(株)オカムラ
事業内容(抜粋)
当社グループは、当社、子会社33社及び関連会社9社で構成され、オフィス環境機器、商環境機器及び物流システム機器の製造販売等を主な事業内容とし、これらの各事業に関連する物流・施工・サービス等の事業活動を展開しております。
各事業における当社グループの位置付け等は次のとおりであり、セグメントと同一の区分であります。
オフィス環境事業
オフィス家具、公共施設用家具、セキュリティ製品、ヘルスケア製品等の製造販売を行っております。
〔主な関係会社〕
(製造)
当社、㈱関西オカムラ、㈱エヌエスオカムラ、㈱山陽オカムラ、㈱富士精工本社他
(販売・物流・施工・サービス)
当社、㈱オカムラサポートアンドサービス、奥卡姆拉(中国)有限公司、Siam Okamura International Co., Ltd.、DB&B Holdings Pte.Ltd他
商環境事業
店舗用陳列棚、冷凍冷蔵ショーケース、店舗カウンター等の製造販売を行っております。
〔主な関係会社〕
(製造)
当社、㈱関西オカムラ、㈱山陽オカムラ他
(販売・物流・施工・サービス)
当社、奥卡姆拉(中国)有限公司、セック㈱、Siam Okamura International Co., Ltd.他
物流システム事業
工場・倉庫用物品保管棚、物流自動機器・装置の製造販売等を行っております。
〔主な関係会社〕
(製造)
当社、㈱エヌエスオカムラ他
(販売・物流・施工・サービス)
当社、奥卡姆拉(中国)有限公司他
その他(パワートレーン事業他)
産業車両・建設機械用流体変速機の製造販売等を行っております。
〔主な関係会社〕
(製造)
当社、杭州岡村伝動有限公司他
(販売・物流・施工・サービス)
当社他
経営成績
2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | |
---|---|---|---|
売上高 | 261,175 | 277,015 | 298,295 |
営業利益 | 15,972 | 17,372 | 24,036 |
財政状態
2024年3月 | |
---|---|
自己資本比率 | 61.1% |
セグメント情報
売上高構成比 | セグメント利益率 | |
---|---|---|
オフィス環境事業 | 54% | 11% |
商環境事業 | 37% | 5% |
物流システム事業 | 6% | 5% |
その他 | 2% | 4% |
設備投資(抜粋)
当連結会計年度におきましては、総額16,188百万円の設備投資を実施いたしました。
セグメントごとの設備投資について示すと、次のとおりであります。
オフィス環境事業
主に、オフィス用家具等の新製品に対応するための金型及びその他の生産設備の維持更新に関わる機械装置の投資を実施いたしました。設備投資金額は9,329百万円であります。
重要な設備の除却等について、特記すべき事項はありません。
商環境事業
主に、店舗用什器・冷凍冷蔵ショーケースの生産設備の維持更新・省力化に関わる機械装置の投資等を実施いたしました。設備投資金額は6,535百万円であります。
重要な設備の除却・売却等について、特記すべき事項はありません。
物流システム事業
主に、工場・倉庫用什器及び物流自動機器・装置の生産設備に関わる投資を実施いたしました。設備投資金額は83百万円であります。
重要な設備の除却・売却等について、特記すべき事項はありません。
その他(パワートレーン事業他)
主に、流体変速機の生産設備に関わる機械装置の投資を実施いたしました。設備投資金額は240百万円であります。
重要な設備の除却・売却等について、特記すべき事項はありません。
2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | |
---|---|---|---|
設備投資 | 5,840 | 12,536 | 16,188 |
減価償却費 | 5,737 | 6,213 | 6,532 |
研究開発(抜粋)
当連結会計年度の研究開発費の総額は、1,494百万円であります。
当社グループの研究開発活動は、人にとって機能的で、安全・快適な空間創造に貢献するとともに、環境問題に配慮した製品の開発を行うことをモットーに、各事業分野にわたり積極的に研究・開発に取り組んでおります。
当連結会計年度のセグメントごとの主な研究成果は以下のとおりであります。
(1)オフィス環境事業
新型コロナウイルスが猛威を振るった3年以上の間に、出社制限が掛かりオフィスに人が居なくなったこと、人材の採用難、働き方の変化などに直面し、経営者のマインドが大きく変化しました。経営者のマインド変化は、投資につながります。また、省人・省力・省エネというキーワードに関わる提案が、我々のビジネスに直結しています。
①コロナ禍で途切れた社員間のコミュニケーションの活性化を促す提案として、TBW(Team Based Working)を提唱し、人と人のちょうどよい距離感で個人作業の快適性とコミュニケーションを両立するクリエイティブファニチュア「WORK ISLE(ワークアイル)」を発売致しました。オフィス活動の拠点となる場において、オカムラではこれまでに、人と人をつなぐことをコンセプトにしたクリエイティブファニチュアとして、周りの空間と境界なくつながることで自然と人が集まりチームを超えたコミュニケーションを生み出す「WORK CARRIER(ワークキャリアー)」と、チームの溜まり場としてほどよいこもり感を有しつつ、内と外を縁側でつなぐ「WORK VILLA(ワークヴィラ)」を発売し、提案してきました。「ワークアイル」は、チームの力を発揮するための人と人とのつながりをはぐくみます。これらのクリエイティブファニチュアは、面と曲線で描かれたデザインと共通のカラー展開により、一体となって空間を構成し、オフィス活動の拠点となる場をトータルコーディネートします。
②近年、企業における人的資本経営や健康経営が広まる動きの中で、従業員のウェルビーイング(身体的、精神的、社会的に良好な状態にあること)が注目されています。オカムラでは、心と体の調和が取れ、活力が向上している状態を「WELL at Work(ウェルアットワーク)」とし、その実現をサポートするためにワーカーがパフォーマンスを最大限に発揮し、それぞれの働きがい向上を目指すための空間づくりや働き方の提案をしています。ワーカーがオフィスで快適に働くために、身長や体格の違いに合わせた家具や仕事の内容に合わせた設えが必要です。天板が上下に電動で昇降する電動昇降デスクは、立ち姿勢や座り姿勢が取れるほか、座り姿勢時に一人ひとりに合わせて細かく天板の高さを変えることができるため、より快適で働きやすい姿勢をとることが可能です。北欧では、電動昇降デスクの普及率が9割に近く、米国は8割程度である一方、日本での普及率は低いのが現状です。オカムラでは、2015年に天板をなめらかに昇降させることができるデスク・ミーティングテーブル「Swift(スイフト)」を発売しました。「立ったり座ったり」を繰り返すことで、健康状態にも仕事への集中力にもプラスの効果があることに加え、一人ひとりの身長や体格の違いに合わせて天板を昇降し、快適な働く環境を実現します。今回、電動昇降デスク「スイフト」を全面リニューアルしたSwift Nex(スイフトネックス)」を発売し、日本市場においても欧米並みの普及率を目指します。
③近年、人手不足が深刻な問題となっているビル清掃において、省人化・効率化が進められております。新たな需要創出を目指し、2022年4月にクリーニングロボット「STRIVER(ストライバー)を発売しました。昨年は大手不動産デベロッパーと協業し、オフィスビル1棟全体の掃除ロボット活用に向けて、エレベーター連携に関する実証実験を行っております。また、オフィスビル内における他のロボット(警備ロボット、配膳ロボットなど)との連携実験を行い、ロボットフレンドリーな社会の実現に向けて開発を進めています。
④持続可能な医療提供体制を維持していくことを目的とした、医師の働き方改革が2024年4月より実施がされます。これまで主に医療機器に向けられていた病院の予算配分が、医師を取り巻く職場環境改善に向けられる機会と捉え、オフィス向けの働き方改革で得た知見と家具提案を、ヘルスケア市場(主に病院)に実施し需要喚起を行います。医局における収納システム「Relate(リレイト)の品揃え拡充や、医師向け集中作業空間家具「medifice(メディフィス)」のリニューアルを実施しました。
当事業における研究開発費の金額は651百万円であります。
(2)商環境事業
人件費の高騰及び人手不足を背景に、店内の効率化・省人化効果および環境配慮意識がより強くなり、店舗の省エネ効果がある製品・ソリューションへの期待が高まっております。また、災害時のインフラ機能など、店舗が果たす社会的役割の重要性がより認識されるなか、当事業においてもよりサステナブルな店舗開発・運営に寄与する製品、ソリューションの研究開発を行っております。
・10年後の環境変化を見据えた店舗の在り方の調査と研究
・デジタルを活用した店内販促及び作業効率の向上を行うサービスの開発
・ロボットを活用した店内作業の軽減に関する実験
・陳列や買い物をしやすくするための、特定の商品に特化した専用什器の研究・開発
・災害時に店舗をより早く復旧できるようにするための、製品の研究開発と復旧作業体制の構築
・冷凍冷蔵ショーケースの消費エネルギーを低減するシステムの研究・開発
当事業における研究開発費の金額は121百万円であります。
(3)物流システム事業
EC市場の拡大に伴う取り扱い荷物の増加や人手不足など、物流に対する要求・課題は増大しており、中でも物流の「2024年問題」では、荷主企業に対しても運送会社の荷待ち時間を減らすことが求められています。そのような物流効率化のニーズが高まる中、「自動化・省力化・省スペース化」を追求したマテリアルハンドリングシステム(ハード及びソフトウェア)の研究開発並びに自社製品に加えて、世界の最新技術も取り入れたお客様に最適なソリューションのご提案、導入サポートを行っております。
・AI・IoT・ロボット技術を応用したマテリアルハンドリングシステムの開発
・AI搭載ロボットと遠隔操作によるハイブリッド型自動化ソリューションの開発
・物流効率化を実現する高速・高密度収納のケース系自動倉庫の開発
・省スペース化を実現させるパレット高密度保管用自動倉庫の品揃え強化
・設置工事の短縮を可能とする搬送コンベヤシステムの開発
・保守IoTサービスシステムの開発
当事業における研究開発費の金額は703百万円であります。
2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | |
---|---|---|---|
研究開発 | 1,261 | 1,125 | 1,494 |
売上対比 | 0.5% | 0.4% | 0.5% |