沖電気工業(株)
事業内容(抜粋)
OKIグループ(当社及び関係会社)は、「パブリックソリューション」、「エンタープライズソリューション」、「コンポーネントプロダクツ」、「EMS」の4事業及び「その他」について、製品の製造・販売、システムの構築・ソリューションの提供、工事・保守及びその他のサービスを行っております。
事業区分別の事業の内容は、以下のとおりであります。なお、以下の事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。また、当連結会計年度より、報告セグメントの変更をしております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載しております。
<パブリックソリューション事業>
当事業では、主に以下の製品の製造・販売、システムの構築・ソリューションの提供及びその他サービスを行っております。
道路関連システム、航空関連システム、消防・防災関連システム、官公庁向けシステム、防衛関連システム、航空機器、通信キャリア向け通信機器など
<エンタープライズソリューション事業>
当事業では、主に以下の製品の製造・販売、工事・保守及びその他サービスを行っております。
ATM、現金処理機、営業店端末、予約発券端末、チェックイン端末、外貨両替機、ATM監視・運用サービス、金融営業店システム、事務集中システム、予約発券システム、工事・保守サービスなど
<コンポーネントプロダクツ事業>
当事業では、主に以下の製品の製造・販売及びその他サービスを行っております。
エッジデバイス(IoT)、センサーネットワーク、PBX、ビジネスホン、コンタクトセンター、クラウドサービス、LEDプリンターなど
<EMS事業>
当事業では、主に以下の製品の製造・販売及びその他サービスを行っております。
設計・生産受託サービス、プリント配線板、ケーブル・電極線、エンジニアリングなど
<その他>
その他として、用役提供等を行っております。
経営成績
2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | |
---|---|---|---|
売上高 | 352,064 | 369,096 | 421,854 |
営業利益 | 5,864 | 2,403 | 18,692 |
売上高営業利益率 | 1.7% | 0.7% | 4.4% |
財政状態
2024年3月 | |
---|---|
自己資本比率 | 33.3% |
セグメント情報
売上高構成比 | セグメント利益率 | |
---|---|---|
パブリックソリューション | 22% | 5% |
エンタープライズソリューション | 43% | 12% |
コンポーネントプロダクツ | 17% | 1% |
EMS | 18% | 2% |
その他 | 0% | -11% |
設備投資(抜粋)
OKIグループ(当社及び連結子会社)は、事業の選択と資源の集中を明確にし、長期的に成長が期待できる分野を重点に各々の事業性と投資の関連(キャッシュ・フロー、投資効率など)を見ながら、研究開発、新商品開発及び生産活動等に設備投資を行っております。
当連結会計年度の設備投資の内訳は以下のとおりであります。
・パブリックソリューション 1,924百万円
・エンタープライズソリューション 3,607百万円
・コンポーネントプロダクツ 1,350百万円
・EMS 3,856百万円
・その他・全社(共通) 545百万円
・合計 11,284百万円
(注)
1.所要資金は、主として自己資金及び借入金等を充当しました。
2.上記には、リース資産(345百万円)が含まれております。
3.各事業の設備投資の主な内容、目的は次のとおりであります。
パブリックソリューション事業では、社会インフラ、ネットワークシステム等の分野、防衛事業(海上、航空)に加え、海洋ビジネス分野において新製品対応のための設計・製造設備、工場建物付帯設備の更新などを中心に投資を行いました。
エンタープライズソリューション事業では、労働力不足とアフターコロナにおける業務効率化、非接触・非対面などの社会課題解決を実現するソリューション並びに自動化新商品・モジュールの開発などを中心に投資を行いました。
コンポーネントプロダクツ事業では、製品・サービスの安定供給を実現するための設備更新と共に、事業成長のためのエッジ領域の新商品創出、既存商品の競争力強化への投資を行いました。
EMS事業では、モノづくり総合サービス強化に向けた生産能力増強・最新設備への更新及び労働力不足解決、生産性改善を目的とした生産設備の自動化、IT化投資を行いました。
2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | |
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設備投資 | 17,910 | 12,700 | 11,284 |
減価償却費 | 12,602 | 12,322 | 14,201 |
研究開発(抜粋)
OKIグループ(当社及び連結子会社)は、2023年5月に発表した「中期経営計画2025」のとおり、「『進取の精神』をもって、情報社会の発展に寄与する商品を提供し、世界の人々の快適で豊かな生活の実現に貢献する」という企業理念のもと、「社会の大丈夫をつくっていく。」のキーコンセプト実現に向けて、成長領域へ向けた研究開発と先行技術開発に集中して技術開発を取り組んでおります。
当連結会計年度のOKIグループの研究開発費は12,533百万円であり、各事業及び全社共通等における研究開発活動の主な成果及び研究開発費は次のとおりであります。
(1)パブリックソリューション領域における活動
OKIは、水平方向距離2kmで速度32kbps(=64kbps・km)の水中音響通信技術を開発し、一般的な性能指標40kbps・kmを超える性能を海上試験にて確認したことから、海中通信の新たな可能性を示しました。この技術は32kbpsでの高速通信を実現し、海洋資源調査や水中構造物の点検を含む広範囲の一斉探索が可能となります。今後、水中無線ネットワークの構築による効率化や新ビジネス創出を目指し、マルチホップ通信などの技術開発を進めることで、水中ドローンやロボットなどの広範囲利用を実現します。この技術は、海洋探索やインフラ点検など人類の課題解決に寄与します。
福岡県大牟田市では、OKIと大牟田市のコンソーシアムが自動運転バス「ARMA」の公道実証実験を2023年11月4日から10日に実施しました。目的は交通課題解決と自動運転技術の認知度向上であります。実験は大牟田商工会議所のイベントと連携し、試乗体験会も行いました。NAVYA社製の「ARMA」は、オペレーター同乗の下で2ルートを無料運行し、地域交通の新たな可能性を模索していきます。
当事業に係る研究開発費は、2,433百万円であります。
(2)エンタープライズソリューション領域における活動
OKIは、2024年7月の新紙幣発行に向け、富岡事業所でATM、現金処理機の組み立てを進めております。国内シェア約5割のATM約20万台のプログラム更新・新規生産が対象であります。最新の偽造防止技術が施された新紙幣を正しく識別できるようにソフトウエアのプログラムを開発設定しております。既存の機器は遠隔操作でソフトウエアのプログラムを更新可能であります。20年前に新紙幣が発行された際、新札の特質で複数枚が重なって搬送し出てしまうことがありましたため、防止用の部品を追加し機能を向上させました。
当事業に係る研究開発費は、4,007百万円であります。
(3)コンポーネントプロダクツ領域における活動
OKIは、新たに産業カメラ用MLA(マイクロレンズアレイ)技術を開発、マシンビジョンを軸に事業化を目指しております。被写界深度が±5mmと従来レンズ比で約5倍大きく、高さも3分の1と低背化可能であります。全視野で真上から見た画像を取得するテレセントリック光学系で縦横の並列化が可能であります。ラインスキャンで歪みがない画像を取得できるなどの特徴があります。社内製品への応用を検討するとともに、2026年度にもコンタクトイメージセンサー(CIS)などに外部提供を目指しております。
当事業に係る研究開発費は、2,074百万円であります。
(4)EMS領域における活動
OKIは、新宇宙時代の到来と共に宇宙産業の拡張に対応し、製造プラットフォーマーとしての役割を担うべく、宇宙向けの高品質なモノづくりに挑戦しております。特にJAXAのH3ロケット試験2号機の成功や、民間企業主導の宇宙プロジェクトNew Spaceの動向に注目が集まっております。OKIは、人工衛星向けの長尺フレキシブル基板やJAXA認定のプリント配線板など、これまでの実績を生かし、QCD課題の解決を図りながら、New Space市場への進出を目指します。
OKIのDMS(Design and Manufacturing Service)は、従来の電子機器受託製造サービス(EMS)に設計要素を加えた総合サービスで、設計から製造まで一貫して提供しております。これにより、情報通信機器や産業機器などの変種変量機器の開発支援を提供しております。DMSは、新商品開発、既存製品の改良から量産化、コスト低減まで、幅広い技術支援を行い、付加価値の高い製品を共に創出し、新たな市場への進出を支援しております。
当事業に係る研究開発費は、257百万円であります。
(5)全社共通等領域における活動
OKIは、信越化学工業株式会社と共同で、信越化学工業株式会社が独自改良したQSTTM基板(注1)からOKIのCFBTM(注2)技術を用いてGaN(窒化ガリウム)の機能層のみを剥離し、異種材料基板へ接合する技術開発に成功しました。本技術によりGaNの縦型導電が可能となり、大電流を制御できる縦型GaNパワーデバイスの実現と普及に貢献します。今後は、GaNデバイスを製造するお客様とのパートナーリングやライセンシングにより、社会実装可能な縦型GaNパワーデバイスの開発を進めます。
(注)1.QST基板:Qromis社(米国カリフォルニア州、CEO Cem Basceri)により開発されたGaN成長専用の複合材料基板。2019年に信越化学工業株式会社がライセンス取得。なお、QSTはQromis社の米国登録商標であります。
2.CFB:Crystal Film Bondingの略。OKIが開発した、結晶膜を成長基板から剥離し異種材料基板へ接合する技術。なお、CFBは沖電気工業株式会社の登録商標であります。
OKIと東北大学は、NEDOプロジェクトの一環として、パッシブ光ネットワーク(PON)の効率的運用を目的としたAIを活用した新技術を開発しました。通信量の予測と波長資源の自動調整が可能となり、消費電力を20%以上削減して、年間約2GWhの節約とCO2約920tの削減を実現しました。
OKIは、エッジデバイスを使った「遠隔作業支援システム」の無償βサービスを2023年10月から開始しました。遠隔地の熟練者が映像を通じて現場作業をリアルタイムで指導・支援できるよう設計されており、製造や保守の分野でリモートシフトを加速させてコスト削減を促進します。またWebRTCを利用し、多くのデバイスでアクセス可能であります。2025年度の商品化を目指しております。
全社共通等に係る研究開発費は、3,052百万円であります。
2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | |
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研究開発 | 11,549 | 9,608 | 12,533 |
売上対比 | 3.3% | 2.6% | 3.0% |
従業員の状況(抜粋)
提出会社の状況
2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | |
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従業員数 | 4,760名 | 4,740名 | 4,648名 |
平均年齢 | 44.7歳 | 44.8歳 | 44.5歳 |
平均勤続年数 | 20.7年 | 19.9年 | 19.6年 |
平均年間給与 | 7,403,656円 | 7,286,422円 | 7,516,713円 |
連結会社の状況
2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | |
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従業員数 | 14,850名 | 14,452名 | 14,439名 |
1人あたり売上高 | 23.7百万円 | 25.5百万円 | 29.2百万円 |