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THK(株)

事業内容(抜粋)

当社グループは、子会社37社及び関連会社3社で構成されております。

産業機器事業は主に直動システムを中心とした機械要素部品等の製造販売及び産業機械の製造販売を行っており、輸送機器事業は主に自動車や二輪車などの輸送機器向けにステアリング部品、サスペンション部品、ブレーキ部品等の開発設計、製造販売を行っております。

直動システムは、機械装置等の直線運動部分に用いられ、機械装置等の高速・高精度化を実現した機械要素部品です。機械装置等の運動部分を「ころがり運動」化するため、「すべり運動」に比べて運動部分の摩擦が1/50に低減されることから、省エネルギーに優れた地球環境にやさしい製品です。

こうした特長により、高速・高精度を要求される工作機械や半導体製造装置等の精密機器に留まらず、アミューズメント機器や、地震の揺れから建物を守る免震・制震装置等にいたるまで、幅広い分野に採用されております。

当社グループの主な事業内容と、各子会社等の事業における位置づけは次のとおりであります。

日本国内においては、工作機械、産業用ロボット、半導体製造装置などの産業機械メーカー及び代理店等には当社が直接販売し、その他メーカーの一部及びその他の代理店の一部に対しては、トークシステム株式会社が販売を担当しております。また、当社に加え、THKインテックス株式会社、THK新潟株式会社及び日本スライド工業株式会社が製造を担当しております。THKインテックス株式会社は、産業機械の製造販売を行っており、当社から直動システム等を購入しております。また、当社はTHKインテックス株式会社より製造用機械の一部を購入しております。THKリズム株式会社は、ボールジョイント等を国内外の輸送機器メーカー向けに製造販売しております。

米州においては、THK America, Inc.が販売を担当し、THK Manufacturing of America, Inc.が製造を担当しております。THK RHYTHM NORTH AMERICA CO., LTD.、THK RHYTHM MEXICANA,S.A. DE C.V.、THK RHYTHM AUTOMOTIVE MICHIGAN CORPORATION及びTHK RHYTHM AUTOMOTIVE CANADA LIMITEDは、リンクボール・サスペンションボールジョイント等の輸送機器要素部品を輸送機器メーカー向けに製造販売しております。

欧州においては、THK GmbH及びTHK France S.A.S.が販売を担当しております。またTHK Manufacturing of Europe S.A.S.及びTHK Manufacturing of Ireland Ltd.が製造を担当しております。THK RHYTHM AUTOMOTIVE GmbH及びTHK RHYTHM AUTOMOTIVE CZECH a.s.は、リンクボール・サスペンションボールジョイント等の輸送機器要素部品を輸送機器メーカー向けに製造販売しております。加えて、THK CAPITAL UNLIMITED COMPANY及びTHK FINANCE UNLIMITED COMPANYがグループファイナンス及び資金管理業務を担当しております。

中国においては、THK(中国)投資有限公司、THK(上海)国際貿易有限公司が販売を担当しております。また、大連THK瓦軸工業有限公司、THK(無錫)精密工業有限公司、THK(遼寧)精密工業有限公司、THK(常州)精工有限公司が製造を担当しております。蒂業技凱力知茂(広州)汽車配件有限公司及び蒂業技凱力知茂(常州)汽車配件有限公司はリンクボール・サスペンションボールジョイント等の輸送機器要素部品を輸送機器メーカー向けに製造販売しております。

その他の地域においては、THK TAIWAN CO., LTD.(台湾)、THK LM SYSTEM Pte. Ltd.(シンガポール)が販売を担当しております。また、THK MANUFACTURING OF VIETNAM CO.,LTD.(ベトナム)が製造を担当しております。THK India Pvt. Ltd.(インド)及び当社の関連会社である三益THK株式会社(韓国)は販売及び製造を担当しております。

経営成績

2021年12月 2022年12月 2023年12月
売上高 318,188 393,687 351,939
営業利益 30,268 34,460 23,707
単位:百万円

財政状態

2023年12月
親会社所有者帰属持分比率 64.2%

セグメント情報

売上高構成比 セグメント利益率
日本 33% 6%
米州 25% 2%
欧州 20% 2%
中国 17% 12%
その他 5% 5%

設備投資(抜粋)

当社グループでは、多様化する需要に対応する生産体制の構築、生産効率及び品質向上を目的とした投資を実施しました。

その結果、当連結会計年度の設備投資の総額は、30,153百万円(うち有形固定資産に対する投資額は28,757百万円)となりました。

セグメントごとの設備投資額は以下のとおりであります。

(1)日本

日本については、建物や機械設備、工具器具備品等に対する投資を当社において12,149百万円、THKインテックス株式会社において995百万円実施いたしました。

その結果、当連結会計年度の日本における設備投資額は14,759百万円となりました。

(2)米州

米州については、機械設備等に対する投資をTHK Manufacturing of America, Inc.において1,936百万円、THK RHYTHM AUTOMOTIVE MICHIGAN CORPORATIONにおいて378百万円実施いたしました。

その結果、当連結会計年度の米州における設備投資額は2,860百万円となりました。

(3)欧州

欧州については、建物、機械設備等に対する投資をTHK RHYTHM AUTOMOTIVE CZECH a.s.において760百万円、THK Manufacturing of Europe S.A.S.において683百万円実施いたしました。

その結果、当連結会計年度の欧州における設備投資額は1,872百万円となりました。

(4)中国

中国については、機械設備、工具器具備品等に対する投資をTHK(遼寧)精密工業有限公司において3,964百万円、THK(無錫)精密工業有限公司において1,955百万円実施いたしました。

その結果、当連結会計年度の中国における設備投資額は7,086百万円となりました。

(5)その他の地域

その他の地域については、機械設備等に対する投資をTHK India Pvt. Ltd.において2,484百万円、THK MANUFACTURING OF VIETNAM CO.,LTD.において1,005百万円実施いたしました。

その結果、当連結会計年度のその他の地域における設備投資額は3,574百万円となりました。

2021年12月 2022年12月 2023年12月
設備投資 21,729 32,095 30,153
減価償却費及び償却費 18,748 20,834 21,803
単位:百万円

研究開発(抜粋)

当社グループは、本社およびテクノセンター(東京都)を研究開発拠点として、基幹の直動システムをはじめ、精密XYステージやリニアモータアクチュエータなどのメカトロ機器、さらに自動車、免震・制震装置、医療機器、航空機、再生可能エネルギー、ロボットなどの消費財に近い分野において、直動システムのコア技術とノウハウを活かした製品開発に努めています。

海外では、中国に研究開発拠点としてR&Dセンター、ドイツにはTHK RHYTHM AUTOMOTIVEの研究開発部門を構え、世界各地のお客様のニーズにより的確にお応えできるよう、米州、欧州、アジアを視野に入れた最適地開発体制の構築を進めています。

産業機器関連事業では、ボンダー用ミニチュアガイド「AHR形」を開発しました。半導体製造装置の高性能化要求に貢献していきます。ラック&ピニオンによるケージずれ防止機構を有した「VRG形」のラインナップを拡充し、センターレールタイプの「VRG-W形」を市場投入しました。軽くなめらかな動作が必要な箇所に提案していきます。幅広い市場で使用しやすい互換性LMガイド「HDR形」では6方向からグリースの補充を可能とした形番をラインナップに追加しました。また、自由な経路設計を可能としたホイールガイド「CWG形」を開発しました。直線と曲線の組み合わせによりお客様の要求にマッチした経路を実現する搬送システムを提案していきます。

当社では初となる減速機「AMG形」を開発しました。この減速機は歳差運動式を採用することで、コンパクトでありながら高負荷容量を実現しています。クロスローラーリングでは、Dpw・N値30万を実現し工作機械などの高速化に応えた高速ローラーリング「RT形」を市場投入しました。その他に民生分野に最適な製品としてユーティリティスライド「AWG形」を開発しました。物流、鉄道などの新規分野への市場開拓を図っていきます。

ロボット関連では、新しい誘導方式の搬送ロボット「SIGNAS」に既存の2倍の牽引能力を持つパワーアップ版「SG-BM1T形」を追加しました。さらに電子部品のPick & Place工程に特化した「PPR形」においては、位置制御専用モデル「PPR-LR3-LF1形」をラインナップに追加しました。

免震関連では、文化財展示ケース用「VIT形」を開発しました。展示用ガラスケースの真下に設置することで、歴史的に貴重な文化財を地震の被害から守ります。

IoT関連では、お客様の設備の予兆検知の実現に向けた製造業向けIoTサービス「OMNIedge」において、LMガイドやボールねじなどの直動製品の予兆検知に加え、2022年2月にはポンプやファンなどの回転部品向けもラインナップに追加しました。さらに、第3弾として、同年11月には、工作機械の工具欠損検知ができる「工具監視AIソリューション」もラインナップに追加しました。

輸送機器事業では、自動車の電動化に伴い、軽量化ニーズへの対応と拡販に向け、新工法を採用したアルミ製品の市場投入を開始するだけでなく、北米ではアルミ鍛造技術を内製化し、米国のお客様のみならず、現地調達化ニーズのある日系メーカーのお客様にもご採用いただいています。

また、L&S(リンケージ アンド サスペンション)事業だけでなく、第2の柱として「CASE」関連の自動車用ボールねじ製品を開発、量産しています。自動ブレーキ要素部品としてだけでなく、次世代サスペンション用途へも展開しています。

さらに、eアクスル、新たなブレーキシステム向けのボールねじ等、新たな分野へ拡販を図っていきます。

そのような中、ジャパンモビリティショー2023では実走行可能なEVプロトタイプ「LSR-05」を世界で初めて展示しました。搭載されたEV向け先進技術は、シート座面内部とフロア接合部にLMガイドを配置したステルスシートスライドシステム「SLES形」、インナーロータータイプの可変磁束型インホイールモーター「enemo形」、路面の凹凸に対応した車高調整と姿勢制御が可能なアクティブサスペンション「ALCS形」、サスペンションの減衰力を電子制御で可変させ振動を吸収することが可能なMR流体減衰力可変ダンパー「MRDT形」、非接触給電システム「CLPS形」、バイワイヤー(電気制御)で4輪独立ブレーキを司る電動ブレーキ「ESB形」の6アイテムを開発しました。

引き続きお客様がまだ気づかれていない、5年先、10年先のニーズを見据えた真のマーケットインを目指した次世代製品の開発を推進するとともに、現在のお客様のニーズにお応えした製品ラインナップの拡充に努めていきます。

当連結会計年度における研究開発費の総額は6,161百万円であります。

2021年12月 2022年12月 2023年12月
研究開発 5,560 6,338 6,161
売上対比 1.7% 1.6% 1.8%
単位:百万円

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