(株)メルカリ
事業内容(抜粋)
ミッション
当社は、「インターネットの力で個人と個人をつなぐことで、限りある資源を大切にすることができ、世界中の人々が豊かに暮らせる社会をつくりたい」という想いから創業し、テクノロジーを活用した先進的なプロダクト開発や規律を持った大胆な投資によって成長を続けて参りました。当社の提供するサービスを通じて「人の可能性を広げること」への想いを込めたグループミッション「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」の達成に向け、グループ一丸となり邁進しています。AI / LLMやブロックチェーンを含む先進技術を活用することで、モノの取引だけでなくスキルやデジタルアセットの取引など新たなユーザ体験を提供していくことを目指し、有形・無形に限らずあらゆる価値が循環するエコシステムを創ることを通じて、「人」の可能性を広げる存在でありたいと考えています。
サービス概要
当社が運営する「メルカリ」は個人間取引(CtoC)のためのマーケットプレイスであり、誰でも簡単・手軽に不要品を売買できるという今までになかったユニークなユーザ体験を提供しています。
従来型の店舗における中古品売買は、来店に時間を要する、取り扱い商品が限定的である、買取業者が仲介するため売手と買手の双方にとって価格が不透明であるなどの課題があり、また、インターネットオークションを利用した中古品売買も、出品が煩雑で難しい、入札プロセスに時間がかかるといった課題がありました。
「メルカリ」では、スマートフォンやWebから誰でも簡単に商品を出品・購入することができます。また、配送業者やコンビニエンスストアとの提携により、簡便かつ手頃な価格の配送オプションを提供しています。更に、出品者・購入者ともに個人が中心であるため、誰でも手軽に不要品を販売してお金に換える楽しみや、ユニークな商品を探す「宝探し」感覚での買物を体験することができます。新規会員登録時に出品者の本人情報(住所/氏名/生年月日)の登録を必須化することで不正を抑止し、AIを活用した利用規約違反取引の自動検知に力を入れるなど、安心してご利用いただける環境づくりにも努めております。
当社グループが運営するサービス
当社グループは当社と連結子会社であるMercari,Inc.、株式会社メルペイ、株式会社メルコイン、株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シー、インド開発拠点等で構成されております(2024年6月30日時点)。鹿島アントラーズを除く国内事業をJapan Regionとし、また、Japan Regionにおいては、MarketplaceとFintechの2つのドメインに基づき事業の説明を行っております。
Marketplaceでは、創業来取り組んでいる個人間取引(CtoC)のためのマーケットプレイスであるフリマアプリ「メルカリ」を運営しております。2019年には日本で出品された商品を海外から購入可能な越境取引を開始し、2021年10月より開始したBtoCマーケットプレイスである「メルカリShops」も運営しております。誰もが簡単・手軽にモノを売買できるというユニークなユーザ体験を提供し、2024年6月期のGMV(流通取引総額)は1兆727億円、MAUは2,200万人を超えるまでに拡大しております。加えて、2024年3月には「メルカリ ハロ」の提供を開始しました。開始3か月弱で登録ユーザ数は500万人を突破し、パートナー拠点数は全国5万店舗に達するなど、順調なスタートとなりました。
Fintechでは、スマホ決済サービス「メルペイ」を運営しております。当社グループの保有する高い技術力と「メルカリ」独自の顧客・情報基盤を活用し、Creditサービスを中心に新たな信用の創造に伴う事業の拡大に努めております。2022年11月に提供を開始した「メルカリ」の利用履歴に基づくAI与信を生かしたクレジットカード「メルカード」は、340万枚を突破するなど順調に拡大し、グループシナジーの創出が順調に進捗しております。また、2023年3月に開始したビットコイン取引サービスにおける直近1年の暗号資産口座の開設数が業界No.1(注)となるなど、各々のサービスが大きく成長しました。
メルカリUSでは、「the easiest and safest selling app」として、誰もがより簡単で安全に様々なモノが売れるマーケットプレイス「Mercari」を運営しております。米国の主要マーケットプレイスで初めて出品手数料を無料化し、購入者が手数料を負担するモデルに変更するなど、将来成長に向けて大胆な挑戦を行いましたが、想定以上のインフレの長期化をはじめとする外部環境の影響により、成長率は鈍化傾向が継続しております。このような状況を踏まえ、マーケティング費用の見直しと組織再編を実施したことで、セグメント損失は大きく改善いたしました。
(注)一般社団法人日本暗号資産取引業協会による最新の暗号資産取引月次データによると、直近1年(2023年3月末〜2024年3月末時点)の新規口座開設数は約310万口座。同期間における当社の暗号資産口座開設数は約191万口座で、全体の過半数となる61.5%を占める。
Marketplaceのこれまでの成長
「メルカリ」は、2013年のサービス開始以来、日本を中心に継続的に成長しております。MAUは2,200万を超え、GMVは年間1兆円を突破しております。
メルカリUSのこれまでの成長
2018年のブランドリニューアル以降、サービスの利便性向上に注力しながら「the easiest and safest selling app」としての認知度と評価を確立し、米国においても循環型社会の実現に欠かせない存在となることを目指しております。
経営成績
2022年6月 | 2023年6月 | 2024年6月 | |
---|---|---|---|
売上高 | 147,049 | 172,064 | 187,407 |
営業利益 | -3,715 | 17,023 | 17,486 |
財政状態
2024年6月 | |
---|---|
親会社所有者帰属持分比率 | 14.3% |
セグメント情報
売上高構成比 | セグメント利益率 | |
---|---|---|
Japan Region | 74% | 22% |
US | 23% | -12% |
その他 | 3% | 1% |
設備投資(抜粋)
当連結会計年度において実施した設備投資(無形資産を含む。)の総額は153百万円であり、主にJapan Regionセグメントにおける本社OA機器の購入、及び㈱鹿島アントラーズ・エフ・シーにおける施設工事等によるものであります。
なお、当連結会計年度において、重要な設備の除却、売却等はありません。
2022年6月 | 2023年6月 | 2024年6月 | |
---|---|---|---|
設備投資 | 1,585 | 531 | 153 |
減価償却費及びその他の償却費 | 818 | 933 | 2,042 |
研究開発(抜粋)
当社は2017年12月に、社会実装を目的として、研究開発組織であるmercari R4Dを設立いたしました。mercari R4Dでは、あらゆる価値の循環によって人やモノの持つ可能性がより発揮される社会の実現のために、既存の在り方に囚われず、科学技術の力で価値交換システムだけでなく社会基盤をもアップデートしていくことを目指しています。研究領域として、現在は、量子情報技術、Accessibility、Blockchain、Mobilityといった自然科学系のみならず、ELSI(Ethical, Legal and Social Issues)やコミュニケーション・言語学といった人文社会学系の研究にも取り組んでいます。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は478百万円であります。
なお、当連結会計年度に実施した研究開発活動は、特定のセグメントに関連付けることができないため、セグメント別の記載を省略しております。
2022年6月 | 2023年6月 | 2024年6月 | |
---|---|---|---|
研究開発 | 398 | 369 | 478 |
売上対比 | 0.3% | 0.2% | 0.3% |