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ミネベアミツミ(株)

事業内容(抜粋)

当社グループは、当社及び子会社145社で構成され、プレシジョンテクノロジーズ事業、モーター・ライティング&センシング事業、セミコンダクタ&エレクトロニクス事業及びアクセスソリューションズ事業に係る製品の製造及び販売等を主な事業の内容としております。

 なお、当連結会計年度より、従来の「機械加工品事業」「電子機器事業」「ミツミ事業」「ユーシン事業」をそれぞれ「プレシジョンテクノロジーズ事業」「モーター・ライティング&センシング事業」「セミコンダクタ&エレクトロニクス事業」「アクセスソリューションズ事業」に名称変更しております。この報告セグメントの名称変更がセグメント情報に与える影響はありません。

 製品の製造は、当社及び国内子会社並びに中国、タイ、フィリピン、マレーシア、カンボジア、韓国、シンガポールなどのアジア、米国、欧州の各国に所在する子会社が各製造品目を担当しております。製品の販売は、国内においては主に当社及び国内子会社より直接販売を行っております。海外においては、中国、タイ、韓国などのアジア、米国、欧州の各国に所在する子会社及び当社の支店を通じて行っております。

 当社グループの事業に係わる位置付けは、次のとおりであります。

 なお、次の4事業は「第5 経理の状況 1 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

プレシジョンテクノロジーズ事業

主要な製品は、ボールベアリング、ロッドエンドベアリング、ハードディスク駆動装置(HDD)用ピボットアッセンブリー等のメカニカルパーツ及び航空機用ねじであります。

モーター・ライティング&センシング事業

主要な製品は、電子デバイス(液晶用バックライト等のエレクトロデバイス、センシングデバイス(計測機器)等)、HDD用スピンドルモーター、ステッピングモーター、DCモーター、ファンモーター、車載モーター及び特殊機器であります。

セミコンダクタ&エレクトロニクス事業

主要な製品は、半導体デバイス、光デバイス、機構部品、電源部品及びスマート製品であります。

アクセスソリューションズ事業

主要な製品は、キーセット、ドアラッチ、ドアハンドル等の自動車部品のほかに、産業機器用部品であります。

その他の事業

主要な製品は、ソフトウエアの設計、開発及び自社製機械であります。

経営成績

2022年3月 2023年3月 2024年3月
売上高 1,124,140 1,292,203 1,402,127
営業利益 92,136 101,522 73,536
単位:百万円

財政状態

2024年3月
親会社所有者帰属持分比率 49.7%

セグメント情報

売上高構成比 セグメント利益率
プレシジョンテクノロジーズ 15% 17%
モーター・ライティング&センシング 26% 3%
セミコンダクタ&エレクトロニクス 35% 7%
アクセスソリューションズ 23% 3%
その他 0% -10%

設備投資(抜粋)

当社グループが当連結会計年度に実施しました設備投資は、プレシジョンテクノロジーズ事業10,214百万円、モーター・ライティング&センシング事業18,818百万円、セミコンダクタ&エレクトロニクス事業31,401百万円、アクセスソリューションズ事業11,248百万円、その他の事業150百万円及び全社(共通)11,739百万円で総額83,570百万円であります。プレシジョンテクノロジーズ事業の主なものは、タイにおけるボールベアリング関連設備等であります。モーター・ライティング&センシング事業の主なものは、タイ及びカンボジアにおけるモーター関連設備等であります。セミコンダクタ&エレクトロニクス事業の主なものは、フィリピンにおける光デバイス及び日本における半導体関連設備等であります。アクセスソリューションズ事業の主なものは、欧州及び中国における自動車関連設備等であります。

 なお、設備投資金額には、無形資産2,146百万円、及びIFRS第16号「リース」適用下における新規リース契約に伴う使用権資産の増加分3,356百万円を含んでおります。

2022年3月 2023年3月 2024年3月
設備投資 73,504 147,040 83,570
減価償却費 45,231 53,133 58,359
単位:百万円

研究開発(抜粋)

当社グループは、各種ボールベアリング及びその応用部品に代表される精密機械部品、ロッドエンド&スフェリカル・ベアリング、高品質ファスナーをはじめとする航空機用部品、最先端のハードディスク駆動装置(HDD)に使用されるモーター及びピボット製品、電子機器に使用されるモーターや液晶用バックライト、照明製品、ひずみゲージ及びそれを利用したロードセルやセンサーなど各種電子部品並びにこれらの要素技術を相い合わせた相合部品・相合製品等の製造及び販売を行っております。

 当社は、日本、米国、欧州、タイ、インド及び中国に開発拠点を有し、各拠点の特徴を生かしながら相互補完を進め、新規事業に係る新製品の開発のスピードアップをはかっております。「相合」活動をより一層推進するとともに、社会的課題の解決に対して、不可欠な新製品を生み出し続けて、社会になくてはならない部品と新たな価値を創出してまいります。

 2013年に東京本部に設立した東京研究開発センターは、人材及び情報が集約される東京の利便性を最大限に生かした研究開発体制をもって、ロボティックス関連製品等への応用を視野に、モーター制御に係るソフトウェア、ハードウェア等の開発に注力しております。

 2017年に経営統合したミツミ電機株式会社とは、お互いの強みを生かした製品を生み出すべく、シナジーを意識した研究開発活動を行っております。すなわち、ミツミ電機の入力・変換・制御機器とミネベアミツミの出力機器との組み合わせにより、IoTを見据えたデバイスの拡充、複合化・高付加価値ソリューションの開発を追求し、スマート、車載、産業/ロボット向けの分野への参入を目指しております。

 2019年には株式会社ユーシンとの経営統合を果たし、研究開発分野におきましても、さまざまなシナジーの創出を目指してまいります。

 さらに、2020年4月30日に経営統合したエイブリック株式会社は、当社と相互に補完しあえるアナログ半導体製品のポートフォリオを有しており、両社の高い技術の融合により、さらなる高性能・高品質製品の開発を目指してまいります。

 2022年2月には今後発生していく新たな社会的課題を解決するエッジデバイスを支える新しい製品の開発力を強化する目的で、新たな研究開発拠点を大阪に開設いたしました。関西地区の大学、企業との協創体制を構築し、関西地区における「相合」の活性化と産学連携を強化いたします。

 2023年1月にはミネベア アクセスソリューションズ株式会社(旧 株式会社ホンダロック)との経営統合を果たし、Tier1ビジネスとしてのプレゼンスを最大限に活用して、高いシナジーを発揮して8本槍の一つであるアクセス製品の発展に取り組んでまいります。3月には東京クロステックガーデンを新設し、東京研究開発センターをさらに拡充、2022年に新設した大阪研究開発センターとともに、R&D 体制を徹底的に強化いたします。東京クロステックガーデンでは、「相合」活動をより一層推進するとともに、社外の業種の垣根も超えた、産学連携を含めた協創を追求してまいります。

 2024年5月に経営統合を果たしたミネベアパワーデバイス株式会社(旧 株式会社日立パワーデバイス)は、産業や社会インフラの電化・電動化におけるキー・デバイスであるパワー半導体製品を提供している半導体メーカーであり、尖った強みを活かしやすいニッチな市場で強みを発揮させることで、大きなシナジー効果を生み出し、アナログ半導体事業としてさらなる成長を目指してまいります。

 当連結会計年度における当社グループの研究開発費は42,662百万円であり、この中にはマテリアルサイエンス・ラボで行っている各種材料の分析等、各セグメントに配分できない基礎研究費用5,246百万円が含まれております。

 当連結会計年度におけるセグメント別の研究開発活動は、次のとおりであります。

プレシジョンテクノロジーズ事業

 プレシジョンテクノロジーズ事業の主力である各種ベアリング、すなわち、ボールベアリング、ロッドエンドベアリング等のすべり軸受を対象にした材料、潤滑剤及び超低摩耗自己潤滑ライナー(ミネロン™)等のトライボロジー関連の基礎技術開発を行っております(ミネロンは、ミネベアミツミ株式会社の登録商標です。航空宇宙規格であるAS81934の認定を取得しております)。

 また、IT産業、家電産業、自動車産業、航空機産業及び医療機器産業等の新しい分野への用途の要求に応えるべく高速回転、高耐食、低発塵、高耐熱、長寿命及び導電性等の信頼性設計と応用設計に重点を置いた開発を行っております。

 精密加工技術の粋とも言えるミニチュアボールベアリングの用途の一つであるHDD用ピボットアッセンブリーは、トップメーカーとして、HDD市場で拡大しているデータセンター用ハイエンド・サーバーからニアライン向け用途に対応した新製品の開発や、高信頼性ピボットアッセンブリー用グリースの開発を行っております。

 航空機産業向けベアリングについては、ロッドエンドベアリングのすべり軸受の技術を応用することで、主に米国及び欧州航空機メーカーの航空機向けのメカアッシー、メイン・ランディングギア用のトラニオン・ベアリング及びフライト・コントロール用各種ベアリングの開発を行っております。また、この度子会社化いたしましたRO-RA Aviation Systems GmbH社のスウェージチューブの技術を手に入れた事で、リンクロッドアッセンブリの垂直統合が可能となりました。

 自動車産業向けは、ターボチャージャー用高耐熱ボールベアリングユニットを当社海外連結子会社のmyonic GmbHが開発いたしました。ターボチャージャーは、近年では環境規制対応で小型化するエンジンの出力不足を補うための出力補助装置として注目され、その活躍の場を一般自動車やエコカーへと広げています。

 ドイツの連結子会社であるCEROBEAR GmbHは、セラミックベアリング及び高性能鋼材を用いたハイブリッドベアリングの設計・製造・販売で20年以上の実績がありますが、同社の技術と、歯科、医療機器、航空宇宙産業向け特殊ベアリングに強みを持つmyonic GmbHの技術とを組み合わせ、シナジー効果を最大化しつつ、今後旺盛な需要が期待される航空宇宙産業向け新製品の開発を行っております。

 その他として、自社の製造現場の改善から生まれたクーラント噴射装置「ウェイビーノズル」を工作機械市場へ販売しております。

 当事業における研究開発費は2,505百万円であります。

モーター・ライティング&センシング事業

 モーター・ライティング&センシング事業の主力のひとつであるモーターには、HDD用スピンドルモーター、ステッピングモーター、DCモーター、ファンモーター及び車載モーター等があります。種々の用途において求められる小型化、高効率化(省エネ)、静粛性及び信頼性等顧客の要求に応じた先進的な製品を市場に先行投入できるよう、各種のシミュレーション技術、解析技術、制御技術及び材料技術等の基礎技術力と製品開発力を強化しております。

 磁気応用技術については、材料技術及び製造技術の研究開発を行っており、その結果、高性能の各種モーター用希土類ボンドマグネット、高耐熱タイプのマグネット等の高性能製品が生まれております。

 HDD用スピンドルモーターでは、高い信頼性が必要なデータセンター向けに最適な、当社独自の流体軸受け構造を開発しております。

 光学応用製品として、スマートフォンの大型化、薄型化に対応したモバイル用超薄型液晶用バックライトユニットに加え、車載製品のバックライトユニットを開発しております。

 当社グループの特徴である超精密加工技術、精密金型技術に加え、液晶用バックライト導光板の微細な光学パターンを高速で精密に転写できる透明樹脂の射出成形の技術を高めております。これにより、業界最高水準の厚さ0.3mmを切る5インチクラスのスマートフォン用超薄型導光板を開発いたしました。さらに、狭額縁化も実現しています。製造面では、自社技術を取り入れたバックライト自動組立機及び外観検査装置等を導入し、競合他社が追随できない量産技術を確立しております。また、バックライトで培った光学技術を応用し、LED照明用の薄型レンズとLED点灯回路とを組み合わせた LED照明製品を開発しております。このLED照明製品は従来製品に比べて薄型で高効率なため省エネルギー性に優れておりますが、さらなる高効率化にむけて技術開発を進めております。

 連結子会社であるスイスのPARADOX ENGINEERING SAの無線ネットワーク技術を組み合せることで、無線通信による制御が可能なスマートビルやスマートシティ向けのLED照明製品の開発を行っております。この成果を展開し、カンボジアをはじめとする各国に高効率無線制御付きLED街路照明を設置いたしました。このような事業を足掛かりに、スマートシティ実現に貢献できる技術の開発を推進しております。

 計測機器では、ひずみゲージを応用した計測機器を使い、千葉大学大学院医学研究院及び千葉大学医学部附属病院と共同で、生体情報モニタリングシステムの開発を視野に実証研究を行い、医療・介護の市場へ向けた製品化を目指し開発を行っております。

 レゾナントデバイスでは、スマートフォンのみならず、ウェアラブルデバイス、ゲーム、車載HMIなど指・手での操作や体表面への装着が伴うさまざまな製品に向けて技術開発を進めております。

 さらに、世界に先駆けて開発に成功したフィルム型高感度ひずみゲージ「MINEGE™」(ミネージュ™)では、高感度(従来比500%以上)かつ、小型(従来比1/10以下)の特長を活かし、車載、モバイル・ウェアラブル、ロボティックス分野での製品化を進めています。

 当事業における研究開発費は10,242百万円であります。

セミコンダクタ&エレクトロニクス事業

 セミコンダクタ&エレクトロニクス事業においては、スマートフォンのカメラ用アクチュエータの手ぶれ補正機構の高精度化、アクチュエータの薄型化への開発、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems、微小電気機械システム)素子に関する研究と周辺部品の開発、リチウムイオン2次電池に関わる半導体とモジュールの開発、各種センサーの開発などを進めております。さらに、スマートハウスに向けた新製品の開発を進め、スマートロックである「SADIOT LOCK」の販売を開始いたしました。

 なお、エイブリック株式会社の研究開発についてはセミコンダクタ&エレクトロニクス事業の半導体の研究開発に含まれております。

 当事業における研究開発費は16,434百万円であります。

アクセスソリューションズ事業

 アクセスソリューションズ事業においては、ミネベアミツミの技術と相合させたシナジー創出で、自動車事業向けのE-Access製品の高付加価値化を目指した開発を行っております。

 当事業における研究開発費は7,026百万円であります。

その他の事業

 その他の事業は、ソフトウエアの設計、開発及び自社製機械が主な製品であります。

 当事業における研究開発費は1,209百万円であります。

2022年3月 2023年3月 2024年3月
研究開発 37,065 38,754 42,662
売上対比 3.3% 3.0% 3.0%
単位:百万円

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