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ジュニアNISAは未成年向け?押さえておきたい基礎知識と始め方のポイント

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投資ビギナーにおすすめの代表格として、よく挙げられるのがNISAです。NISAは一定の少額投資が非課税でできる制度のことですが、いくつか種類があって、その違いがよく分からない人もいるようです。ここでは、ジュニアNISAのしくみやメリット・デメリット、始める場合の具体的な進め方などについてお伝えします。

01ジュニアNISAとは何か?

NISAとは、銀行や証券会社などでNISA専用口座を開設し、金融商品を購入した場合、本来、約20%の税率でかかる配当金や売買益等が、一定額まで非課税となる制度です。NISAには、一般NISAとつみたてNISA、ジュニアNISAの3種類があります。ここではジュニアNISAについて詳しく解説します。

ジュニアNISAの概要

ジュニアNISAは、2016年4月1日から開始された「未成年者少額投資非課税制度」の愛称です。対象は、0歳から19歳までのいわゆる未成年で、2014年1月から始まった一般NISAの「子ども版」といった位置づけになります。

ジュニアNISAの年間非課税金額は80万円まで。最大400万円となっています。一般NISAと共通している点は、おもに、投資で得られた収益(売却益、配当金、分配金など)にかかる約20%の税金が非課税であること。非課税期間が最長5年間であること。対象となる商品が上場株式、株式投資信託、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)等であることの3つです。

なお、成人年齢が20歳から18歳に引き下げる改正民法が2022年4月1日に施行されることに伴い、2023年1月1日以後に開設するジュニア口座等から、年齢要件が18 歳未満に引下げられます。

以降の文中の「未成年者」「成人」と表記してある説明については、時期によって20歳あるいは18歳のいずれかになる点にご注意ください。

<ジュニアNISAの概要>

項目 概要
ジュニアNISA口座を開ける人 日本在住の20歳未満の人※ (口座を開設する年の1月1日時点)
非課税期間 最長5年間
投資額 新規投資額で毎年80万円が上限(最大400万円)
投資対象 上場株式・株式投資信託・ETF(上場投資信託)・REIT(不動産投資信託)等
投資可能期間 2023年12月末まで
口座開設可能数 1人1口座
運用管理者 口座開設者本人(未成年者)の二親等以内の親族(両親・祖父母等)
払い出し 18歳までは払出し制限あり

※2023年1月1日より「18歳未満」

ジュニアNISAは2023年で終了

ジュニアNISAが創設された背景には、日本が諸外国に比べて、若年層の金銭教育が遅れているという課題がありました。そこで、未成年者が、税制優遇を受けながら投資を実践できる場や教育資金や子どもの将来の資産形成をサポートすることを目的に設けられたのがジュニアNISAです。

ただし、実際の運用や管理は、原則として両親や祖父母などの親権者が代理で行います。しかし、一般NISAや2018年1月から始まったつみたてNISAが、順調に口座数を増やす一方で、ジュニアNISAの口座数などは伸び悩んでいました。

金融庁の2020年12月末時点の利用状況調査(※)によると、NISA(一般・つみたて)口座が1523万9727口座に対して、ジュニアNISA口座は45万4614口座にとどまります。また、一般NISAやつみたてNISAはいつでも引き出せるのに対して、ジュニアNISAは払い出し制限があり、原則として18歳になるまでは引き出して使うことができません。

このようなことから、2020年度税制改正により、ジュニアNISAの口座開設可能期間は延長されず、2023年末に廃止されることが決定しています。

出典:金融庁「NISA・ジュニアNISA口座の利用状況調査」(2020年12月末時点(速報値))」
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20210226/01.pdf

2023年終了後のジュニアNISAは?

ジュニアNISAの開設期間が2023年で終了すると、保有する金融商品がどうなるのか?今から始めても意味がないのか?など気になる人も多いと思います。結論としては、制度が終了しても新規の口座開設ができなくなるだけで、非課税の扱いのまま買い付けた金融商品を一定期間まで保有できるしくみが設けられています。ただし、制度終了までに成人を迎える人と成人になる前に制度が終了する人では、運用方法が変わってくるので注意が必要です。

制度期間中に成人を迎える場合

まずは、ジュニアNISAの制度期間内に成人を迎えた場合についてです。図表のように、例えば、13歳から口座を開設した場合、非課税期間が終了する5年後(2020年)に、買い付けた金融商品を時価で「課税未成年者口座」に移すか、翌年の非課税枠に移すか(ロールオーバー)のいずれかを選択することになります。

課税未成年者口座は、ジュニアNISA口座と同じ金融機関に開設されるもので、いわば、預かり金を管理するための口座です。一方、非課税枠へのロールオーバーは、さらに5年間非課税枠が使える、いわば非課税期間の延長です。

この際、非課税期間満了時(年末)の時価で移管されますので、例えば、2016年に30万円で買った投資信託が2020年末時点で50万円に値上がりしていれば、上限80万円のうちロールオーバーで使用しなかった30万円分だけ、新規で買付も可能です。また、時価評価額が80万円を超えていても、全額ロールオーバーできますので、含み益があってもそのまま移管できます。

そして、制度終了前に成人を迎えた場合、取引の相手が、運用管理者(親など)から口座名義本人に変更になります。口座名義人は成人した年の1月1日時点で、自動的にNISA口座が開設されるしくみです。

以下の図表では、15歳(2018年)の投資分以降、非課税期間終了後には成人ですので、ジュニアNISA口座内の金融商品は、NISA口座に移管できるようになります。なお、一般NISAとつみたてNISAのいずれかを選択できますが、後者を希望する場合は変更手続きが必要です。1月1日時点で成人になる年の前年にNISA種別変更を行えば、つみたてNISA口座が開設できます。

※財務省「ジュニアNISA制度の概要」
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/income/jrnisa.pdf

成人になる前にジュニアNISAが終了する場合

成人になる前にジュニアNISA制度が終了する場合、「継続管理勘定」にロールオーバーして、成人になるまで非課税で保有することができます。継続管理勘定とは、2024年から2028年の年初までの各年に設けることができるもので、ジュニアNISA口座から移管されるロールオーバー専用の勘定です。新規の投資はできませんが、売却は可能です。

以下の図表のように、子どもが小さいときから口座を開設すれば、成人するまで長期間、収益が非課税となるわけですから、さらに金利が高いほど、得られるメリットも大きくなります。

わかる選べるNISA投資
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02ジュニアNISAのメリット・デメリット

続いて、ジュニアNISAのメリットとデメリットについてご説明します。

ジュニアNISAのメリット ジュニアNISAのデメリット
年間80万円分×3年間で最大240万円まで非課税で運用できる 原則18歳まで引き出しが制限されている
家族単位で非課税枠を増やすことができる 口座間の移動はできない
子どもの頃から、金融商品や投資に対する関心を高めることができる 損益通算と3年間の繰越控除は対象外

ジュニアNISAのメリット

2023年末に廃止が決まっているジュニアNISAですが、今から始めるメリットはあるのでしょうか?2021年中にジュニアNISAの口座開設した場合、以下のような点を挙げることができます。

  • 年間80万円分×3年間で最大240万円まで非課税で運用できる
  • 家族単位で非課税枠を増やすことができる
  • 子どもの頃から、金融商品や投資に対する関心を高めることができる

非課税期間中は、値上がり益や分配金、配当金に対して税金がかかりませんし、非課税期間が終了後も、「継続管理勘定」にロールオーバーすることで、成人になるまで、非課税のまま保有し続けることができます。

どのくらいおトクかを具体的に計算してみましょう。
0歳の時から3年間、毎月6.6万円を年率3%で積み立てた場合、積立期間終了後(3年後)には248.1万円。これを元本として、さらに18歳になるまでの15年間、年率3%で運用した場合の元利合計は386.5万円です。
投資元本は240万円ですので、386.5万円で売却した場合、通常、値上がり益である146.5万円に対して約20%の税金(29.3万円)がかかります。ジュニアNISAでの運用なら税金はゼロです。

また、家族単位で非課税枠を増やすことも可能です。両親は一般NISAあるいはつみたてNISA、未成年の子どもはジュニアNISAで投資すれば、3人家族で年間160~320万円を非課税で運用できます。

さらに、家族全員がNISA口座を開設することで、「投資とは何か?」「どのような金融商品を選べば良いのか?」「なぜ、その金融商品が値上がりあるいは値下がりしたのか?」「どうしてNISA口座だと税金がかからないのか?」など、金融経済の知識を深める良い機会となるはずです。

ジュニアNISAのデメリット

一方で、ジュニアNISAのデメリットには、以下のようなものがあります。

  • 原則18歳まで引き出しが制限されている
  • 口座間の移動はできない
  • 損益通算と3年間の繰越控除は対象外

口座開設者が18歳(3月31日時点で18歳である年の前年12月31日)までに、未成年者口座から払出しを行う場合、過去の収益および払い出し時点の含み益に対して課税され、未成年者口座は廃止されます。例外的に、災害等やむを得ない事由(自宅が災害で全壊など)による場合のみ、未成年者口座内の金融商品を全額払い出せば、非課税での払出しが可能です。

18歳まで引き出しできないとなると、中学受験や高校受験の費用や塾代などには使えません。大学受験についても、最近多い総合型選抜(旧AO入試)や、学校推薦型選抜(旧推薦入試)は、秋ごろに合格が決まります。入学金等が必要な時期も前倒しになりますので、進学資金としては利用できないことになります。元々、払い出し制限を設けることで中長期的な観点での資産形成を促す狙いがあったものの、使い勝手という観点では、大きなデメリットとなっています。

また、現在、ジュニアNISA口座以外の口座で保有している金融商品をジュニアNISA口座に移すなど、口座間の移動はできません。

そして、非課税の措置が受けられるのは、未成年者口座内の損益はなかったものとみなされるためです。したがって、未成年者口座内で保有している金融商品が値下がりした後に売却するなどして損失(マイナス)が出た場合でも、他の口座で保有している金融商品の配当金や売却によって得た利益(プラス)との相殺、つまり損益通算はできません。この損失額を翌年以降、3年間繰り越して、翌年以降の税負担を軽減する3年間の繰越控除も対象外です。

わかる選べるNISA投資
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03ジュニアNISAの始め方

ジュニアNISAを始めるには、証券会社であれば、まず親権者名義の総合取引口座を開設し、それから、子どもの名義の未成年者口座およびジュニアNISA口座を開設します。ただし、全ての金融機関でジュニアNISAが利用できるわけではなく、金融商品の品揃えや手数料などもさまざまです。口座開設できるかどうかも含め、事前にホームページなどで確認しておきましょう。

ジュニアNISAの手続きの流れ

ジュニアNISAの申し込み手続きは、原則として親権者もしくは親権者代理人(事前に親権者様の同意を得て親権者代理人として届出をしている場合)が行います。なお、おおむね、申し込みから取引開始までに約1ヵ月半程度かかりますので、年末ギリギリになって、その年分の投資に間に合わないということのないようにしましょう。

※金融庁「ジュニアNISAを始める」
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/junior/start/index.html

申し込みの前に準備しておくおもな必要書類は以下の通りです。

  • 子どもの個人番号が分かる書類(個人番号カード・通知カードなど)
  • 子どもと親権者の関係が分かる住民票の写し(世帯全員について記載があり、かつ続柄の省略がないもの)
  • 子どもと親権者双方の本人確認書類(保険証・免許証など)
  • 上記に加えて、祖父母が運用管理者になる場合、親権者と祖父母の関係(続柄)が分かる戸籍謄本
わかる選べるNISA投資
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04ジュニアNISAの注意点

ジュニアNISAの注意点としては、次のようなものが挙げられます。

  • 未成年者口座を開設できるのは「未婚の未成年者」
  • ジュニアNISAの口座名義人は子ども本人
  • 金融機関の変更はできない

未成年口座を開設できるのは、現時点では「満20歳未満の未婚者」です。20歳未満でも結婚していれば成人として扱われますし、口座開設時点で未婚でも結婚歴があれば未婚とはみなされません。

また、ジュニアNISAは、親や祖父母が資金を出しますが、基本的には、口座の名義は子どもになります。その資金を引き出して親や祖父母が使うと、贈与税の対象となりますので注意が必要です。

そして、ジュニアNISAは、いったん口座を開設すると、金融機関の変更ができません。金融機関を変更する場合は、開設しているジュニアNISA口座を閉鎖する必要があり、口座を廃止しなければ金融機関の変更ができないしくみです。

ただ、口座を廃止すると、過去の利益に対して課税されますので、非課税メリットを享受するには得策とは言えないでしょう。

基本的に、ジュニアNISAは、親権者のうち1名が「登録親権者」となり、子どもの未成年口座を開設しようとしている証券会社にあらかじめ証券口座を開設する必要があります。そこで、親権者自身も取引しやすい金融機関を選ぶことです。

いずれにせよ、成人になれば、ジュニアNISAから一般NISAやつみたてNISAなどを利用して、資産形成を行う可能性もあります。くれぐれも、金融機関選びは慎重にすることをお勧めします。

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