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宝ホールディングス(株)

事業内容(抜粋)

当社グループ(当社および当社の関係会社)は、当社、子会社66社および関連会社2社で構成され、「宝酒造」が営む国内での酒類・調味料の製造・販売、「宝酒造インターナショナルグループ」が営む海外での酒類の製造・販売、海外の日本食レストラン等への日本食材などの販売、「タカラバイオグループ」が営む試薬、機器などの開発・製造・販売や受託および遺伝子医療を主たる事業としており、この3つは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。当社は、持株会社として各事業会社を統括するほか、グループ各社の間接業務の受託や不動産賃貸事業を行っております。

 なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

 セグメントにおける当社グループの事業内容とその位置付けは次のとおりであります。

[宝酒造]

 宝酒造株式会社は、国内において焼酎、清酒およびソフトアルコール飲料など酒類全般ならびに本みりんなどの酒類調味料、食品調味料および原料用アルコールの製造・販売を行っております。

 当セグメントに携わる子会社は宝酒造株式会社1社であります。

[宝酒造インターナショナルグループ]

 宝酒造インターナショナル株式会社は、グループ会社の管理、宝酒造株式会社の酒類・調味料製品の輸出販売を行っております。

 米国法人Takara Sake USA Inc.は、米国カリフォルニア州において主に清酒の製造を行い、宝酒造株式会社が供給する酒類製品ともども米国一円に販売しております。英国法人The Tomatin Distillery Co.Ltdは、スコッチウイスキーの製造・販売を行っており、米国法人Age International,Inc.は、バーボンウイスキーを販売しております。

 米国法人Mutual Trading Co.,Inc.(同社の子会社含む)は、米や味噌などの日本食材、調味料、酒類などのほか、レストランの調理器具や食器類に至るまで幅広いアイテムを取り扱い、米国を中心に卸売業を展開しております。

 仏国法人FOODEX S.A.S. 、スペイン法人Cominport Distribución S.L.および英国法人Tazaki Foods Ltd.は、ヨーロッパを拠点として日本食材の卸売業を営んでおり、Takara Sake USA Inc.や宝酒造株式会社の製品をはじめ、酒類、調味料、冷凍食品などを販売しております。また、Nippon Food Supplies Company Pty Ltdは、豪州において日本食材の卸売業を営んでおります。

 上述した会社を含め、当セグメントに携わる子会社は48社であり、関連会社は1社であります。

[タカラバイオグループ]

 タカラバイオ株式会社は、試薬・機器に関連する開発・製造・販売ならびに再生医療等製品の開発製造支援サービスや遺伝子解析・検査などのCDMO受託サービスを行っております。また、遺伝子治療等に必要なバイオ創薬基盤技術、製造補助剤の開発・製造・販売や臨床開発を行い、その価値の最大化に向けて取り組んでおります。

 海外では、中国において宝生物工程(大連)有限公司が試薬の開発・製造や受託サービスを行い、宝日医生物技術(北京)有限公司が試薬や機器の販売を行っております。Takara Bio Europe S.A.S.は、ヨーロッパにおいて、試薬の製造・販売、機器の販売や受託サービスを行っております。また、Takara Bio USA, Inc.は、米国において、試薬や機器の開発・製造を行い、全世界に販売しております。

 上述した会社を含め、当セグメントに携わる子会社は9社であります。

[その他]

 その他は、国内グループ会社が営む貨物運送事業やワイン輸入販売、主に当社が営む不動産賃貸事業などであります。

 貨物運送事業はタカラ物流システム株式会社が営み、主に宝酒造株式会社の酒類・調味料製品の国内における貨物運送などを行っております。また、ブルゴーニュの高品質ワイン等の輸入販売は株式会社ラック・コーポレーションが営んでおります。

 上述した会社を含め、その他の事業に携わる子会社は8社であり、関連会社は1社であります。

経営成績

2022年3月 2023年3月 2024年3月
売上高 300,918 350,665 339,372
営業利益 43,354 37,945 22,242
単位:百万円

財政状態

2024年3月
自己資本比率 52.3%

セグメント情報

売上高構成比 セグメント利益率
宝酒造 36% 4%
宝酒造インターナショナルグループ 47% 8%
タカラバイオグループ 13% 7%
その他 4% 8%

設備投資(抜粋)

当連結会計年度の設備投資は、宝酒造、宝酒造インターナショナルグループおよびタカラバイオグループにおける生産能力および研究開発設備の増強、維持ならびにIT関連投資を目的として実施し、その金額は建設仮勘定に計上したものを含め総額21,915百万円でありました。
 なお、当連結会計年度において重要な設備の除却、売却等はありません。

セグメントごとの設備投資(無形固定資産を含む)は、以下のとおりであります。

・宝酒造 4,108百万円(酒類製造設備等)
・宝酒造インターナショナルグループ 6,624百万円(海外日本食材卸事業に係る製品倉庫設備等イベント企画
・タカラバイオグループ 10,960百万円(ワクチン関連およびCDMO事業等のデュアルユース製造設備、細胞加工施設関連工事)
・その他 123百万円
・全社(共通)(注) 99百万円
・合計 21,915百万円

(注)事業セグメントに配分していない当社の投資金額などであります。

2022年3月 2023年3月 2024年3月
設備投資 16,213 14,165 21,915
減価償却費 8,425 9,118 9,999
単位:百万円

研究開発(抜粋)

当社グループは蓄積された発酵技術を基礎に、バイオテクノロジーの技術を応用し、主に宝酒造、タカラバイオグループの各部門で幅広い研究活動を展開しております。

 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は8,725百万円であり、各セグメントにおける研究内容等は次のとおりであります。

(宝酒造)

 当セグメントにおいては、宝酒造株式会社の商品開発育成・研究部門を中心に、消費者ニーズに沿った商品、消費者に新しい価値を提案する商品の開発を目的に、機能や成分による差異化技術、微生物の育種、原料・素材の探索・開発ならびに生産技術の研究開発を行っております。

 焼酎では、全量芋焼酎「一刻者」のために6年かけて三好アグリテック株式会社と共同開発した新品種の芋を用いた“全量芋焼酎「一刻者」<新品種使用>甕オーナー”を発売しました。紫芋と橙芋を掛け合わせた新品種で、レーズンやオレンジピールを思わせる、まるで洋菓子のような贅沢で濃厚な甘い香りが特長です。本研究内容については、令和5年度「日本醸造学会大会」にて発表しました。

 清酒では、日本酒を飲む“よろこび”“おいしさ”を国内外に広げ、おいしさで選ばれ、品質でリスペクトされるブランドを目指す「松竹梅プロジェクト」を2020年より進めており、その一環として、米の旨みを感じる食中酒であり、松竹梅の象徴となる、“松竹梅白壁蔵「然土」”を新発売しました。また本プロジェクトに連動して、使用する原料米の栽培において、温室効果ガス発生抑制に向けた取り組みも進めております。

 ソフトアルコール飲料では、地域限定のクラフトチューハイ“「寶CRAFT」<京檸檬>”を新発売しました。本来未利用部位である果皮や種から香り成分を抽出した京檸檬スピリッツと、すりつぶした京檸檬ペーストを使用しており、酸味が控えめで瑞々しい甘い香りと上品な苦みが特徴の「京檸檬」の風味を活かした酒質に仕立てました。同社は『一般社団法人京檸檬プロジェクト協議会』の活動に2018年の発足当時から参画しており、苗木の植樹や果実の収穫といった活動にも参加してきましたが、5年の歳月を経て、「京檸檬」を使ったクラフトチューハイの発売に至りました。

 調味料では、国産米100%の安心感に、2種類の米麹を使用することで「コク・うまみ」を強化した“タカラ本みりん「贅沢米麹」<国産米100%>”を発売しました。また、加工・業務用市場向けには、昆布風味を強化できる新規加工技術を開発し、昆布の素材感やコクに富む昆布調味料を特定ユーザー向けに発売しました。

 なお、当セグメントに係る研究開発費は391百万円であります。

(タカラバイオグループ)

 当セグメントにおいては、日本のタカラバイオ株式会社、米国のTakara Bio USA, Inc.、中国の宝生物工程(大連)有限公司を中心に研究開発活動を展開しております。

 試薬・機器事業では、遺伝子工学および細胞工学研究用試薬や機器等の開発を進めております。また、試薬と機器のシステム化により利便性を向上させる開発等も進めております。当連結会計年度においては、「感染症の原因となる病原遺伝子検出用PCR試薬シリーズ」、「核酸精製が不要なダイレクト検出用リアルタイムPCR試薬Easy Directシリーズ」、「等温核酸増幅法による遺伝子の迅速検出が可能な試薬」、「アデノ随伴ウイルスベクター大量製造用完全合成培地」、「シングルセル解析装置の新機種」等の開発を行いました。

 受託事業では、再生・細胞医療・遺伝子治療の開発・製造支援事業であるCDMO受託に関する研究開発に注力しております。当連結会計年度においては、「がん細胞への殺傷効果の高いCAR-T細胞を短期間で製造する方法(Spo-TTM法)」、「シングルセル/サブセルラーレベルの高感度空間マルチオミックス解析」など細胞加工やウイルスベクターの生産効率性向上や大量製造に関する研究開発、新規遺伝子解析/検査受託に関するメニュー開発を進めました。

 遺伝子医療事業では、高効率遺伝子導入技術レトロネクチンⓇ法、siTCRⓇ技術等の応用開発に加え、創薬基盤技術の開発・事業化に取り組んでおります。当連結会計年度においては、脳指向性アデノ随伴ウイルスベクター(CereAAVTM)および内耳指向性アデノ随伴ウイルスベクター(SonuAAVTM)に関する開発、次世代CAR遺伝子治療法であるCD19・JAK/STAT・CAR遺伝子治療(開発コード:TBI-2001)のカナダでの臨床試験を進めるほか、NY-ESO-1・siTCRⓇ遺伝子治療(開発コード:TBI-1301)の製造販売承認申請に向けた準備を進めました。また、mRNAワクチンの開発・製造に必要となる製造補助剤等の開発に取り組みました。

 このほか、上記の事業別に分類しきれない事業横断的な研究開発も推進しております。当社グループとしては、各研究開発プロジェクトの相互作用・フィードバック効果を利用して、戦略的な研究開発の推進を目指しております。

 なお、当セグメントに係る研究開発費は8,324百万円であります。

2022年3月 2023年3月 2024年3月
研究開発 6,484 8,949 8,725
売上対比 2.2% 2.6% 2.6%
単位:百万円

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