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日立建機(株)

事業内容(抜粋)

当連結グループは、提出会社、連結子会社86社及び関連会社18社で構成され、油圧ショベル・超大型油圧ショベル・ホイールローダ等の製造・販売及びこれに関連する部品サービスの販売により建設機械に関連する一連のトータルライフサイクルの提供を主たる目的とした建設機械ビジネスセグメントと、建設機械ビジネスセグメントに含まれないマイニング設備及び機械のアフターセールスにおける部品開発、製造、販売及びサービスソリューションの提供を主たる目的としたスペシャライズド・パーツ・サービスビジネスセグメントの2つを報告セグメントとしています。

なお、当連結会計年度より、「ソリューションビジネス」としていた報告セグメント名称を「スペシャライズド・パーツ・サービスビジネス」に変更しております。この変更はセグメント名称の変更であり、セグメント情報に与える影響はありません。

経営成績

2022年3月 2023年3月 2024年3月
売上高 1,024,961 1,279,468 1,405,928
営業利益 106,590 133,310 162,690
単位:百万円

財政状態

2024年3月
親会社株主持分比率 41.6%

セグメント情報

売上高構成比 セグメント利益率
建設機械ビジネス 91% 12%
スペシャライズド・パーツ・サービスビジネスセグメント 9% 11%

設備投資(抜粋)

当連結会計年度の設備投資については、主に建設機械ビジネスセグメントにおいて国内外の油圧ショベル製造拠点において合理化投資を行うと共に、当連結グループの販売・サービス設備の整備等を行っています。

その結果、当連結会計年度の設備投資額は総額109,016百万円となっています。

2022年3月 2023年3月 2024年3月
設備投資 89,585 119,338 109,016
減価償却費 48,164 55,022 59,693
単位:百万円

研究開発(抜粋)

当連結グループは、新たな付加価値の創造、品質・信頼性の向上を目的に、新技術や新製品の開発を積極的に推進しています。研究・開発本部の先行開発センタを主体に、研究・開発、生産・調達、品質保証の各本部、及びグループ会社の研究開発従事者が、緊密な連携を取りながら研究開発を推進しています。また、広範かつ高度な技術獲得のため、株式会社日立製作所、国内外の大学との依頼研究、共同研究を行っており、これらの研究活動を通して、高度技術人財の育成を同時に図っています。

当連結会計年度の研究開発費の総額は、31,425百万円です。

セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりです。

(1) 建設機械ビジネス
基軸製品である油圧ショベル、超大型ショベルに加え、ミニショベル、ホイールローダ等において、次期排ガス規制に対する技術開発を進めているほか、「低炭素」をキーワードに、クリーン化、省エネルギー化を考慮した製品開発を進め、国内の特定特殊自動車(オフロード法)排出ガス基準に適合した中型油圧ショベル、ホイールローダ、道路機械を開発しています。

2023年8月には、杭打ち工事などに用いられるリーダレス型基礎機械RX3300-7を日本国内向けに受注を開始しました。従来モデルRX3300-3から15年ぶりのモデルチェンジとなるRX3300-7は、当社の独自技術により簡単な操作で精度の高い杭打ち作業が可能であるほか、油圧システム「TRIASⅢ(トライアス スリー)」および周囲環境視認装置「AERIAL ANGLE(エアリアル アングル)」の搭載により、お客様の作業効率と安全性の向上に寄与します。

2023年9月には、2014年の特定特殊自動車(オフロード法)排出ガス基準に適合した、新型ホイールローダZW-6シリーズとして、ZW330-6、ZW550-6の2機種を日本国内向けに受注を開始しました。両機種にてエンジン回転数を最適に制御する「アクティブエンジンコントロール」の改良により燃費性能を改善したほか、ZW330-6はエンジン制御の最適化によるスムーズな積み込み作業およびエネルギーを機体にダイレクトに伝える「ロックアップトルクコンバータ」の標準搭載による登坂走行時(5%勾配)の最高速度の従来機からの向上を実現し、ZW550-6はエンジンレスポンスの改善による作業量の向上を実現しています。また、両機種にて排出ガスの後処理装置にPM除去フィルタレスの「尿素SCRシステム」を採用したことで、定期的なPM除去フィルタの清掃や交換などのメンテナンスが不要となり、長期的なメンテナンスコストやメンテナンス中のダウンタイムの低減と環境性能の向上を実現しています。

2023年11月には、2014年の特定特殊自動車(オフロード法)排出ガス基準に適合した、12tクラスのホイール式油圧ショベルZX125W-7を日本国内向けに発売しました。燃費低減と高い作業性を実現する最新油圧システム「HIOS Ⅴ(ハイオス ファイブ)」を搭載することにより、複合動作や高負荷時の操作性を維持しつつ、燃費性能を向上しました。新機能の「エコガイダンス」は、現場状況に応じて推奨される作業モードなどをメッセージで表示し、燃料消費を抑えた運転操作を支援します。また、新機能として、車体の停止に合わせて作業ブレーキが作動する「オートワーキングブレーキシステム」、走行時に走行モードの変速を自動で行う「オートマティック・トランスミッション」を追加し、新設計の運転室の採用とあわせ、作業時の利便性や快適性を向上し、オペレータの負担も軽減します。

2023年12月には、2014年の特定特殊自動車(オフロード法)排出ガス基準に適合した、新型油圧ショベルZAXIS-7シリーズとして、50tクラスの大型油圧ショベルZX470-7と、同機種の重掘削仕様機をベースとするZX530LCH-7を日本国内向けに受注を開始しました。両機種ともに高出力のエンジンと新型油圧システムを搭載することにより、従来機から作業量および燃費性能を向上し、ランニングコストの低減を実現しています。また、運転室内はシートのデザインやペダルのレイアウトを、人間工学を元に人体への負担を抑えるよう設計したことで、オペレータの疲労軽減に寄与しています。

2024年1月には、2014年の特定特殊自動車(オフロード法)排出ガス基準に適合し、作業性能の向上と燃費低減を両立させた16tクラスの油圧ショベルZX160LC-7と、24tクラスの油圧ショベルZX240-7の2機種を、日本国内向けに受注を開始しました。ZX160LC-7は油圧システム「HIOS Ⅳ(ハイオス フォー)」、ZX240-7は最新油圧システム「TRIAS Ⅲ」を搭載し、作業負荷やオペレータの操作量に応じて最適な油圧制御を行うことで、低燃費と高い作業性を実現しています。両機種ともに「AERIAL ANGLE」を標準搭載し、安全性の向上に寄与します。また、遠隔から機械の状態診断とソフトウエア更新を行うサービスソリューション「ConSite Air(コンサイト エアー)」を適用し、ダウンタイムの抑制に貢献します。さらに、居住空間を拡大した新設計のキャブを採用し、ロックレバーやマルチモニタ、各種スイッチなどのレイアウトを改善することで、オペレータの居住性と操作性を向上しています。

併せて、同2024年1月に、中型ホイールローダZW180-7、ZW220-7の2機種を、日本国内向けに受注を開始しました。中型ホイールローダとしては約8年ぶりのモデルチェンジとなる両機種では、積み込み作業時の走行速度を自動で制限する「アプローチスピードコントロール」を新たに搭載し、操作性の向上と低燃費を実現しました。また、「AERIAL ANGLE」と、バケット内の積載重量を計測できる荷重判定装置「ペイロードチェッカー」をそれぞれ標準搭載することで、安全性と生産性の向上にも寄与します。また、「ConSite Air」を適用し、ダウンタイムの抑制に貢献します。さらに、電気式フロント操作レバーの採用などでオペレータの操作性の向上、フィルタの交換頻度を減らすことでメンテナンス費を削減します。

2024年2月には、東南アジア市場向け油圧ショベルZAXIS-7GシリーズのZX350-7G、ZX490-7G、ZX690-7G、ZX890-7Gの4機種を、タイ向けに受注を開始し、東南アジア各国で順次受注を拡大する予定です。油圧効率の向上や燃費低減の実現、「AERIAL ANGLE」および「ConSite Air」への対応により、お客様の課題に対応します。

提出会社は、さまざまなビジネスパートナーとのオープンイノベーションによる連携を推進します。身近で頼りになるパートナーとして、社会課題を解決するソリューション「Reliable Solutions」を、お客さまと協創し提供していくと共に、環境価値・企業価値の創出に努めていきます。

当連結会計年度の建設機械ビジネスにおける研究開発費は、28,297百万円です。

当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。

リーダレス型基礎機械RX3300-7

大型ホイールローダZW330-6、ZW550-6

ホイール式油圧ショベルZX125W-7

大型油圧ショベルZX470-7、ZX530LCH-7

中型油圧ショベルZX160LC-7、ZX240-7

中型ホイールローダZW180-7、ZW220-7

東南アジア市場向け油圧ショベルZX350-7G、ZX490-7G、ZX690-7G、ZX890-7G

(2) スペシャライズド・パーツ・サービスビジネス
マイニング設備向けの事業では、交換性、摩耗寿命、安全性を考慮した、競争力の高いバケット消耗品の爪やマイニングショベル用の足回り製品の開発を行っています。

また、お客さまの生産性向上に寄与する、油圧ショベルの特性とお客さまの掘削条件を反映した高効率バケットの製品化開発も行っています。

固定プラント及び鉱物加工向けの事業では、電子厚さ測定装置やレーザースキャニング技術とディスクリート素子モデリングソフトウェアを使用して製品の設計を最適化し、ミルライナーや表面摩耗の寿命を延ばし、処理能力を向上させる開発を行っています。また、IoTを活用した製品ソリューションの提供についても研究を進めています。

当連結会計年度のスペシャライズド・パーツ・サービスビジネスにおける研究開発費は、3,128百万円です。

2022年3月 2023年3月 2024年3月
研究開発 25,462 24,443 31,425
売上対比 2.5% 1.9% 2.2%
単位:百万円

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