開発も行っており、水冷モジュール及びドローン用モータについてはタイの工場で量産立ち上げに移行しております。

当連結会計年度に係る研究開発費は15,884百万円であります。

(2)AMEC
当セグメントにおいては、脱炭素社会の実現に貢献する電気自動車(EV)向けの駆動用をはじめとする各種車載用モータ等に関する新製品及び新機種量産化、製品の品質向上を目的とした研究開発を行っております。主な研究開発の内容は次のとおりであります。

車載用モータについては、電気自動車(EV)向けの駆動用モータの開発を強化しております。原材料の使用量を大幅に低減すると共に開発・部品調達・生産の現地化を図り、小型・軽量化を実現した第3世代EV向け駆動用モータを開発しております。また同時に、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が脱炭素社会の実現に向けて創立したグリーンイノベーション基金事業として、磁石フリーの次世代EV向け駆動用モータの開発も進めております。その他にも、小型・高性能の次世代パワーステアリング用モータ、パワーステアリング以外のアプリケーション(ブレーキ・クラッチ・シート・サンルーフ等)用のモータ及び付帯する電子制御ユニットの開発と車両熱マネージメントに使用されるポンプアクチュエータ等の開発を行っております。また最近では、電気自動車(EV)向けの駆動用モータや車載用モータを、センサー・制御装置と組み合わせたパッケージ開発を行っております。

当連結会計年度に係る研究開発費は24,097百万円であります。

(3)MOEN
当セグメントにおける主な研究開発対象は以下のとおりであります。

・電力品質安定化ソリューション

‐バッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)

‐電気自動車充電スタンド

‐再生可能エネルギー用電力品質安定化ソリューション

・産業用オートメーション

‐自動倉庫システム用搬送ロボット向け駆動機構モジュール

‐ロボットアーム向け関節モジュール

・産業用・データセンター用発電機

‐産業/商業/住宅/建設用発電機

‐通信基地局用発電機

・建機・商用車電動化装置

 ‐多目的車両(Utility Task Vehicle)、ゴルフカート用モータ・ギア・制御装置

‐大型トラクションモータ

‐マテリアルハンドリング、高所作業車用モータ・ギア・制御装置

・駆動装置

‐小型汎用ドライブ

‐ポンプ用及び空調等各種産業向けドライブ

‐インフラ用高出力ドライブ

・エレベーター

‐MRL(マシーンルームレス・エレベーター)用スリム巻上機、貨物エレベーター用ギアレス巻上機

‐制御機器及び周辺機器

‐巻上機及び制御機器のパッケージソリューション

・電気自動車関連部品

 ‐EVトラクションモータ

・その他、新市場向け開発製品

‐高高度(亜成層圏)対応機体プラットフォーム用モータ・制御装置

‐電動垂直離陸・着陸機体用モータ・制御装置

脱炭素社会の実現を目指す世界的潮流は産業界の電動化・省エネ化を急速に促し、とりわけエネルギー効率の高い産業用機器の必要性が高まっております。同時に、労働人口の不足を反映した生産自動化システムの需要も拡大しております。

こうした市場環境を背景に、現在、電力の安定化・効率的利用を可能にするバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)や、データセンター用発電機、自動倉庫用搬送ロボット、商用車両駆動用モータ等の研究開発に重点を置いております。特に脱炭素化に資する製品の開発は急速に重要度を増しており、その筆頭と言えるBESS開発の主眼は安価な電力の安定供給並びに産業設備が排出する温室効果ガスの低減にあり、再生可能エネルギーの発電、蓄電、送配電までを統合するソリューションを開発しております。また、商用車両駆動用モータの開発においては、建機・農機等大型車両から多目的車両(Utility Task Vehicle)のハイブリッド化・電動化への寄与を主軸に据えております。

当連結会計年度に係る研究開発費は4,739百万円であります。

(4)ACIM
当セグメントにおいては、主に住宅/商業・家電・産業用のモータ、コンプレッサー及び関連する電子制御装置の研究開発を行っております。主な研究開発対象は以下のとおりであります。

  ・住宅/商業用:空調設備や商業冷蔵機器に使用されるモータ、その他

  ・家電用:洗濯機、乾燥機、食洗機、コンプレッサーに使用されるモータ、及び冷蔵庫コンプレッサー

・産業用:IE3(プレミアム効率)・IE4・IE5対応モータ、及び上下水道・灌漑施設・ガス採掘に使用される各種ポンプ用モータ

同事業では特にスーパープレミアムクラス(IE4・IE5)の高効率モータの研究開発に焦点を置いており、モータによる電力消費量の低減を通じて産業設備の省エネルギー化に寄与しております。

・中型旅客機用の電気推進装置に向けた新規研究開発

当連結会計年度に係る研究開発費は8,881百万円であります。

(5)ニデックインスツルメンツ
当セグメントにおいては、メカのカラクリ技術と事業多角化の中で構築されたモータ技術、サーボ技術を融合させた「カラクリ・トロニクス」製品として、ステッピングモータ、スマートフォン・ゲーム関連、モータ駆動ユニット商品群、システム機器関連の開発を行っております。

ステッピングモータについては、車載用への展開において、小型化・高性能化・コストパフォーマンスの改善に向けた開発を行っております。また、当社独自のスマートフォン用光学手ブレ補正機能(TiltAC)、並びにゲーム機器やAR/VR用途で使われる触覚デバイスの開発を進めております。モータ駆動ユニット商品群については、車の電動化に伴う熱冷却需要を充たす車載サーマルマネージメント商材や、産業機器市場への参入を目指し、小型高出力モータ、センサー、サーボ制御、制御ソフトウエアをメカニカルユニットに融合させる商品群への展開を進めております。システム機器関連事業においては、各種カードメディアに対する周辺機器のセキュリティ強化、液晶・有機ELディスプレイ関連、半導体ロボット分野、真空装置内搬送への積極的な展開を行っております。

当連結会計年度に係る研究開発費は3,585百万円であります。

(6)ニデックテクノモータ
当セグメントにおいては、空調・家電用モータの開発を福井、京都、中国、タイで行い、産業用モータについては福岡と中国で開発を行っております。

空調・家電用モータについては、地球温暖化の影響により空調のマーケットがグローバルで拡大しつつあります。また、製品に要求される省エネ規制も年々厳しくなっており、当社が進めているDCモータの需要(市場)も拡大を続けております。

一方で、主要素材となる銅線・鋼材・樹脂材の高騰、為替の変動など様々な環境の変化に対応するため、要素技術及び生産技術の開発も進め、新たな軽薄短小モータを断続的に市場へ投入しながら事業拡大を加速しております。

当連結会計年度に係る研究開発費は1,151百万円であります。

(7)ニデックモビリティ
当セグメントにおいては、電子制御並びにモータ制御技術を軸に自動車のボディ制御事業とパワーエレクトロニクス事業を展開しており、日本・米国・カナダ・ブラジル・中国・韓国の6か国で、開発または設計機能を有しております。

ボディ制御事業では、ボディコントロールモジュール、パワーウィンドウスイッチを含むドア周辺制御ユニット、二輪車用スマートシステムなどを主に、パワーエレクトロニクス事業では、電動パワーステアリング、電動車向けDC/DCコンバータ、車載充電器などを主に開発しております。また、最近ではNIDECグループシナジーを発揮し、車載用モータを組みあわせた電動ウォーターポンプ、電動オイルポンプ、小型EV車両向けトラクションユニットの構成要素の1つであるインバータなどの技術開発とパワーパック化による商品開発も進めております。

当連結会計年度に係る研究開発費は7,772百万円であります。

(8)機械事業本部
当セグメントにおいては、機械、電気一体の技術を用いた減速機関連製品の開発を日本、中国及びドイツで行っており、プレス機関連製品については、小型高速精密プレス機から超大型サーボプレス機、更には周辺機器である高速送り装置まで幅広い製品ラインナップの開発を日本、米国、スペイン及びドイツにて行っております。工作機械関連製品については、自動車・自動車部品、金型、建設機械、電気・精密機械向けの工作機械の開発を日本で行っております。

減速機関連製品としては、精密制御用減速機であるFLEXWAVE(特に協働ロボット関節駆動用マルチセンサー内蔵の「Smart FLEXWAVE」)、ロボット用大型減速機KINEXシリーズ及び高精度な回転が必要な自動化装置向けの遊星減速機VRS高精度仕様(歯研1分仕様)を中心に研究開発活動を行っており、日本のみならずアジア・欧米の市場をターゲットとして、産業用ロボット・工作機械、自動化設備への搭載を目的とした製品開発に注力しております。

プレス機関連製品としては、EVプレスラインの中国・韓国・欧米の電気自動車駆動用モータコア等の市場に向け、コイル材供給装置の研究等を行っております。

工作機械事業については、歯車機械ではEVシフトに代表される歯車精度の高精度化・高能率化ニーズに応える為の開発を推進しています。高精度化のニーズは日本国内だけでなく中国やインド等の高成長市場においても高まっており、機械本体に加え、ソフトウエアや加工技術をセットで提供する開発を推進しております。

大型機では、門型5面加工機、レーザ加工機、金属3Dプリンタ等の研究開発を行っており、内外のお客様ニーズに対応する開発を推進しております。門型5面加工機はEVや風力発電のワーク大型化への対応を、レーザ加工機は微細穴に加え、複雑形状への対応を行っており、金属3Dプリンタは自動車や防衛市場への適用等、微細で精密ニーズに対応する研究開発を行っております。

マシニングセンタでは、高度化する加工の工程集約化や、労働人口減少による生産効率向上の要求が高まる中、5軸加工機の導入や自動化ニーズに対応する研究開発を推進し、新機種「立形5軸マシニングセンタVB-X350」を開発・上市致しました。また、機械本体にとどまらず、加工中のマシニングセンタから得られる様々なデータをパソコンに記録することができる「負荷出力機能(ロードロガー)」や、機械の消費電力をNC装置の画面に表示する機能など、ソフトウエアの開発にも注力致しました。

当連結会計年度に係る研究開発費は2,444百万円であります。

(9)ニデックアドバンステクノロジー
当セグメントにおいては、半導体パッケージ基板やプリント回路基板上に配線された電子回路の良否を判定するための検査装置の開発を行っております。

電子機器、自動車等に使用される電子デバイスの機能や性能、搭載数量は増加、多様化しており、様々な基板を正確に高速に検査できる新型検査装置の開発を行っているほか、それら検査装置に搭載する検査治具の生産効率改善、納期短縮を目的として工程自動化のための研究開発を進めております。

また、拡大するEV市場をターゲットとして、トラクション(駆動用)モータの性能試験、耐久試験を行う装置の開発、IGBTモジュールの各特性検査を常温・高温環境下において自動で行うための装置の開発も行っております。

当連結会計年度に係る研究開発費は2,121百万円であります。

(10)その他

当セグメントにおいては、車載用製品、機器装置、電子部品及びその他小型モータ等の研究開発活動を行っております。

当連結会計年度に係る研究開発費は4,354百万円であります。

2022年3月 2023年3月 2024年3月
研究開発 78,015 81,337 81,055
売上対比 4.1% 3.6% 3.5%
単位:百万円

SNSに投稿


ご利用上の注意

  • 当社サイトは定期的に更新されますが、全ての情報についての最新性は保証いたしかねます。