(株)カネカ
事業内容(抜粋)
当社及び当社の関係会社は、ソリューション別に「Material SU」、「Quality of Life SU」、「Health Care SU」、「Nutrition SU」の4つのドメイン(報告セグメント)に沿って事業を行っております。
報告セグメントと、報告セグメントを構成するSV、主要製品及び主な関係会社は次のとおりであります。なお、このセグメントは「第5 経理の状況 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
(Material Solutions Unit)
社会インフラ・モビリティ(軽量化・燃費向上)の発展を支える優れた素材や、環境社会に直接役立つ生分解性バイオポリマーなどの先端素材をソリューションとして提供し、地球環境保護と快適なくらしに貢献します。
SV、主要製品
(Vinyls and Chlor-Alkali)
一般用塩化ビニル樹脂、か性ソーダ、塩ビ系特殊樹脂
(Performance Polymers(MOD))
モディファイヤー、エポキシマスターバッチ、
生分解性バイオポリマー
(Performance Polymers(MS))
変成シリコーンポリマー
主な関係会社
(国内)
昭和化成工業㈱、龍田化学㈱、東武化学㈱、
セメダイン㈱
(海外)
カネカベルギーN.V.、カネカノースアメリカLLC、
カネカマレーシアSdn.Bhd.、
カネカMSマレーシアSdn.Bhd.、
カネカペーストポリマーSdn.Bhd.
(Quality of Life Solutions Unit)
住宅や生活インフラなどの省エネ・スマート化ニーズや、IoT・AIの発達など情報化社会の革新に応える優れた素材と独自のサービスをソリューションとして提供し、省エネルギーと豊かなくらしの創造に貢献します。
SV、主要製品
(Foam & Residential Techs)
スチレン系発泡樹脂・成型品、
スチレン系発泡押出ボード、
発泡ポリオレフィン、
ソーラーサーキット工法(外断熱・二重通気工法)
(E & I Technology)
ポリイミドフィルム、光学材料、
グラファイトシート
(PV & Energy management)
太陽電池、住宅用蓄電池
(Performance Fibers)
アクリル系合成繊維
主な関係会社
(国内)
カネカフォームプラスチックス㈱、
カネカケンテック㈱、㈱羽根、
㈱カネカソーラーサーキットのお家、
カネカソーラーテック㈱
(海外)
カネカベルギーN.V.、カネカノースアメリカLLC、
カネカエペランSdn.Bhd.、
鐘化(蘇州)緩衝材料有限公司、
カネカアピカルマレーシアSdn.Bhd.、
カネカイノベイティブファイバーズSdn.Bhd.、
青島海華繊維有限公司
(Health Care Solutions Unit)
医療・健康・介護等の分野において、デバイスと医薬の融合による価値あるソリューションを提供するとともに、バイオ医薬や再生・細胞医療など先端医療技術に基づく独自のヘルスケア事業を展開し、高齢化社会・医療高度化社会に貢献します。
SV、主要製品
(Medical)
医療機器
(Pharma)
低分子医薬品原料、API、バイオ医薬品
主な関係会社
(国内)
㈱カネカメディックス、㈱大阪合成有機化学研究所
(海外)
カネカユーロジェンテックS.A.、
カネカシンガポールCo.(Pte)Ltd.
(Nutrition Solutions Unit)
「食」の多様化や健康増進ニーズに応える特色ある素材、サプリメントをソリューションとして幅広く提供するとともに、農業・畜産・水産分野の食料生産支援に寄与するソリューションを提供し、健康と豊かな「食」に貢献します。
SV、主要製品
(Supplemental Nutrition)
機能性食品素材、乳酸菌
(Foods & Agris)
マーガリン、ショートニング、パン酵母、香辛料、
不凍素材、乳製品、機能性肥料・飼料
主な関係会社
(国内)
カネカ食品㈱、㈱カネカサンスパイス、太陽油脂㈱、
カネカユアヘルスケア㈱
(海外)
カネカノースアメリカLLC、AB-Biotics, S.A.
(その他)
SVに含まれない損害保険・生命保険の代理業務、当社に係る構内作業等であり、主な関係会社は次の通りであります。
[主な関係会社]
㈱カネカ高砂サービスセンター、カネカ保険センター㈱
上記以外の主な関係会社として、カネカヨーロッパホールディングカンパニーN.V.、カネカアメリカズホールディングInc.、鐘化企業管理(上海)有限公司、㈱カネカ北海道といった地域統括会社があります。
経営成績
2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | |
---|---|---|---|
売上高 | 691,530 | 755,821 | 762,302 |
営業利益 | 43,562 | 35,087 | 32,579 |
財政状態
2024年3月 | |
---|---|
自己資本比率 | 52.1% |
セグメント情報
売上高構成比 | セグメント利益率 | |
---|---|---|
Material Solutions Unit | 42% | 9% |
Quality of Life Solutions Unit | 23% | 9% |
Health Care Solutions Unit | 10% | 17% |
Nutrition Solutions Unit | 25% | 6% |
その他 | 0% | 29% |
設備投資(抜粋)
当社グループは、中長期的な収益基盤の充実を図るために、国内外への投資を図ってきており、当連結会計年度は全体で69,153百万円(金額には消費税等を含みません。)の設備投資を実施しました。
その主なものは、当社高砂工業所の生分解性バイオポリマー設備能力増強、当社苫東工場の医療機器工場新設、カネカベルギーN.V.の変成シリコーンポリマー製造設備能力増強であります。
なお、セグメントごとの設備投資金額は次のとおりであります。
・Material Solutions Unit 20,513百万円
・Quality of Life Solutions Unit 12,282百万円
・Health Care Solutions Unit 10,994百万円
・Nutrition Solutions Unit 5,451百万円
・その他 18百万円
・スタッフ部門及びセグメントに帰属しない研究部門 19,893百万円
・合計 69,153百万円
2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | |
---|---|---|---|
設備投資 | 37,716 | 44,348 | 69,153 |
減価償却費 | 37,953 | 39,456 | 40,779 |
研究開発(抜粋)
(1) 事業セグメント別の主な活動
当社グループの主な研究開発活動は以下のとおりです。
① Material Solutions Unit
素材の豊かさを引出し、生活と環境の進化に貢献できる機能性材料や、競争力を強化するプロセス開発に取り組んでおります。当連結会計年度では、植物油から微生物によって生産され海洋分解性などユニークな特徴を持つ「カネカ生分解性バイオポリマーGreen Planet®」において、世界の大手ブランドホルダーとの共同開発や様々なニーズに応える加工技術開発に注力しました。また、廃食油やCO2からの樹脂培養技術の研究を進めました。
② Quality of Life Solutions Unit
素材の力で生活価値の先端を創る製品の研究開発に取り組んでおります。当連結会計年度では、衝撃吸収や断熱性にすぐれる発泡樹脂、ワクチンを始めとする医薬品の定温輸送を実現するパッケージ、独特の風合いと難燃性にすぐれた繊維、5Gなど次世代情報通信を支えるポリイミドを中心とした高機能素材、住宅やビルのゼロエネルギー化(ZEH、ZEB)に貢献する太陽電池や車載用太陽電池などの製品開発に注力しました。
③ Health Care Solutions Unit
革新医療がより多くの患者に届けられる世界を創るために高齢化社会、医療の高度化に貢献する製品の研究開発に取り組んでいます。当連結会計年度では、発酵、精密合成、ポリマー技術を健康分野に適用し、低分子医薬品、新規バイオ医薬品、血液浄化機器、脳・心臓・消化器等の治療用医療機器、新型コロナウイルス検査キットなどの開発を進めました。
④ Nutrition Solutions Unit
食の多様化に貢献する新素材や機能性食品など食と健康、食料生産に革新をもたらす技術開発に取り組んでいます。当連結会計年度では、高品質でおいしい乳製品や還元型コエンザイムQ10の機能性表示食品への展開や機能性乳酸菌の市場開発を進めました。また、当社独自の技術と日本たばこ産業株式会社から取得した植物バイオテクノロジーとの融合を進め、食糧危機に対する食糧生産ソリューションの開発に注力しました。
(2) 研究開発費
当連結会計年度における研究開発費は、総額で35,397百万円となりました。その内訳は、Material Solutions Unit 3,940百万円、Quality of Life Solutions Unit 2,133百万円、Health Care Solutions Unit 3,373百万円、Nutrition Solutions Unit 1,043百万円及び特定のセグメントに区分できない基礎的研究開発費24,906百万円であります。
2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | |
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研究開発 | 30,894 | 32,669 | 35,397 |
売上対比 | 4.5% | 4.3% | 4.6% |